me)「明日の神」(ニール・ドナルド著)の4章を読んでいるんです。そこにはとても難しい宇宙の仕組みが書かれていました。「生命に仕える」とか「生命を維持する」という言い回しなんです。

 

meの神)なんて書いてあったのかな?

 

me)前回のテーマ「人類を目覚めさせる」と同じ様な内容で、「世界を救う」というテーマが語られているんです。こんな風に・・・。

 

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二)わかりました。だけど正直なところ、「世界を救う」という言葉を聞くたびに、困ったなという気分になるんですよ。いぜんあなたは、「すべては完璧」であり、「しなければならないことは何もない」と教えてくださった。それなのに今度は、「世界を救う」という話を持ち出される。それって、一部の宗教が彼らの神についての理解をわたしたちに押しつけるために使う「おどし戦略」と同じように聞こえるんですよ。「明日の神」は違う種類の「恐怖の道具」を使っているだけで、やっぱり「恐怖の道具」であることには変わりはないみたいにね。

 

神)なるほど、そう思うのは無理もないね。どうしてそう感じるのかはわかるよ。それではここではっきりさせておこう。いまの宇宙ではすべてが完璧だ。何も「間違って」はいない。なぜなら「間違って」いるというのは、あなたがたが何をするつもりかをもとにした相対的な判断だからだ。

宇宙は何をするつもりもない。宇宙はただ存在するし、あるがままで完璧だ。宇宙には課題は何もない。だが、もしあなたがたに課題があるなら、あなたがたの世界、宇宙のあなたがたの領域で起こるできごとのなかには変えたいと思うことがあるかもしれない。あなたがたが変えたいと思うなら、宇宙はそうさせるよ。それどころか、その力を力を与えてくれる。だが、宇宙がそうしろと要求することは絶対にない。すべてはあなたがたが何を選ぶのか、何を望むのかによる。

あなたがたが多かれ少なかれ、今地球上での人生/生命のあり方を楽しんでいるのなら、そのかたちをこのまま維持(preserve)したいと思うだろう。わたしが「世界を救う(saving the world)と言うのは、そういう意味だ。「救う」というのは「維持する(preserve)」ということだ。そして維持するというのは、まずそのために仕える(serve it first)ということなんだよ。

 

二)「まずそのために仕える」ですか? どうして、そうなるんですか? どういう意味なんですか?

 

神)先ほど、すべての人生/生命と神は一体であるという「欠けているメッセージ」を、あなたの存在のいちばん深いレベルであなたにしみわたらせ、あなたの無意識の一部にして、出会うすべての生命/人生への反射的な対応にしなさい、と言ったね。

もし、いまの地上でのあり方を続けたいのなら、あるいは、これからの世代のためにもっと良くしたいのなら、生命/人生を維持するすべてに仕えることを最優先しなければいけない。それが「維持する(preserve)」ということだ。

「先に仕える(pre-serve)」とは、こうしようと意識するより前に何かに仕えることを指す。

 

二)ううん・・・・・よくわかりません。

 

神)「先に仕える(pre-serve)」とは、あなたが意識的に何かを選ぶ前に、あるあり方、あるものを選択することだ。人生で意識的に何かを選ぶ前に、まずこの選択のために尽くす。それが「先に仕える(pre-serve)」ということだ。

「先に仕える(pre-serve)」ことが「維持する(preserve)」される。

あなたがそれを救うことになるんだよ。

 

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me)ニールさんの質問は、『「世界を救う」という言葉を聞くたびに、困ったなという気分になるんですよ。いぜんあなたは、「すべては完璧」であり、「しなければならないことは何もない」と教えてくださった。それなのに今度は、「世界を救う」という話を持ち出される。』・・・ということでしょう? その疑問は、僕の疑問でもあったんです。それに対して神様は、『あなたがたが多かれ少なかれ、今地球上での人生/生命のあり方を楽しんでいるのなら、そのかたちをこのまま維持(preserve)したいと思うだろう。わたしが「世界を救う(saving the world)と言うのは、そういう意味だ。「救う」というのは「維持する(preserve)」ということだ。そして維持するというのは、まずそのために仕える(serve it first)ということなんだよ。』と言っておられます。その維持するというのが、わかりにくい。

 

meの神)神は、その後説明しているようだが・・・。

 

me)はい、確かに『もし、いまの地上でのあり方を続けたいのなら、あるいは、これからの世代のためにもっと良くしたいのなら、生命/人生を維持するすべてに仕えることを最優先しなければいけない。それが「維持する(preserve)」ということだ。「先に仕える(pre-serve)」とは、こうしようと意識するより前に何かに仕えることを指す。』と言っておられます。

さらに、『「先に仕える(pre-serve)」とは、あなたが意識的に何かを選ぶ前に、あるあり方、あるものを選択することだ。人生で意識的に何かを選ぶ前に、まずこの選択のために尽くす。それが「先に仕える(pre-serve)」ということだ。「先に仕える(pre-serve)」ことが「維持する(preserve)」される。あなたがそれを救うことになるんだよ。』と言っておられます。

なんとなく分かるような分からないような・・・感じなんですよ。

 

meの神)「世界を救う(saving the world)」ということの意味は、「維持する(preserve)」ということで。そのためには、まずそのために仕える(serve it first)ということだと言う意味だね。あなたは「世界と自分自身が一つだ」ということを、理解したのではないか。であれば、「世界を救う」とは、「あなた自身を救う」こととなんら変わらない事になるね。あなた自身の本質とは一体なんだろうね?

 

me)『「世界を救う」とは、「あなた自身を救う」こと』ですか・・・随分シンプルに整理されましたね。すごいな!! 「世界を救う」という言葉を聞くと、どうしても、途轍もない馬鹿でかい地球規模の現象的世界を想像しちゃうんですよ。それをいとも簡単に「自分自身の本質」という一点にまとめてしまわれた。そういう感覚というか、発想の転換が、あなたの凄さなんですよね。

 

meの神)あなたは私を褒めるのが上手だね。とても嬉しいよ。ありがとう。しかし、私はあなただよ・・・。あなたの本質は私だということを、あなたは既に知っている筈だ。だとすれば、あなたはあなた自身の素晴らしさを自分で褒め称えた事になる。

 

me)まぁ、そうおっしゃれば、そうなんでしょうけど・・・。でも、私の理性的理解では、越えられない理解があった場合に、それをあなたに聞けば、ちゃんと答えて下さるんですよ。

 

meの神)あなたが『それをあなたに聞けば、ちゃんと答えて下さる』と言っているのが、それこそ「神との対話」だということになるね。これは、あなた自身が、「内なる神との対話」を日々しているという意味だね。素晴らしいじゃないか。全ての人間は、実は毎日毎瞬、「内なる神との対話」をしているんだよ。しかし、大抵の場合、その事実に気づいていないだけなんだよ。静かに内なる声を聞けば、人類は、今既に神と対話していることを思い出すだろう。

 

me)そうなんですか。なんか嬉しくなってきましたよ。人類はいつでも「神との対話」をしているということですね。

 

meの神)それはそれとして、本題に戻してもいいかな? 『「世界を救う」とは、「あなた自身を救う」こととなんら変わらない事になるね。あなた自身の本質とは一体なんだろうね?』と私が言ったが、それに対するあなたの答えがまだなんだが?

 

me)そうでしたね。・・・・ええと・・・。

「私の本質」とは、つまりですね・・・、「魂レベルの意図」だと思います。つまり、「内なる神」の世界、今ここに既に実在している完璧な世界のことだと理解しています。

 

meの神)素晴らしいじゃないか。それで・・・?

 

me)ですから・・・・、「世界を救う」とは、つまり、「私自身を救う」ことになりますから・・・・、つまりですね・・・・・私自身の魂の世界に既に実在している所の「完璧な世界」を思い出すことになりますね。・・・それでどうですか?

 

meの神)ちゃんとわかっているじゃないか。素晴らしいよ。・・・それで・・・・?

 

me)ええっ? その続きがあるんですか? それを僕に言えって言われるんですか?

 

meの神)あなた自身の考え方が一番大切なのではないかな? 「維持する」という意味まで、自分で答えを知っているのではないかな? だったら、自分で答えを出したらいいじゃないか。

 

me)そうですね。僕は「先に仕える」「維持する」ということの意味を知りたかったのです。「維持する」ということは、「既に実在する完璧な存在を維持する」と言う意味だと解釈できると思います。そして、「先に仕える」というのは、同じ意味だと思います。つまり、「既に実在する完璧な存在に仕える」という意味だと思います。

 

meの神)あなたは、あなた自身の言葉で、「意味」を創造した事になる。全ての現象的出来事には、本質的意味は存在しない。それに対して「意味」を創造するのは、あなた以外の何ものでもないのだよ。それが宇宙の仕組みだ。

 

me)僕が「意味」を与えたことは分かりました。そこで僕が聞きたいのは、それで合っているかどうか?ということを確認したいんですが、それはどうなんでしょうか? 正解なんですか、それとも不正解なんでか?

 

meの神)この世界に一つも「不正解」はないよ。全てが「正解」だ。ただ、自分の意図に対して役立つかどうかは別だよ。そこにあるのは、「あなた自身がなにものであるか」という創造があるだけだよ。その創造があなたを体験の世界に導く。そして「あなた自身が何者であるか」ということを体験的に知ることができる。つまり、人間が再創造することによって、客観的に神が神を知ることができる。

あなたは「意味」を再創造する。その時宇宙はあなたの「意味・解釈」の通りに、宇宙にそれを映し出す。そして、あなたは自分自身が再創造した世界を、客観的宇宙(現象的宇宙)として観察することが可能となる。そして、その現象宇宙に現れた出来事に対してさらに「意味・解釈」を与える。そうして、あなたは自分自身を宇宙に投影して、さらに自分自身を体験する事になる。それが「自分を再創造する」ことであり、「自分自身が神であることを体験的に知る」ことじゃなかったのかね。

 

me)急に壮大な話になりましたね。だったら、僕はどんな意味づけをしても僕の自由だということなんですね。

 

meの神)あなたのそして人類の自由意志、自由選択を拘束するものはこの宇宙には存在しないよ。私ももちろん、あなたがた人類の自由選択と自由意志を束縛することはあり得ない。宇宙の全ては、私だよ。私以外の存在はない。あなたがたは神だから完璧な自由を持っている。持っているのではなく、「自由」は「神」であり、それがあなたがたの本質なのだ。そして、あなたがたが選択した通りに、意味付けした通りに、この宇宙が出来上がっていく。なぜなら、あなたがたは神だから。

「維持する」ということについて、あなたが「既に実在する完璧な存在を維持する」という意味だと解釈し、そして、「先に仕える」というのことについて、「既に実在する完璧な存在に仕える」という意味だと理解したならば、「既に実在する完璧な存在」を体験できる事になる。そうすれば、きっと「人類(あなた自身)を維持し救う」ことを体験できるだろうね。

 

me)ということでしたら、僕たちが望んでいる素晴らしい世界がこの世界に現れて、体験できるということですね。

 

meの神)そうだよ。あなたが望む世界を本当に体験したいのであれば、「既に実在する完璧な存在」に仕えることが、唯一役に立つ事になるだろうね。「既に完璧に世界が実在している」ことを知って認めればいいのだよ。簡単に言えば、「この世界は不完全だ」という信念を持てば、現象世界に「不完全」を体験できる。「この世界は完璧だ」という信念を持てば、現象世界に「完璧」を体験できる。実に簡単なことだよ。別に難しいことではない。

やろうと思えば誰でもできることなのだ。ただ既にある存在を思い出して認めるだけでいい。しかし、それを忘れているから、人類は極めて難しいことをしようと頑張ってきた。「この世界が不完全だ」と信じていると、自分で何か付け足して行動しなければいけないと勘違いして悪戦苦闘する。そろそろ人類は、もうそれらのやり方は役に立たない、ということが分かってきたのではないかな。人は、「この方法ではダメだ」と分かった時に、はじめてその方法を捨て去ることができる。そして、別の方法を受け入れる準備ができる。「自分が何かを行為することによって、望む世界、求める世界が実現する」という方法が正しいと信じている間は、その方法を捨て去ることはできないし、「既に実在する完璧な存在」を素直に認める方法を受け入れることはできないのだよ。あなたはそのことを体験しただろう。あなたが昔、あの道場に導かれたときと同じだよ。

 

me)そうですね。あのときまでの僕は、「社会が不完全だ」と思っていましたので、「自分で何かしなければならない」と信じていました。しかし、あの政治的挫折を経験したことで、「自分では生きられない」と分かって、「何かを行為する」ことができなくなったのです。だから「神の御心のままに」と半年間も毎日祈り続けることができました。そして、全く不思議なことに、色んな人や出来事の導きで、その半年後には道場に来ていました。きっとあの新しい道は、「既に実在していた完璧な存在」を無意識のうちに引き出していたのだと思います。つまり、「神の御心のままに」という言葉の奥底には、「自分の中の神が完璧に自分を導く」ことに対する信頼が込められていたのだと思います。あの時はじめて、僕は「内なる神」に心の目を向けることができたのだと思います。

だから、あなたの仰る通りだと思います。

 

meの神)全ての人々は、最初は外に何かを求めて、「何かを行動することによって、何かを得られる」と信じている。それはなぜかというと、「自分自身が神であり、全ての環境は自分の信念の通りに現れる」というこの宇宙の仕組みを忘れているからだよ。それを忘れて、「環境の不完全さ」を本物だと誤認していると、その誤認は環境に支配されている自分がいると信じる事になる。環境に現れた出来事や存在が、自分が描いた幻想だということを忘れて、確固たる存在だと信じることを意味する。その信念は原因になる。現象に現れた存在が確固たる原因として、世界を支配していると誤認する。

それは矛盾だ。本来自分の信念が原因なのに、結果的として現れたことを原因と考える。それこそが、この世界で最大の矛盾だ。矛盾は混沌と支離滅裂を生む。「不完全な世界がある」との信念は、さらに不完全な現象を映し出す。本来「結果」であるものを「原因」であると誤認する。そうすると永久に鏡の世界に閉じ込められる事になる。

鏡に映る虚像は、本人を映し出す結果に過ぎない。しかし、その虚像を原因だと誤認すると、虚像の結果に心が縛られる。心が虚像という結果に縛られると、それが原因となって、新たな支離滅裂な混乱した虚像という結果が映し出される。その結果は、以前見た虚像(結果)の姿を、さらに複雑に混乱させた虚像として映し出す事になる。つまり、いつまで経っても、虚像(結果)の写しを、繰り返し繰り返し映し出す事になる。それはあたかも「鏡の世界に閉じ込められた」不自由な虚像だけの世界だ。2枚の鏡を向かい合わせに並べて、自分を写した時、永遠に同じ虚像が何十、何百と映し出されるようなものだね。

現在の世界が様々な矛盾や混乱や争いが生じているのは、それが原因だよ。だから、どれだけ政治家や市民運動家、革命家が必死になって努力しても、益々混迷を深めているのは、その宇宙の仕組みを正しく理解していないからだよ。

その永遠の鏡の世界から脱出する道は、至極簡単だ。鏡の世界が幻影だと知って、鏡に映し出す世界は、自分自身が創造したものだと、まず認めなければならない。どんな原因を自分が選択するか、創造するかは自由だ。心で強く認めたものがこの世界に映し出されるだけだ。だから、「自分自身の中に既に完璧な世界が実在している」ことを思い出せばいい。「自分の中に神があり、既にその世界は完璧だ」と強く認めれば、それが新しい原因となって、その結果が鏡に映し出される事になるのだよ。

 

me)それが、「世界を救う(saving the world)」ことであり、「維持する(preserve)」ことであり、そして、「先に仕える(pre-serve)」ことなんですね。結局、「世界を救う」とは、「自分自身が人類一体の神であって、既に自分(神)が完璧な宇宙を創造済みだ」ということを思い出して、本来の自分(神)の世界を維持する(preserve)ことであり、本来の自分(神)に仕えることなんですね。

 

meの神)あなたが、そう決めればそうなるのだよ。決めなければそうならないが・・・。

 

me)だったら・・・僕は、そう決めます。

 

meの神)あなたがたは全て「神」だ。決めた通りになるしかない。どのように決めるかは、あなたがたの自由だ。