静子が今日もまた絶叫しています。
「なんでわしはこんなに黒いんじゃー!!」
地黒な自分を責めているのです。

わるみぽが通りかかると
「本当におまえはお母ちゃんに似て良かった
 お父ちゃんに似たら、わしみたいに黒かった
 わしのせいでおまえんとこのお父ちゃんは黒くなってまった
 あーー、おまえはほんとに白くてよかった、うわぁぁ。」
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静子はいつも叫び、大泣きし
わるみぽの色の白さを恨むように喜びます。
泣きながら白肌色のクリームを塗りたくり
絵の具にはない色
涙でさらにムラになりながら
ひとの肌ではない顔色になります。


「おかしいよ。
 そのままがいちばんいいのに。」


まいにちこの繰り返し。
わるみぽはだんだん何も言えなくなってしまいました。