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【 はじめに 】
   実を言うと、このMAD自体の製作が終了(完成)したのが現在放送されているFinal seasonが始まる前(およそ昨年の10月あたり)だったので、必然的に三期までの内容しか入れることが出来ず、前回のアルミンMADに続いて進撃の巨人MAD2回目はアニメ一期~三期までを含めた総集編にしました。









【 補足 】
   ちなみにテーマは「残酷な世界」。進撃の巨人のダークな部分を切り取り、なるべく重く暗いイメージにしました。
   そのダークな世界を切り取る中で特に苦労したのが、死亡シーンまとめにならないようにすることです。ダークな世界を切り取ると無意識のうちにキャラクターの死亡シーンが集まってしまいます。しかし、その死亡シーンだけを集めても所詮は雰囲気だけになってしまい、内容は薄っぺらくなってしまうような気が自分の中でありました。なのでなるべく進撃の巨人のストーリーも分かるよう、歌詞に沿ってシーンを選びました。今回のMADは世界観を壊さないために、いつもやる「歌詞を中央に表示」というものをしなかったので歌詞と共に解説していきたいと思います。




【 解説 】

▽ タイトル
   今回の選曲はキタニタツヤさんの『悪魔の踊り方』です。これはTwitterでも書いたのですが、悪魔はエルディア人のことであり、踊り方には生き方/戦い方という意味を持たせています。



▽ 前奏
(0:00〜0:10)
   三期までの目標は「地下室に行くこと」でした。なので地下室の階段をベースに、それまでのストーリーを重ねて流しています。
(0:11〜0:20)
   悪魔の踊り方のMVをイメージに、作中の中でも若干タッチの違うシーンを抜粋。主にedから。
(0:20〜0:38)
   全ての始まり。超大型巨人が壁を破壊し、街に巨人が流れ込んでくる。母であるカルラが巨人に食われ、エレンが絶望する。



▽ 0:39〜0:42
感情なんてもんはどうしても
無駄だって悪魔は言った
   → 時が経ち、訓練兵団に入団するエレン。決意



▽ 0:43〜0:47
「何もかも捨てちまえよ」
   → 訓練兵になったからには、何もかも捨てる覚悟がなければいけない
嗚呼、快不快も喜怒哀楽さえも!
   → エレンが拳を握り「駆逐してやる!」とはじめて言う場面。快不快や喜怒哀楽(恨みや苦しみ)を力に変える。



▽ 0:48〜0:54
どうしようもない事実、
ヒトは終焉から逃れられない
   → 巨人と人間の力の差という現実を知らせる鐘が鳴る。門前で巨人と戦ったいくつもの駐屯兵の遺体。ヒトはいつか死ぬが、巨人と戦うことでより一層終焉から逃れられなくなることの意。
「誰も抗えない欲望に従え」
   → 「自由になりたい」とう欲望のままに、大砲で巨人に抗う兵士たち。



▽ 0:55〜1:04
思考を休めるな
   → 巨人との戦闘の中で繰り広げられていた残酷さを思い出す。戦うことを諦めるな→思考を休めるな
脳ミソを回せ
「誰もお前のことなど見ちゃいないさ」
   → ミカサが残念な語彙力で鼓舞する。
「あなた達は腕が立たないばかりか臆病で腰抜けだ。とても残念だ。ここで指をくわえたりしてればいい。くわえて見てろ」
おかしくなってしまうことをどうして恥じる?
   → エレンの「巨人に勝って自由を取り戻す」という言葉は、最初はおかしいと言われていた。エレンはもちろんその言葉(=おかしくなってしまうこと)を恥じてなんかいない。むしろ「どうして恥じる必要があるんだ」と積極的に仇である超大型巨人に立ち向かっていく。



▽ 1:05〜1:14
お前らに完璧で間違った踊り方を教えてやるから
   → 巨人に喰われていく34班の面々。挙句の果てにはアルミンを助ける代わりにエレンまで喰われてしまう。それぞれがはじめて味わう絶望。完璧で間違った踊り方(生き様/死に様)。


いっせーので捨てちまえ、
そんな命ならば
   → 自由の翼を背負う104期の主要メンバー(アニ、マルコを除く)。自由の翼を背負うということは、命を自ら捨てるも同然。半自暴自棄みたいな。自分への言い聞かせともとれる。



▽ 1:15〜1:23

何十何百何千何万回学習しなさいな
   → 作中で一番最初に訪れる衝撃的なシーン。ここだけで見ても、進撃の巨人という作品の残酷さが伝わるシーンだと思います。
   何回も壁外調査を繰り返すが、いつも得られる成果は無い。それどころか、何十何百との兵士が命を落とすばかり。
   「学習しなさいな」と同時に赤の信煙弾が上がる。懲りずに壁外調査に出向き、巨人と交戦している意。
どうしたってさ、空っぽの頭蓋骨だろ
わかっているのかい?
   → 女型の巨人を目にしたアルミンが、何かに引っかる様子。



▽ 間奏(1:24〜1:44)

   順番に、
   後輩を守って命を落とすイアン
   親友の死をきっかけに固く決意するジャン
   注射器を片手に揉み合うグリシャとエレン
   故郷が巨人に荒らされ、涙を流すコニー
   獣の巨人
   女型の巨人と交戦するペトラ、オルオ、リヴァイ



▽ 1:44〜1:52

感情なんていつ何時でも邪魔だって悪魔は言った
   → リヴァイ班全滅。四人の遺体を真顔で通り過ぎるリヴァイ。調査兵団でいる限り、別れの連続。仲間の死には慣れているハズなのに。感情なんて邪魔だ。
「自分の力を信じても、信頼に足る仲間の選択を信じても、結果は誰にもわからなかった」
「反論の予知などない」
   → 「反論の予知などない」そう思いつつも、遺体のジャケットから兵士の生きていた証を切り取り、それを別の兵士に託す。託された兵士は震える手で証を握り、涙で前が霞む。

嗚呼、人生に意味を与えておくれ!
   → アニメ九話から。瀕死の兵士の「オレは人類の役に立てたでしょうか。このまま何の役にも立てずに死ぬのでしょうか」という問いかけに、お前の残した意思が俺に“力”を与える。約束しよう、俺は必ず巨人を絶滅させる」(=俺がお前らの死(人生)に意味を与える)と固く手を握り返すリヴァイ。「人生に意味を与えておくれ」というのは、命を落としていく兵士たちの最後の願いの意。



▽ 1:53〜2:03
420でさえも救えない終焉があると知った
   → 救えない終焉。女型とエレンの交戦後、めちゃくちゃになった街と巻き添えを食らった何人もの民間人の死に佇むしか出来ないマルロとヒッチ
「誰も疑わない神様を疑え」
   → ハンジとニック司祭。壁の中に何故巨人がいるのか?この世界で言い換えると、神様=王様になる。王だけが壁の中のすべてを知っている。王が民間人の記憶を都合よく書き換えてしまっているから、民間人はそれまでの人類の歴史を知らない。壁の中の真相に近づくには王を疑うことから始めなければいけない。だから「誰も疑わない王様を疑え」となる。
思考を休めるな 脳ミソを回せ
   → 場面が変わり、再び壁外へ。思考を休めている暇なんてない。エルヴィンの掛け声と共に壁外へと走り出す(=脳ミソを回す)。



▽ 2:03〜2:11
「誰もお前のことなど見ちゃいないさ」
   → エレンを巡って一体何人の兵士が命を落としたのか。エレンの人類の希望として求められたいという気持ちと重い期待から逃げたいという気持ちの表れ。
   兵士は何のために戦っているのか。エレンのためか、人類のためか。人類のためにエレンを救うのか。それでも結局は人類のためなので、もしかしたら案外誰もエレン(=お前)のことなんて見ちゃいないのかもしれない。
躊躇っている数秒の無益さを知れ
   → エレンが巨人化出来ない数秒(=躊躇っている数秒)の間に、ハンネスさんがカルラを喰った巨人と同じ巨人に食われる。その躊躇っている数秒のせいでハンネスは命を落としたので、なんとも無益な時間だったと言える。そしてエレン自身も自分の無益さを実感。



▽ 2:11〜2:20

お前らに完璧で間違った踊り方を教えてやるから
   → エレンの中に眠る座標発動。お前ら=巨人。人類の反撃開始。「俺らの完璧で間違った踊り方(生き方)をお前らに教えてやるよ」っていう人類の怒り。
いっせーので捨てちまえそんな命ならば
   → 一番では人類から人類に向けての言葉だったものが、ここでは人類が巨人に向けての言葉に変化する。エレンが座標を手に入れたことによって「お前らなんか要らないんだよ」と怒りを込めて強気に。人類から巨人への反撃なので、巨人をしっかり倒している。人類の巨人へ対する怒りがここらへんで表されている。



▽ 2:20〜2:30

何十何百何千何万回学習しなさいな
   → 始祖の巨人の行方。始祖の巨人の力はウーリ→フリーダ→グリシャ→エレンという風に引き継がれている。調査兵団が何回も繰り返し壁外調査に行くように、彼らもまたその巨人の力を巡って何回も同じような争いを引き起こしている。
    二番の「学習しなさいな」は同時にウーリが映る。現状、分かっている時点でウーリが最初に始祖の巨人を所有していたからなのと、ウーリが王家の犯してきた罪の重さを理解しているから。
どうしたってさ、頭ん中空っぽなこと
わかっていないようだ
   → グリシャからエレンへ巨人が引き継がれようとしている場面。しかしエレンはあまりよくわかっていない、(覚えていない)。



▽ 間奏 (2:30〜2:38)
    → 先人達の戦い


▽ 2:38〜2:57
承認欲にレイプされ、死んだ花をぶら下げている女
   → マーレに認めてもらうため、何かしらの情報と成果を持って帰らなければいけない。しかし、壁の中の『悪魔』に情が移り始め、死んだ花のような、何かを諦めたような目をするアニ。
何かを愛することすら、
ままならないまま餌を待つだけ
   → 思い出すのはお父さんとの約束。
「この世のすべてからお前が恨まれることになっても…父さんだけはお前の味方だ。だから約束してくれ…帰ってくるって」
この約束すらも、ままならない。
踊り方を知らない、
芸術の価値などわからないやつらに
   → 悪魔(エルディア人)としての生き方を知らないやつら、今まで積み重なってきた巨人へ対する恨みと苦しみなど分からないであろうやつらに
堕落していれば、何も見えないまま
   → 今まで信頼を寄せていた。エレンの怒りの鉄槌



▽ 2:59〜3:07
真善美に背いた踊り方を教えてやるから
   → 場面は変わってウォール・マリア奪還作戦へ。エルヴィンは全てを捨てて地下室へ行こう(=真善美に背いた踊り方をしよう)としている。しかし、それをリヴァイは許さない。リヴァイはエルヴィンに「夢を諦めて死んでくれ、新兵達を地獄へ導け」と、別の真善美に背いた踊り方をエルヴィンに教える。微笑むエルヴィン


いっせーので狂っちまえ、惨めな姿で
   → 新兵を引き連れ、馬に乗って獣の巨人へ特攻するエルヴィン。死への恐怖に打ち勝ち、その行動を取るにはとても狂ったフリでもしないと出来ない。獣の巨人からすると、『特攻』などただの藻掻きでしかない為とても惨めな姿に映るだろう。全員で、いっせーので狂いながら最後まで生に藻掻く姿は惨めであれど美しいものと言えるのではないか。
    「兵士よ怒れ!! 
兵士よ叫べ!! 
兵士よ戦え!!」          




▽ 3:08〜3:17
何十何百何千何万何億人の中でさぁ、
そうして埋もれていたっていいと
どうして言えるのだろう?
   → 本作戦で大勢の命が失われた。自分は特攻するしか出来ないのか?何の成果も残せないまま、多くの人に埋もれて死んでいくだけでどうしていいと言えるのだろう?埋もれて行く側である兵士達の悲痛な疑問と叫び。ここで、同じく埋もれていく側の人間だったフロックの言葉を引用します。
「誰かを犠牲にさせないために自分を犠牲にできるやつが必要なんだってな…。そんな勇敢な兵士は誰だ?…そう聞かれた時、それは俺だって…思っちまったんだ…。でも…まさか…そうやって死んでいくことが…こんなに、何の意味も無いことだなんて、思いもしなかったんだ…」(第80話「名も無き兵士」)
「みんな…自分の死が誇らしいとか思う暇無かっただろうな…。みんなが最後に感じたことは…きっと…恐怖だけだ…」(第84話「白夜」)
「俺みてぇな雑魚…使い捨てるくらいしか使い道もねぇだろうが…。そんな雑魚にだってなぁ…値踏みする権利くらいはあるだろ!?」(第90話「壁の向こう側へ」)
全て、大勢に埋もれて死んで行った名も無き兵士達の代弁です。
しかし、こうして見ると名も無き兵士達が『自分達の死の意味』を問いてる場面ように聞こえますが、この場面にはこれらの意味と並列して『生き残った兵士から見た、自分を投げ捨ててでも残りの者に後を託そうとする姿への疑問』も持たせています。
死が確実であるはずなのに、それでも馬に跨り獣の巨人へ特攻するエルヴィンやマルロ、超大型巨人の襲撃からハンジを守り命を落としたモブリット。一人で超大型巨人に立ち向かうアルミン。その他大勢の兵士達。
何故そんな勇敢に戦えるのか、死ぬ事が怖くないのか、大勢の中に埋もれていいとどうして言えるのか。という生き残った兵士達の疑問。エレンの「アルミン…お前はどうして逃げないんだよ…」というセリフがまさにここです。
なのでここでは『埋もれて死んでいく兵士達の、自分の死に対する疑問』と『生き残った兵士の、埋もれて死んでいく兵士達への疑問』が表裏一体となって存在します。



▽ 3:14〜3:33
ねぇ、世界が患っている狂信は
健常者でさえ目が眩むような光を放っている
   → 場面は変わってグリシャの回想へ。世界が患っている狂信とはエルディア人の歴史のこと。エルディア人が悪魔だという認識は世界共通。そして、その歴史のせいで理不尽に妹を殺されるグリシャと、妹を殺したマーレ人に怒ったり悲しんだりするどころか謙るグリシャの父。マーレ人もグリシャの父も、世界が患っている狂信の狂信者である。その父の姿を見て、絶望するグリシャ。この中で唯一グリシャだけは、健常者でさえ目が眩むような光に飲み込まれなかった。
今夜、悪魔がお前らにこう云うぜ
「神とやらに惑わされるなよ」
   → 数年後、エルディア復権派であるグリシャは息子ジークの密告によって楽園送りになるが、その際にエルディア人でありながらマーレ人としてマーレ当局潜んでいたスパイ、通称『フクロウ』であるエレン・クルーガーの存在を知る。そして同じく悪魔の末裔であるクルーガー(=悪魔)は、グリシャに王が民の記憶を操作し、壁の中の安泰を望んでいることを告げる。つまり、「神(=王)とやらに惑わされるなよ」となる。


「ミカサやアルミン、
みんなを救いたいなら使命を全うしろ」

「これはお前が始めた物語だろ」


▽ 後奏
(3:33〜3:35)
   巨人化するクルーガーから、時空が飛び幼いエレンが目を覚ます
(3:35〜3:43)
   神話に出てくる絵
(3:44〜3:54)
   海にたどり着くエレン達、アルミンの手の中には貝が握られており、アニメFinal seasonへと続く。






ということで、自分でイメージして作ったところは一通り解説をしたつもりです。
タイトル含め、殆どの場面を歌詞と照らし合わせて作らせていただいたのですが、細かく解説していたら気がつけば随分と長くなってしまいました。
長くなってしまいましたが、ここまで読んで下さって本当にありがとうございました!
また次回以降も是非よろしくお願いいたします。


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   このMADを製作する前から「完結に近い」と言われていた進撃の巨人ですが、このMADを投稿する少し前に、原作の方が今年の4月で完結を迎えるとの発表がありました。私自身「進撃の巨人」という作品は小学生の頃から大好きであり、よりアニメ、漫画という世界に足を深く踏み入れるきっかけをくれた作品でもあったので、嬉しく思う反面、寂しくもある複雑な気持ちになりました。
   このような形にはなってしまいましたが、大好きな進撃の巨人への愛と感謝の気持ちをこのMADにたくさん込めたつもりです。

   諫山創先生をはじめ、約11年間進撃の巨人という世界を創り続け私たちに届けてくださった関係者の方々に、一人のファンとして心からの感謝を申し上げたいと思います。本当にありがとうございました。そして、お疲れ様でした。