南方仮設住宅には1.29の

さんさカフェオープンお祝い演奏の際に

私宛のお手紙と手編みのマフラーを

バレンタインチーム千春さんに託して下さった

おばあちゃんとお孫さんがいます。

$桃梨 上村美保子オフィシャルブログ-2012012922410000.jpg

演奏後は以前、報告しました

えん害の為、伐採された

南三陸町 大雄寺の杉並木の杉で

今、幼稚園の建設が進んでいる

というお話も聞く事が出来ました。

うわぁ、動き出しているんだ!

嬉しい気持ちになりました。



この日の演奏予定を一カ所にしたのも

マフラーのお礼も含め、交流を持てるようにと

ともちゃんの配慮もあったのです。


いただいたお手紙には

津波で長男を亡くし、何もかも失い前途に苦しみました。

そんな時に全国のボランティアの方々、支援の大きな力を借り

バレンタインチームの皆様と出会える事が出来、

生きて行く大きな力をもらいました。


そして桃梨に至るまでの感謝の文面が綴られていました。


初めていただいたお手紙、その筆圧に

何かをこらえきれるわけもなく

そして、即座にこれは私だけにいただいたものではないと

強く思いました。


その後、少しお時間いただくも

私もお返事を書き、投函しました。


また必ず南方に行きますので

その時は直接お礼を伝えさせてください!

最後はこう締めくくりました。


演奏が始まる前に

一人の女の子が紙袋を持って

「これ、おばあちゃんが作りました。
 受け取って下さい!」

と私に言ってくれました。


その瞬間、はっとして

「もしかして、あなた、、お手紙の!!」

「そうです。今日は前から三列目におばあちゃんと観てます。」

「ありがとう!今、中を見てもいいのかな??」

頷く彼女。


すると中から

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とっても安らかなお顔のお地蔵さまがキラキラ

「素敵だね~。」

こらえるように、急ぐように

「おばあちゃんに後で直接お礼を言うね!
 今日も楽しんでね!」


そして演奏中にその方のお姿を初めて確認したのでした。

とても凛とした方でした。


全て落ち着いた頃

私はその方のお家を訪ねました。

快く、私をお家にあげて迎えて下さいました。


お孫さんが私にコーヒーをいれてくれる中

マフラーにお手紙とお地蔵さまのお礼を伝えました。


私は何かの時は手紙を書いてしまうんです。

手紙を書くのが好きなんですね。


そう言って、お話を続けて下さいました。


私にとっての震災から1年は3月11日ではないんです。

2日後の13日、○時○分なんです。

(確か、、8時14分だったと覚えています)

それは息子さんの消息を知った日時。


お母さんを助けようと、、、、

更には今も出会えていないということも知りました。


でも最近、見つかった方もいるの。

着ているものでわかったんだけど、、

どうあっても、、私も会いたい、、、、。


震災前に宮大工の旦那様を亡くされ

震災で息子さんを亡くされ

おかしくなりそうになるも

私だけが辛いんじゃないと言い聞かせ、、、


当初はご自身のこと、皆さんに黙っていたそうです。


そんな時に本当に自衛隊、ボランティア、大きな支援の力

バレンタインチーム、演奏に支えられたと言って下さいました。


一緒に居るお孫さんは次男の息子さんの娘さんであること

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お地蔵さまのかごはお孫さんが集会場で作ったもので

このかごにお地蔵さまを入れて

桃梨さんに渡すといいんじゃない??


この形は彼女のアイディアだったんですね。


おばあちゃんは元々は和裁の達人で

その後、手芸や編み物も始め

自作の分厚い編み物レシピも流されてしまうも

思い出しながらサンプルを30点程編み

それを参考に、集会場に集う皆さんに編み物を教えたり


今はこのお地蔵さまを皆さんと作ったり

とても明るく、まわりの皆さんに

エネルギーを与える存在でもあります。


特にひとりで暮らす方に気を向けたり

外に出られない方に心寄せたり

仮設住宅に簡易でもいいからポストを置いて欲しいと

アイディアを声にされています。

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この顔を見ると、ふぁ~っと和むの

と笑ってくれます。


震災時から避難所での生活、そして仮設住宅へと移り

今までの様々なお話を聞かせて下さいました。



でもね、本当に自衛隊の方々はすごいわね、と

お話が続く


ある時、自衛隊の方がお家を訪ねて来てね


見つかりましたって、、


袋から出され、差し出されたのは




息子さんのキャッシュカードが一枚。




たったひとつの息子さんの形見が

一枚のキャシュカード、、、。




見つけて届けに来てくれたの。。。



そして、そのカードを持って自衛隊の方は


「お母さん、息子さんはお母さんの為に
 絶対にここに残していますから
 必ず手続きに言って下さい。」



何度も何度もそう繰り返し、帰っていったんだそうです。



首をかしげるも、あんまり念を押されたので

時間が出来てから手続きにいってみると、、





本当に自衛隊の方が言った通りだった。。。。





この時間はこらえる、あふれる、笑うの連続でしたが

ちょっともうたまりませんでした。

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今回、じっくりとお話を聞ける時間を持てて

一人の方の今日これまでの

貴重なお話を聞かせていただく事が出来ました。



桃梨が昨年の5月から毎月、演奏を届ける中

出会えた笑顔、涙、手拍子、歌声


そして今、今日の皆さんの笑顔や手拍子や歌声が


何の上にあるものなのか

どれだけ研ぎすまされたものなのか


本当に尊いです。



実はいただいたお手紙

毎日、どこに行くにも持ち歩いています。


と伝えると

おばあちゃんは天井を仰ぎ、

ほんとに、、、と何度も頷き

拭って下さいました。



お孫さん姉妹とお友達は

私の髪を綺麗だと言って触っては

おらもおとなになったらそうする~と笑っています。

駄目だよ~、今のつやつやな黒髪の方がいいよ~。


小さいのに家族のご飯を作ったり、家の手伝いをしたり

本当に健気です。



そしておばあちゃんの提案で

みんなでラーメンを食べることになりました。

今日、漁師さんから「まつも」という

高級食材をいただいたから、それを入れましょう!


本当に松の葉のような、しかも新鮮なので

湯がくと綺麗な真緑色をしています。


もちろん私は初めて。

美味しい!!


みんなでおばあちゃんが作ってくれた

まつも入りラーメンをいただく。


最高のおもてなしに心より感謝です。



この後、集会場ではバレンタインチームさんも一緒の

お茶会が開かれるとのこと。


おばあちゃんと両手を握り合い、

私はみんなが居る、ともちゃんパパ&ママのところに戻りました。


移動の流れとなり、集会場にご挨拶だけはしたいと伺いました。


そこには先程お集りの皆さん!

マイクを持ってお話する千春さん

バレンタインチームの皆さん


私達を発見すると皆さん、きゃーと手を振って

歓声を上げて下さいました。


千春さんがたたたーっと

桃梨さんから一言いただきます~とマイクを持って

駆け寄ってくれます。


バレンタインチームさんは南方の皆さんの日常に

ずっと寄り添い続けていらっしゃいます。


これは本当に素晴らしくて凄い事です。



「あ」りがとう、が飛び交う中

私達は南方仮設住宅を後にしました。



明日の志津川小学校、童子下も

ともちゃん、さんさカフェの皆さん、めぐっぺ、

とにかく今日に至るまで、そして当日と

支えてくれる、まつわる全ての、みなさんと力を合わせて

そして桃梨が担える役目をしっかり全うしたい

深く深く、思いました。