新作のリリースについて
今から20年以上も前、某サイトに『髪長私学』という長編小説を投稿していた。京都を舞台にした女子高の物語である。
黒髪超ロングヘアーの魅力を最大限に描くために、様々なイベントも企画してみた。しかし諸事情により、小説は未完成のまま終わってしまった。
作者のなかでは心の思い出として、長らく持ち続けていた。近年、AIの普及により、その心の思い出を画像にし始めた。
そんな時、もう一度あのような小説を書いてみたくなった。勿論、黒髪超ロングヘアーの魅力を一人でも多くの方々に共感して頂きたいと思いながら。
今週末に発表するつもりで書いていたが、早く出来上がったのでリリースすることにした。小説に登場する一場面をAI画像でイメージして頂けるように工夫していくつもりである。
前作の『髪長私学』とリンクする部分が少なくないので、タイトルを『髪長私学2』にした。静かなスタートになるが、ファンの皆様から様々なご意見を頂ければ幸いである。
髪長私学2 ~第1話~
ここは滋賀県にある公立の中学校。中学1年の数学を担当する坂本和也(35歳)は、4時間目の授業のために教室に向かった。不登校だった女子生徒が昨日から登校しているので、特に注意を払って欲しいとの指示が学年主任から出ていた。
授業は文字式の計算である。前回の授業の復習をしてから、今回の単元の説明に入った。クラス全員が真面目に授業を受けている。しかし、気になる噂を聞いていた。このクラスにいじめがある、と。
単元の説明を終えて、練習問題を演習させることにした。坂本が生徒たちの様子をゆっくりと歩きながら確認して回った。みんな真剣に問題を解いているのだが、一人だけ気になる女子生徒がいた。
生徒たちは黒板で説明する坂本を見ているのだが、その女子生徒だけ、授業の途中から下を向いたままなのである。そして、時折体を震わせているように見えた。
一番後ろに座っているその女子生徒が、不登校だったという本人であった。坂本はゆっくりと机間巡視をしながら、その生徒のところへ向かった。
その女子生徒に近づいた時、思わず息を呑んだ。何て長い髪なんだ!とても艶やかな黒髪が背中一面を覆いながら、教室の床に流れ落ちて広がっているではないか‼ こんな長い髪の生徒を見たのは初めてだ。しばし見惚れてしまった。
次の瞬間、その女子生徒が体を震わせ始めた。そして足元を見ると・・・。これはただならぬ事態だと察した。床に流れているのは、明らかに小水ではないか?!
女子生徒はトイレを我慢していたのだろうか。このままではクラス全員の前で恥ずかしい思いをしてしまう。しかも不登校の状態から、ようやく学校に通って来たのである。このような事が学校中に広まれば、この女子生徒の居場所は無くなってしまう。
教室の一番後ろに座っているので、まだ他の生徒は誰も気づいていない。今だ! 坂本は廊下に出て、防火用に置いてあったバケツを取りに行った。そしてそのバケツを持ち上げて、女子生徒の頭上から一気に水をぶっかけたのである。
ザバーッという水の音に驚いた生徒たちが、一斉に後ろを振り返った。そこには、バケツを手に持ったまま立っている坂本。そして全身がずぶ濡れになって無言で座っている女子生徒。教室内は、まるで時間が止まったような感覚になった。
※ 画像はイメージです。登場人物を特定するものではありません。
当ブログにお越し下さいまして、誠にありがとうございます。
今後とも、どうぞ宜しくお願い致します。
感謝 by Ryuta