目玉親父「なぁ鬼太郎」


鬼太郎「なんだい父さん」


目玉親父「別にあれじゃな」


鬼太郎「なんだい」


目玉親父「砂かけババァは砂かけをかけるババァなんだから」


鬼太郎「そうだね」


目玉親父「別に妖怪じゃなくてよかろう」


鬼太郎「・・・・・・・」


目玉親父「そう思わんか」


鬼太郎「別にそんな言い方しなくたって・・・・・・」


目玉親父「だってそうじゃろ」


鬼太郎「まあ確かに・・・・」


目玉親父「むしろ砂かけ役をもっと安くバイトで雇えんか」


鬼太郎「そんな・・・・砂かけババァも一生懸命やってくれてるのに」


目玉親父「奴の食費もバカにならんのじゃ。年金ももらっとるし、十分生きていけるじゃろ」


鬼太郎「・・・・ひどいよ父さん」


目玉親父「鬼太郎、これも現実じゃ」


鬼太郎「イヤだ!そんなのイヤだ!」


目玉親父「お前の気持ちはわかるが、わがまま言うな」


鬼太郎「グスッ・・・・・父さんのバカ」


目玉親父「言うことをききなさい」


鬼太郎「ボク、父さんが子泣きジジィに裏で敬語使ってるの知ってるんだからね」


目玉親父「・・・・・・見ておったのか」


鬼太郎「この前ボクと一反もめんで見たんだ」


目玉親父「・・・・・一応、年上じゃからな」


鬼太郎「父さんが砂かけババァクビにするって言うなら、みんなにそのこと言うからね!」


目玉親父「・・・・・鬼太郎、試験も授業も何にもないがな」


鬼太郎「うん」


目玉親父「上下関係はあるんじゃ」


鬼太郎「・・・・・・」


目玉親父「妖怪の中にも礼儀あり、子泣きさんもそのことをよくわかっとる」


鬼太郎「・・・じゃ、じゃあ子泣きジジィとコンビの砂かけババァをクビにすることないじゃないか!」


目玉親父「いや子泣きさんが言ったんじゃ、もう反りが合わないってな」


鬼太郎「えっ・・・・」


目玉親父「子泣きさんも悩んどったんじゃ。ずっと。最近石になるタイミングと砂のテンポが悪いって」


鬼太郎「・・・・・」


目玉親父「さ、わかったじゃろ。みんなにはワシから伝えておく」


鬼太郎「・・・・・・愛って、なんだろう」