髪長私学2 第8話 | 人生は後半からがおもしろい‼

人生は後半からがおもしろい‼

人生の後半を自分らしく生きる。そして心身ともに健康で、満足いく人生を生きる。そんな自分の軌跡を綴るブログ。Since 9,January 2009

~第8話~  プレゼント

 

明日は待望の土曜日だ。心の中のワクワクが止まらない。結との授業は月曜日から金曜日の平日に行っている。

 

だが、今日は所用のために授業をすることができなかったので、明日の土曜日に振り替えることにしたのである。

授業料をもらっているわけでもないのに、律義にも坂本は授業を振り替えるのであった。結の学習意欲が高まってきたことで、今のペースを維持したいという思いがあった。

 

そして、やはり結の長い黒髪を見たい、そして髪談義をしたいという気持ちも強かったからである。

土曜日の朝、いつものように結の自宅を訪ねる。そしてチャイムを押す。手慣れた一連の動作だが、今日だけは胸の高まりを覚える。

 

チャイムが鳴るや否や、中から結の声がした。ドアを開けると、すぐそこに結がいた。

結 「先生、おはようございます!」

坂本 「おはよう! 今日はここで待ってたんだね」

結 「はい」

結はニコニコしながら、元気に答えた。

 



坂本 「相変わらず綺麗だね、その長い髪!」

結 「ありがとうございます。いつもそうやって先生に言ってもらえるようにお手入れ頑張ってますから。先生、今日はまずリビングへどうぞ。母がいますので」

坂本 「そうだね。じゃあ、お母様にご挨拶を。おはようございます。坂本です」

結の母 「坂本先生、おはようございます。その節は先生のご自宅を親子で押しかけてしまい、申し訳ございませんでした。あれから結がお世話になりまして、本当にありがとうございます」

 

  

坂本 「ああ、いえ、その・・・」

坂本は結の母親の姿を見て、言葉が出てこなくなった。これは凄い! 人は今まで見たことがない光景に直面した時、言葉を失い、茫然とする。

 

まさにそのような状態の坂本であった。いつの間にか坂本のすぐ後ろにいた結が声をかけた。

結 「この前に言ったでしょ。私よりも長いって!」

坂本 「いや〜これは驚いたなあ。現実とは思えないですね。前にお会いした時はまとめ髪でしたけど、これほどまでに長い髪だったとは・・・」

信じられないような面持ちで母親に言った。

結の母 「先生、こんな格好ですみません。娘が言うものですから。髪を解いてダウンスタイルでお迎えしたほうが喜んで下さると」

坂本 「それはそれは、そのお心遣い感謝します」

後ろを振り返ると、結がニッコリと笑って頷く。結の気配りにも感謝したい気持ちであった。

結 「それじゃあ先生、勉強始めましょう!」

坂本 「そうだね。それでは結さんの授業を始めてきますので」

 



結の母 「坂本先生、宜しくお願い致します。あっ、結! 休憩時間になったら言ってね!」

結 「はい、分かってる!」

 



結が二階の勉強部屋に向かう。その後から坂本が続く。階段を一段ずつ上ると、結の長い黒髪も一緒に上って行く。まるで生き物のような躍動感が、長い黒髪から感じ取れた。

 

結が学習机でスタンバイ。坂本はテキストを手に取り、今日の授業で教える単元を開いた。しかし、先程の興奮がおさまらない。

 



坂本 「結、10分後から始めよう」

結 「えっ、どうしたの先生?」

坂本 「お母さんの髪、凄いよ。想像以上と言うか、あり得ない光景だったからね。気持ちが落ち着かなくて」

結 「リビングにいる時、いつもの先生じゃないみたいだった」

笑いながら、結が言った。

 



坂本 「そりゃそうだよ。まさに未知との遭遇だからね。女性の髪って、あんなに伸びるものなのかと思ったよ」

結 「私も髪を切らないと誓ったからには、母と同じくらいの長さになりたいなぁ」

坂本 「今、結は13歳だろ?」

結 「うん」

坂本 「お母さんは、いくつ? あっ、・・・ごめん。女性に年齢を訊くなんて失礼だったね」

結 「先生、ここだけの話にしてね」

そう言って教えてくれた。

結 「母は37」

坂本 「そうなの」

結 「先生、内緒ですからね」

坂本 「ああ、分かってるよ」

今日も授業は順調に進み、予定のカリキュラムは全て消化できた。

坂本 「結、今日はいつも以上に頑張ったなあ」

結 「母がいるから、頑張っているところを見せないとね」

結 「先生、休憩しよう?」

坂本 「そうだね。リビングに行こうか?」

結 「うん!」

お互いに顔を見合わせ、笑顔で頷いた。今から、あのお楽しみイベントをするという合図でもあった。

 

結は部屋を飛び出して、階段をトントントンと降りて行く。坂本が結の後ろ姿を追いかけるように降りて行った。

 



今度はいつも見慣れた光景とは逆であるが、長く伸びた黒髪の動きは変わらない。結はこうして、家の中を自慢の超ロングヘアーを引きずりながら歩くのであった。

坂本がリビングに入ると、母親と結はソファーに座っていた。

 



結の母 「坂本先生、こちらへお越し下さい」

母親が言うと、結も手招きするような仕草をしながら、

結 「先生、早く!こっちこっち」

二人とも笑みを浮かべながら坂本を呼んだ。結と母親はソファーの両端に座り、真ん中に坂本を招き入れようとしていた。

 

坂本は二人に促されるまま、真ん中に腰を下ろした。母親は隣に座っている坂本の方を向いて言った。

結の母 「坂本先生、本当にありがとうございます! 先生と出会ってこんなに幸せなことはありません」

坂本 「あっ、はあ・・・」

結の母 「以前の結は登校拒否で部屋に引きこもったままでした。私と話をしようとしない時期もありました。でも、今ではこんなに明るくなりました。


何よりも苦手だった勉強に、自分から進んで取り組むようになって、親としてこれ以上のことはありません」

坂本 「お母さん、それもこれも、結さんの努力ですよ。元々は能力があった子だったんです。だから今のようになった。私はそのお手伝いをしただけです」

結の母 「いえいえ、先生と出会わなかったら、今でも結は引きこもったままだったでしょう。親子の会話も無いまま毎日を過ごしていましたよ。坂本先生には、感謝しても仕切れない程です」

坂本 「そこまで仰って頂いて、こちらこそ恐縮です。結さんが何事にも積極的に取り組んでくれるので、私としても本当に嬉しい限りです」

結の母 「そこで坂本先生に感謝の気持ちを込めて御礼をさせて欲しいんです! 結と色々相談して、これが一番喜んで下さるのではないかと思いまして」

どんな御礼なのだろうか? 坂本は考えていた。一緒に食事にでも行くのだろうか? それとも何かプレゼントを用意しているのだろうか? と、次の瞬間に大きなプレゼントがやってきた。母親が

結の母 「結、いくわよ!」

結 「はい!」

結が両手を頭の後ろに回して長い黒髪を束ね、それを隣に座っていた坂本の首にかけた。艶やかな黒髪がレイのようになって、坂本の上半身を飾った。

 

続いて母親が長い黒髪を同じように坂本の首からかけた。あまりにも髪が長いので、もう一度同じ動作をして、坂本の首に長い髪のレイを作った。

坂本 「うわー、これは凄いや! 何と言うプレゼントなんだ!」

坂本は大きな声で叫んだ。

結 「先生、どう?」

結が坂本の顔を覗きこんだ。

坂本 「感激!もう大感激!お母さん、結、本当にありがとう!最高のプレゼントだよ!」

首から大きな輪になった長い黒髪に、そっと手を触れてみた。シルクのような柔らかくてしなやかな感触が、一瞬にして身体中を駆け巡った。

 

結の黒髪の輪が一つ。そして母親の黒髪の輪が二つ分。全部で三つの黒髪の輪が坂本を飾っていた。

三つの大きな輪を両手に持って、上下左右に揺らしてみた。艶やかな黒髪が襟足をくすぐり、その瞬間に武者震いがした。坂本が急に体を震わせたので、両脇に座っていた母親と結は驚いた。

結 「どうしたの、先生?」

坂本 「いや、何でもないよ。ちょっと感動しただけさ。素晴らしい髪長美女に祝福されている王様みたいな気分だよ。これぞまさに両手に花というやつだね!」

結の母 「先生、どうですか? 私たちのプレゼントは」

坂本 「感激です。生まれて初めての感動ですよ!」

結の母 「私たちも、坂本先生が喜んで下さって嬉しいです」

三つの輪になった艶やかな黒髪を、何度も両手で優しく撫でていると、女性の優しさと温かさが体全体に伝わってくる。女性美の極致を味わっている自分は、世界一幸せな男なのだろうと坂本は思った。

結とはいつも髪談義をしていたが、母親とも髪について色々と聞いてみたいと思っていた。

坂本 「お母さんは結さん以上に長い髪ですけど、もう何年くらい伸ばしていらっしゃるのですか?」

 



結の母 「結が3つの時に前の主人と別れました。当時は2メートルほどあったんですけど、膝くらいまで切ってしまったんです。あの人が触った髪を自分の身に纏うのが嫌だったんです」

坂本 「そうだったんですか。その時に短くなってしまいましたけど、また伸ばし続けたのですね」

結の母 「はい、それからずっと髪を切っていませんから・・・もう10年ほどは伸ばし続けていますね」

坂本 「うわー、それは凄い!」

坂本の関心はその髪の長さも勿論だが、これからのことにも及んだ。

坂本 「そうしたら、これから先も髪を切らずに伸ばし続けるということですか?」

結の母 「そうですね。どこまで伸びるのか分かりませんけど、親子で髪を伸ばすというのも楽しいものだと思っています」

結 「お母さん、そろそろ今日のメインイベントをしようか!」

結の母 「そうね。先生にお手伝いしてもらわなきゃ」

 



遂にこの時が来たか! 楽しみにしていた二人の髪の長さが明らかになる。それを測るのが自分だ。

結 「先生、まず私の髪の長さから測って下さい」

坂本 「よし、それじゃあ結から測るぞ」

そう言って、用意してきた巻き尺を取り出してメインイベントに取り掛かるのであった。

 

 

当ブログにお越し下さいまして、誠にありがとうございます。

今後とも、どうぞ宜しくお願い致します。
感謝 by Ryuta