「本当にお母さんに似てるねぇ」

と言われる度にわるみぽは赤ちゃんの時に戻りたい!と思いました。

生まれた時はお父さんにそっくりだったと聞いたからです。
桃梨 上村美保子オフィシャルブログ-P1000946.jpg
お母さんは怒ってばかりになったので、わるみぽはお父さんが大好きになりました。

お仕事で出張に行くと必ずお土産を買って来てくれます。
民芸品やつげのくし、色んな絵本、いつも楽しみです。

一緒にふざけて面白い事をたくさん言って遊んでくれて笑わせてくれます。


わるみぽは幼稚園で覚えた言葉も使って
大好きなお父さんにお手紙を書きました。

ラブレターです。

わるみぽが渡すと
お父さんは嬉しそうに目を通しました。
伝わるかな?喜んでくれるかな?
ドキドキしてます。

その瞬間!!
空気が凍ったようでした…。

お父さんは顔色を変えて黙ってどこかに行ってしまいました。

「おとうさんへ
おとうさんはいつもばかなことばかりいって
ほんとうにばかだとおもいます
これからもずっとばかなおとうさんでいてください
すごくばかなおとうさんがわるみぽはだいすきです
わるみぽより」


……………………!?

怒っているようにも見えました。

わるみぽはかなしくなりました。

「どうしてなんだろう…。」


幼稚園ではみんなが「ばか」「ばか」と言っていて

「リュウくん、ばかだね~」
「なっちゃんの方がばかだよ~」

「ねっ、ねっ、ばかってどういういみ??」

わるみぽがきくと

「おもしろいっていみだよ~♪」

と確かにおしえてもらったのに……。


お父さんの笑顔を奪った「ばか」は「おもしろい」ではなさそうだ、、それははっきりしました。

「うぅっ、えーーーーん」
泣いてももう戻れません。

その日以来、お父さんはあまりふざけなくなってしまいました。

でも変わらず楽しく遊んでくれます。

「ばか」はわるみぽが叱られる時に言われる「たわけ」や情ない時に言われる「あほ」の仲間!?
だけど…その時はわたしがわるいっておもう……。

わるみぽは心の底からあのお手紙を悔やみ
大好きなお父さんと笑って遊んでいても
どこか緊張してしまうようになりました。