2011年当時、妄想族という言葉を使い

いくつかの事をやってました

 

その中で、

歌詞が1つの物語になっている曲を選び

歌詞から妄想を膨らませて

その歌詞から余り外れない 

もう一つの物語を作ってみよう

 

そうすることによってその曲に

もっと感情移入しやすくなるんでないかな?

そんなことを考えて遊んでみました

 

お時間のある方は 

しばしお付き合い下さいませ

2011年当時なので、まだガラケー使ってます

 

 

 

 
会社帰り、気付いたらメールしていた
 
「もう、全部イヤになった…」
 
相手は田舎の男友達

学生時代に私を好きだと言ったけど
付き合えないけど友達ならいいよって

そのままずっと友達でいた男
 
好みじゃないとか

他に好きな人がいたわけでないけど

恋愛したくなかった…

付き合うっていうのに固執したくなかった

というのが正解かな…
 
卒業して働きだしてからも

何回か遊びに来てくれてた
どうして親友でなく彼に連絡したんだろ…
こんな時に慰めてくれるのが

得意そうに思えたからかな…
 
東京に出てきて10年
田舎から出たくて・・・

その一心で住んでた街も

学生時代の友達もみんな捨ててきたのに

仕事にも恋にも疲れたみたい
 
彼はあれこれと返事を寄越すけど

やっぱり今の私には響かなかった
 

会社から、まっすぐ帰りたくなくて

飲みに来たけど、酔えないうちに閉店みたい

 
「もう…いいよ」
そう返信して店を出た
 
明日は休みだしアパートまで歩いてみようかな…
 
アイツからは返事が来なくなった
まぁ、男なんてそんなもんでしょ
 
今までの色んな事が頭を巡って…
どのくらい歩いたのだろう…
電車だとあっという間だと思ってたのに

歩くと結構遠い
あれ?遠回りしてる?

普段歩かない道だから迷ってる?
 
こんな時、「バカヤロー!」って叫んだら

どんなに気持ちいいだろう

電車でも走ってれば

ガード下で思い切り叫んじゃうのにね…
 
やっとアパートが見えてきた
 
街は白み始めてきてた 
もう夜明け…

そんな時間なんだ…
 
遠くのビルに反射する朝日を

眩しげに見ていたら携帯が鳴った
 
アイツだった
 
「…もしもし」
 

「おまえさ!今の今まで

そんな疲れた顔してどこに行ってたんだよ」
 

「えっ?」
 

振り返ったら、アパートの前に彼が立ってた
 

「バァ~」
 

「どう…して?」
 

「1人にしておけないだろ」
 

「田舎から高速とばしても

3時間はかかるのに…」
 

 

彼は近寄って来て私をそっと抱きしめた…


 

私は携帯を耳にあてたまま…

声にならない声で泣いていた…
 

抱きしめてくれた彼の腕と

彼の胸の温もりが優しく感じられて…
 

 

あたしね…

 

抱きしめられて気づいた
 

遠回りしてたんだってこと…
 

私、ずっと…
 

泣きたかったんだってことを…



 

 

Single Girl     角松敏生  


遅い電車の ドアにもたれて

逃げる街の灯り 見つめてた

がんばりすぎよ 仕事仲間の

心配顔 平気と笑って

毎日降りる駅を出て 

ヒールの音がついてくる

ただ何でもない あの曲がり角で

急に 涙がこぼれた…

 

Single Girl わたし淋しかったんだ

自分でも気づかなかった

Single Girl わたし泣きたかったんだ

正直に あなたの胸で

逢わないでいたら終わるって

信じてもないくせに

 

あんなにいつも 近くにいても

あなたのこと 何にも知らない

そんな気がして 付き合ってから

通り過ぎた季節を数えた

片づいていく友達は 

あとはタイミングだけよと

そんな冷やかしに 苦笑いしてたけど

心が沈んだ…

 

Single Girl わたし淋しかったんだ

答えさえ見えない恋が

Single Girl だから ムキになったんだ

ちっぽけなすれ違いにも

流れていく時間の早さが

本当は 怖かった

 

何にも聞かずに わたしを抱きしめて

両腕で包んで 黙って抱きしめて

この次 ねぇ 逢えたとき

 

Single Girl わたし淋しかったんだ

自分でも気づかなかった

Single Girl わたし泣きたかったんだ

正直に あなたの胸で

 

もう一度 自分の気持ちを

確かめて 電話しよう