トシ「いやーしかし最近すっかり秋になってきちゃいましたよね」


タカ「そうですね」


トシ「こんな日は彼女と一緒にね、横浜でもデートするのがいいですよね」


タカ「いいですねぇ」






トシ「久々のデートだね、タカくん」


タカ「待ったかい?トシ子」


トシ「ううん、今来たとこ」


タカ「じゃあまず道端でオレンジジュースでも飲もうか」


トシ「なんでいきなりオレンジジュースなんだよ。意味わかんねえよ。カオサンか!」


タカ「じゃあ今日はどこに行こうか?」


トシ「あ!アタシ今日発売のケツメイシの新譜買いたい!ここらへんにタワーレコードってないかな?」


タカ「そんなとこに行かなくても、あそこの違法コピー屋で売ってるよ」


トシ「カオサンか!」


タカ「ちなみに横では偽学生証コピー屋もあるし」


トシ「だからカオサンか!」


タカ「よし、座ってパッタイでも食おう」


トシ「カオサンか!なんでデート始まってすぐ座って焼きビーフンなんか食わなきゃいけねーんだよ!」


タカ「じゃあわかった、とりあえず街でもぶらぶらしよう」


トシ「うん!」


タカ「セブンイレブンばっかりだな~」


トシ「カオサンか!」


タカ「歩くの疲れたからトゥクトゥクで行こう」


トシ「カオサンか!」


タカ「あ、日本人だ、気まずい・・・」


トシ「カオサンか!横浜は日本だから日本人ばっかりでいいんだよバカ!」


タカ「じゃあ山下公園にでも行こうか」


トシ「うん、そうしましょ!」


タカ「あ、名物のエアロビだ」


トシ「カオサンか!」


タカ「あっちに行ってみよう」


トシ「あ、海が見える!」


タカ「違うよ、チャオプラヤー川だよ」


トシ「カオサンかっつうんだよ!」


タカ「真っ茶っ茶だな、水の色」


トシ「だからカオサンか!」


タカ「ほらあっちのほう、すごく綺麗だよ」


トシ「あーすごい!マリンタワーにベイブリッジ、観覧車も見えるね!」


タカ「死体博物館も見えるね」


トシ「カオサンかよ!」


タカ「じゃあご飯を食べに行こう。何料理がいい?」


トシ「アタシ、今日はフレンチがいいな」


タカ「よし、とっておきのフレンチレストランを用意してあるんだ」


トシ「キャー、ありがとう!」


タカ「どうだい、50階の窓から見る街の眺めは?」


トシ「すごく綺麗、こんなの生まれて始めてだわ~」


タカ「そうか、生まれて始めてかい、ってカオサンか!」


トシ「な、何で?????今の全然カオサン関係ねーじゃねーかよ!」


タカ「証券会社も見えるね、って岡三か!」


トシ「何だよそれ!」


タカ「お父さんの妹だね。叔母さんか!」


トシ「うるせーよバカ!」


タカ「じゃあとっておきの料理を。子牛の南フランス風ステーキ、パクチー抜きで」


トシ「カオサンか!」


タカ「飲み物はシンハスモールでいいよね」


トシ「カオサンか!」


タカ「どうだった、今日は?」


トシ「こんな素敵な日、はじめて!アタシあなたのことがもっと好きになっちゃった!」


タカ「実は君のためにとっておきのプレゼントがあるんだ」


トシ「え、いったい何?何かしら?」


タカ「実はこのレストランの上にある超高級スイートルームを予約しておいたのさ」


トシ「え、このホテルのスイートルームを!?超嬉しい!!、・・・けど、高かったでしょ?」


タカ「いや、心配なんか要らないよ」


トシ「いくらだったの?」


タカ「水シャワーのドミトリーで一泊100バーツさ」


トシ「カオサンか!!!!!!」




カオサンか!