最近、理容椅子のステップに立つお客さんが増えた気がします。
ちなみにステップとは、足をのせる部分ね。
上記の写真で説明すると、銀色の足をのせる部分をステップと言います。
ここに立つお客さんが、この数か月だけでも数名いらっしゃいました。
昔はそんなお客さんって、見た事ありませんでした。
だって、普通に考えてそこに立ったら危ないし、体重かけたら壊れる危険性があるの分かりませんか?
昔のお客さん(店主が20代~30代の頃)って、床屋マナーがしっかりしていたと言うか、恐らく子供の頃にステップに立って、床屋の店主に怒られたりして、
「ああ、ここに立ったらいけないんだな」
って、自然に学んでいったんだと思います。
だから、ステップに立つお客さんなんて見た事無かったし、いやもう普通に、またいで座ったり立ったりしてくれていました。
壊れる危険性に関してだけ言うと、子供はステップに立っても壊れる心配は無いと思います。体重も軽いですしね。
ただ、椅子のロックがかかっていない状態だと、椅子が360度グルグルと回ってしまう為、転んで怪我をする可能性が高いので、まあ恐らく叱られると思います。
ただ最近は、
「そこに立ったら危ないよ~」
とか、優し目に注意するくらいが多いかも知れませんけれども……。
ですが今は、生まれてからずっと、カット専門店でしか髪を切った事が無いって人もいます。
他にも美容室しか行った事が無く、理容室は初めてって方もいます。
そう言えば、一号店はカット専門店だったのですが、15年営業している間に2~30人くらいは、ステップに立つ方がいました。当たり前ですが、てこの原理でガタンと椅子が傾いて危なかったです。
やはりカット専門店が増え始めた頃から、そういう床屋リテラシーの欠けたお客さんが増えて来たような気がします。
ちなみに、美容室やカット専門店で使用している椅子って、めっちゃ安いんですよ。
安いのだと3万くらいから新品が買えます。
なので、もしお客さんがステップに立って、全体重をかけてしまい、てこの原理でガタンと椅子が傾いたとしても、注意はしないと思うんですよね。
特に美容室なんか、リニューアルオープンの度にカット椅子は交換すると思いますので、まあ5年くらいの消耗品だと割り切ってると思いますので、もし壊されても良いやくらいに思っているのかも知れません。
でも、カット椅子と違って、理容椅子って高いですよ。
あなたがもしステップに立って、体重を乗せた結果ステップが破壊されたら、修理費用は全額負担してもらうと思います。
とは言っても、店主もそんな面倒な事には巻き込まれたく無いので、
最近は……、
「ステップは、またいで座ってくださいね~」
と、全員のお客様にお声がけしております。
ただ、施術終了後には、
「ステップは、またいで立ち上がって下さいね~」
とは、さすがにうっとおしいと思いますので、言ってはいません。
またいで座ったんだから、またいで立ち上がるんだろうなと分かってくださっていると思っているからです。(このブログを書いた後にも、ステップに立ったお客さんがいらっしゃったので、現在は施術終了後にもお声がけをしてます)
でも、これが分からないお客様が、少数ですがいらっしゃいます。(9割のお客様は、またいで立ち上がってくださいますので、本当に新たなルール設定は既に出来ているお客様の負担にしかならないので、本当に申し訳ありません)
で、1割の分からないお客さんのケースで、一番多いのがこれです。
片足だけ地面におろして、片足をステップに乗せた状態で立ち上がる。
そんなケースです。
ただこの場合、地面についた方の足に体重をかけている場合は、セーフです。
逆に、ステップに乗せた方の足に体重をかけている場合はアウトです。
両足で立っていない分、全体重はかかっていませんが、ギシギシとステップが悲鳴をあげています。
当店で使用している理容椅子。
ビンテージ品を、レストアして使用しています。
綺麗に見えますが、大体5~60年前に活躍していた理容椅子なんです。
理容椅子って、かなり頑丈には作られてはいますが、それでもステップは足をのせる箇所であって、そこに体重をかけて良い箇所じゃ無いんですよ。
で、一番最悪なケースは、この記事冒頭から言っていますが、
ステップに両足で立つ
ケースです。
これはもう完全にアウト。
髪切り職人オープンから、3年間この手のお客さんを放置してしまった結果、ステップがそろそろ壊れる危険性があるなと、最近店主は心配になって来ました。
なので、ちょっと強めな注意喚起の記事になってしまいましたが、最後に繰り返して要点を言いますね。
この銀色の足をのせる部分。
ステップと言います。
このステップに、立ってはいけません。
ステップは足をのせる箇所ですが、体重をかけて良い箇所ではありません。
故に、片足でも体重をかけないで下さい。
もしもステップに立ってしまった場合。
椅子のロックをかけ忘れた場合、椅子が回転してしまい、あなたが転んで怪我をするかも知れません。
そしてここが一番重要な部分です。
あなたがステップに体重をかけた事により、ステップがバキッと折れてしまうかも知れません。
その場合は、申し訳ありませんが弁償してもらうと思います。
さて今回、ちょっと強めな注意勧告の記事になってしまったかも知れませんが、他店ではここまで言わないだけで、ステップに立ったら駄目なのは、うちらの世界では当たり前の事なんです。
どのくらい当たり前の事かと言うとですね、一般の方に分かりやすい例を挙げると、
もしも、走ってる車の窓から手を出したら危ないですよね?
手を怪我する可能性もあるし、手に何か物を持っていたらそれで他人を怪我させる恐れもあるじゃないですか?
それって当たり前の事で、恐らく親の方は子供が車の窓から手を出していたら、注意するでしょう?で、今大人になった方も、子供の頃に親に注意されたからやらないでしょ?だって当たり前じゃん。走ってる車の窓から手を出したら危ないしって思うでしょ。
それと同じくらい、理容の世界ではステップに立たないって事は当たり前の事なんです。
このブログを読んで嫌な感じがしたから、もうあの店に行くのやめよう。
そう思った方もいらっしゃるかも知れませんね。
ただ、店主にとっては大事な椅子なんです。
夢だった理容店を、この歳になってやっとオープン出来たんです。
その大事な椅子を壊す可能性がある、床屋リテラシーの無い行為を、注意勧告しても良いんじゃないかなと店主は思います。
あなたにも何か大事にしている物があるでしょう?
それを他人に、例え相手が家に来たお客さんだったとしても、乱暴に扱われたり壊されたら嫌な感じがするでしょう?
店主もそうなんです。
ただ大事な物を、乱暴に扱われたり壊されたくないだけなんです。
あなたが少しだけ店視点で物を見ていただけると、こういう記事を書いたかいがあったなと思えます。