2月5日の藤原歌劇団『カルメン』を観てきました。
オペラのなかでも特別な作品、、何度見ても感銘を
与えてくれます。
音楽がいい、ストーリーが分りやすい、歌がいい。
そして多くのキャストがステージ狭しと躍動している・・
いつ観ても帰りの道では鼻歌ハミングの数曲が口から
出てきてしまいます。
「ハバネラ』『ジプシーの歌』『花の歌』そして「闘牛士の歌」。
 
 
東京公演の楽日という事もあり5階席まで観客で一杯。
ホワイエでは顔馴染みの方といつも以上にお会いする
ケースが多く、期待値の高い作品でした。
日フィルが久しぶりにオケピに入ることや若きマエストロ
・山田和樹がオペラの指揮をほぼ初めて執るということ
も話題になっていた。
そして吾輩的には華のあるソプラノ、小林沙羅が藤原の
デビューを飾ることも要チェックです。
 
 
 
業界関係者も多く駆けつけておりテノールの村上敏明さんも
ファンサービスをされていました。
『愛の妙薬』以来ですがいつお逢いしても気軽にリクエストに
応える姿はホストマン・シップに溢れています。
(右側は事情によりカットしました、、)
本来は前日の4日に藤原歌劇団のオペラデビューをするソプ
ラノの尾形志織さんを応援すべく行きたかったのだけど、出演
情報をキャッチするのが遅く楽日に決めてしまいました。
でも素晴らしいフラスキータだったらしいですね。
前から聴いていた方が大きなステージに出られることは嬉しい
ことです。
 
ドン・ホセを演じた笛田博昭さんが素晴らしくてタイトル名を
オペラ『ドン・ホセ』にしたのがいい位歌も演技も見事な出来
でした。
何年か前に銀座YAMAHAホールの「銀座オペラ」シリーズが
最初に聴いたのだけど、その後結構ホールに行くたびに彼が
出演していることが多かった。
今年はNHKニューイヤー・オペラに次いででした。
カルメン役のミリヤーナ・ニコリッチも良かったのですが、なにか
大柄の割に茶目っ気のあるキュートな感じがして、ファム・ファ
タールっぽい雰囲気の方では無かったですね。
でも素敵な立ち居振る舞いのソプラノでした。
 
ホセ(笛田博昭)とカルメン(ミリヤーナ・ニコリッチ)
 
ご時勢の風潮が投影しているのか今まで観て来た「カルメン」
に比べてバイオレンス的描写も多く、バックでの合唱部の演技
に於いてもジプシー女同士の乱闘シーンが激しかったり、なん
といってもラストのホセのカルメンへのシーンなど『火サス』の
ドラマを観ているかのような感じだった。
最前列で鑑賞していたせいか一般の舞台演技よりもリアリティ
ある演出ぶりが余韻を残した。
 
ミカエラ役の小林沙羅は期待していた以上に素晴らしかった。
演技の表情作りや取り分け歌そのものがBrava!
これから大いに日本に腰を据えて藤原歌劇団で頑張って歌い
続けていってください。
 
ホセとミカエラ(小林沙羅)
 
藤原歌劇団の大きな魅力の一つは合唱部の素晴らしさ。
それぞれ個別に演技していそうで全体で見事な調和を
作り上げている、、、そんな感じがいつもする。
なんか徹底的に演じることを各自が楽しんでいるように
こちらに伝わってきます。
舞台写真は撮影できないので合唱部全体の雰囲気が
写真で説明できないけど、今回の児童合唱部も含めて
大きく作品に貢献していました。
その合唱部の一人として今回参加されていたソプラノの
山邉聖美さんと出口で偶然お逢いしました。
多分公演の打ち上げに参加すべく急いでいたと思うけど、
簡単な挨拶が出来ました。
第二幕での酒場のシーンなどで弾け捲りながら歌い、
ジプシーの歌そして闘牛士の歌に繋げていました。
『カルメン』は合唱にとっても魅力的な作品ですね。
 
 
団体で大急ぎで移動している最中なのに写真まで撮らせて
もらった山邉聖美さん。期待のソプラノです。
 
今や世界が注目、若きマエストロの山田和樹さん。
楽屋まで押しかけてパシャリ!
その表情と同様握手まで柔和で温かい掌でした。
あの弾け出すような指揮ぶりが想像できない温かい雰囲気の
マエストロでした。
 
 
 
今年は6月にも別プロで『カルメン』鑑賞を予定しています。
そのうちに全曲を鼻歌ハミングで覚えてしまうのでは
ないかなぁ
そして山田氏には今後多くのオペラ作品へのオファーが
来そうな気がします。
私もそれを心から期待します。
 
最後の写真も沙羅さんの一枚を。
前からもサービス精神が豊富な方だけど、今回もより
フレンドリーに来客と接していました。
お子さんが生まれ日本で腰を据えとても柔和な表情に
なられ、ますますオペラ作品に取り組まれたら嬉しい
ですね。
 
 
 
 
指揮 山田和樹      演出 岩田達宗
 
カルメン     ミリヤーナ・ニコリッチ
ドン・ホセ    笛田博昭
エスカミーリョ  須藤慎吾
ミカエラ      小林沙羅
スニガ      伊藤貴之
モラレス     押川浩士
フラスキータ  平野雅世
メルセデス    米谷朋子
ダンカイロ     安東玄人
レメンダード    狩野武
 
藤原歌劇団合唱部 東京少年少女合唱隊
平富恵スペイン舞踊団
日本フィルハーモニー交響楽団
 
 
オペラ・キュレーターの井内美香氏及びインター
ネット・ラジオ放送のOTTAVAプロデューサー・
斎藤茂氏に多くのサポートを頂きました。
ここに感謝致します。
 
なお2月11日にも名古屋にて同公演があります。
 
(敬称略)
 
 
 
OTTAVA(オッターヴァ)