妻が病院へ入ってから、家では私と2人の子供での生活となりました。周囲の人は「奥さんいないから、大変ではないですか?」等と聞かれる事等がありましたが、もともと家事は夕飯を作ること以外はほぼ私がやっていましたし、正直それまで受けていた様々な出来事がなくなったこともあり、大変楽になりました。娘もありもしないことで怒鳴られる事が無くなったこともあり、徐々に明るさを取り戻していきました。
一方、奥さんからは毎日のように病院から電話があり、「あれ持ってきて」「早くここから出して」等、とりあえず病院への荷物の出し入れには行くものの、その他の要求については適当にはぐらかすしかありませんでした。
そして、主治医からご家族、義父と直接あって話がしたいとの申し入れがあり、まず最初に私が主治医と直接話しをする機会を設ける事になりました。その際医師から、「旦那さん本当は何か匂いがしていたんではないですか?」と探るような感じで問いかけられました。しかし、この件について私の考えは最初から一貫しています。「これまで妻に何らかの匂いがした事など一度もありません。私はそんな人がこの世の中には存在すらしないものだと思っているので、最初からこの事を言い始めた時からあり得ない話だと思っています。当然今もそう思っています。」と答えました。
次に義父と長女が同じように医師と対面で話しをしました。私から2人にあらためて聞く事はしていませんでした。聞かなくても言う言葉はわかっているからです。そして最後に、当時小学校1年生の長男の順番です。私は長男を主治医と2人にする前に、長男にこう伝えました。「これから、病院の先生と2人だけになって、何か聞かれると思うけど、お願いだから聞かれた事について正直に答えてほしい。あなたが、先生にどう答えたかは、後でお父さん何も聞かないから、正直に話をするという事だけは約束して」と話をして長男のもとを離れました。
長男と病院の先生との面会が終わりました。話の内容はわかりませんが(わかっていますがあえて書きません。)やはりという内容でした。
以降の生活は、夕飯の支度をしなければならないので、毎日定時退庁となり、家事などやることは増えましたが、おだやかな日々を過ごす事ができました。
また、妻は病院のプログラムに従って、薬を毎日強制的に飲んでいたのか、次第に以前のような状況を取り戻して行きました。
そして、何度も訪れた面会のある日、私や長女に対してもそれまでの出来事についての謝罪もありました。その謝罪に対して、長女も私も以前の状態を取り戻した中で会話をしていたので、「もう過去の事。もういいよ」と返した事だけは覚えています。ただ私の心の中では、精神病院に無理矢理入れなければ私達に謝罪が出来ないという事が、どうしても割り切れない気持ちがありました。
そして、入院から2ヶ月が過ぎ、だんだん退院に向けての話が医師から出てくるようになりました。
このときの私の気持ちもとても微妙なものがありました。
つづきはまたの機会にアップデートしたいと思います。