黒田は真剣な顔をした刻の横顔を見つめ、動揺しすぎて状況処理能力が無くなった脳みそで、
(あー… コイツいつもこんな顔してたらイケメンなのになぁ………)
などとひたすら現実逃避に浸る。
その間にも、柘榴と刻は自分たちの世界にめり込む。
柘榴が、包丁を握る手をゆるめ、足をミニテーブルから下ろし、渋い顔をして言葉を吐く。
「…好きなのか…」
(何が?)
「あぁ 愛してる」
(何を?)
二人が会話を続け、黒田はただ聞きながら黙っている。
どうやら柘榴は何か酷い勘違いをしてるらしいと、黒田は動きたからない思考を動かす。
何でこんな流れになってるんだ。
何を勘違いしたんだ弟よ。
少し考えた後、ようやくわかった。
すべての合点がついた。
(柘榴は…)
(刻と両思いなんだ…!)
黒田は、「コレだ」と、光を失った目をカッと見開いた。