今回から宮城県 名取市にある熊野神社を三社紹介します。和歌山県に本家がある熊野速玉大社、熊野那智大社、熊野本宮大社が名取市にもそれぞれ三社あります。三回に分けてそれぞれ紹介します。まず1回目は熊野神社です。

宮城県 名取市にあります。

御祭神は、速玉之男命(はやたまのおみこと)。伊邪那岐命(いざなきのみこと)。事解之男命(ことさかのおのみこと)です。

配祀は、事代主命(ことしろぬしのみこと)。面足尊(おもだるのみこと)。ういぢにのみこと。すいぢにのみこと。です。

名取市は仙台市の隣町になります。仙台市に近いだけに最近は特に再開発なのか様々な商業施設が増えましたし住宅も増えました。新しい道路等のインフラ整備も進んでいます。

名取熊野三社もほぼ仙台市に近い場所です。市街地からは少し離れており山側にあります。遠方から来られる方は最寄りは、東北自動車道の仙台南ICです。電車の方は、乗合いバス「なとりん号」というバスがあるので路線や時間などご確認下さい。

では紹介にうつります。

こちらが入口です。左側に道路があるのでENEOSのガソリンスタンドと熊野神社の看板を目印に向かうとかの鳥居が見えてきます。車の方は右側の細い道を進むとあります。熊野神社に入る前に左手に文殊堂が見えてきます。こちらには文殊菩薩がおられます。最近宮城県多賀城市の博物館で奈良東北のみほとけ展という企画で公開されてました。こちらの文殊菩薩もかなり歴史あります。 こちらのお堂は神社近くにある熊野山新宮寺というお寺が管理しております。こちらが手水舎です。その手水舎の後ろには…源頼朝公が腰かけたとされる石があります。由緒の中にこちらの熊野神社で奥州東征の際に戦勝祈願をされたとあります。

こちらが拝殿です。堂々としたような建物ですね。11月は銀杏の木が色づいて良い感じに拝殿が引き立ちますね。ちなみに真冬の時の写真です。拝殿前には池があるのですが、凍っています。この先こんな感じなのて冬に参拝の際は滑らないようにお気をつけください。先程の銀杏の木を撮った写真です。何回かお参りはしてるのですが、実は銀杏が綺麗な時に参拝したのは初めてでした。綺麗ですね。

では由緒の紹介です。

ちょうど900年前の1123年に名取郡に一老巫女という方がいました。その方が紀州熊野(現和歌山県)の熊野の三神を深く信仰しており何度もお参りしていたそうです。しかし年老いてしまい名取郡からの長旅も難しくなりました。そんな中で熊野で山伏をしていた方が宮城県の松島へ向かおうとした所、夢に熊野権現が現れて山伏に名取の巫女の話をして和歌を詠んだそうです。「道遠し 程もはるかに隔たれり 思ひおこせよ 我も忘れじ」という和歌です。

そして山伏が実際に名取辺りに来るとその巫女がおられてこの事を伝えたそうです。巫女さんはその事に感激して名取の地に熊野三社をそれぞれ勧請したそうです。そして今年2023年は熊野神社創建900年となります。

こちらの熊野神社は熊野新宮社とも呼びます。本家の立ち位置でいうと熊野速玉大社になります。しかし歴史の中で熊野神社や熊野社も合祀された歴史もあります。奥にいつくかある本殿の一つには若宮(那智飛龍権現社)もあるので三社としてそれぞれありますが、ある意味ですが、こちらの熊野神社だけでも熊野神社全体を参拝したとも言えるかもしれません。

でも名取三社は本家の地形の海や川、山を名取の地形と合わせて地理、方角的に合わせて勧請しているそうです。なので是非三社お参りして本家に参拝した事と同じ思いや歴史に触れて頂けたら良いかなと思います。


境内からはあまり見えないので外から見た本殿です。この本殿がある敷地内に熊野三社を勧請した老女の宮として名取巫女のお社もあるようです。

参考までにこちらがその図になります。

では御朱印の紹介です。こちらが社務所です。4年程前までは神職常駐しておらずこの社務所入口に書き置きが置いてありました。こちらが御朱印です。直書きになります。300円です。カラスの朱印があるのは、熊野大社の眷属、御使いは八咫烏(やたがらす)というカラスです。足が三つあります。

またこちらの熊野神社にはオリジナル御朱印帳があります。御朱印含めて1800円です。こちらの熊野神社が刺繍されています。

今はないですが、参考までに過去の御朱印も紹介します。

神職さんがいない頃は常にこちらのシンプルな書き置き御朱印でした。神職さんが常駐した頃の御朱印です。それぞれ今と違うのはお分かりいただけると思います。

紹介は以上になります。

近くの道路は昔から通っていたのでこちらの熊野神社がある事は知ってはいました。しかし歴史までは知らなかったですし、まさか源頼朝公が腰掛けた石まであるなんて想像もしなかったです。

神社、お寺巡りの楽しさはこういう所も良さの一つです。最初は御朱印だけかもしれません。しかし視野を広げると何でもなさそうでもそれぞれしっかり歴史があるんだなと再認識や勉強になります。

是非御朱印や神社、お寺巡りされる方、これからの方も年末年始の参拝だけの方でも少しでも地元の神社、お寺からでも周りを気にしてみてください。由緒に目を通して見たり境内の様々なものを気にすると新たな発見があって面白いかもしれません。

閲覧して頂きありがとうございました。皆様に良いご縁がありますように🙏✨