「美しい字で、字を書く楽しさを」

上蒲田書道教室です。

そぎ落とすことと、付け加えること。

このバランス感覚が芸術分野では非常に大切になってくると思います。

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久々に、高校の現代文の文章を思い出しました。

その一文が「特殊から普遍への巧まざる跳躍」。

これは、清岡卓行さんの『ミロのヴィーナス』の一文です。

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この文章が、二十年以上頭に残っているのには理由があります。

あれは確か高2の時。

物理クラスは、クラスに女子が片手ほどの人数。

現代文（現代国語）の先生は、授業の終わりに指名制で宿題を出すことがありました。

「次の授業の開始までに、答えを板書しておくこと。」

数学や英語、物理、化学ではあるあるなのですが、なんと国語でもあったのです。

文系（国語、英語）教科は、女子の指名率が高くて！

（英語なんか毎回4,5文、英訳が宿題だったけど、ほぼ毎回当てられていた）

理系（数学、物理化学）教科は、順番か日付でいくから結構均等なんだけど‼

そして、国語で私1人指名で宿題が出されました

国語は苦手だし、できる方ではない。

先生、人選ミスだよ～

その宿題内容が、

『文中の「特殊から普遍への巧まざる跳躍」とはどういう意味か、分かりやすく説明せよ。』

だったのです。

もちろん、国語が苦手なのでよく分かっていません。

何だい「巧まざる」って。

それぞれの言葉の意味も分かっていません。

今ではグーグル先生に聞けば何でも答えが出ますが、当時はそんなこともなく。

やばい

当てられてるの1人だし、やばい。

次の授業まで2日。

国語辞典で意味を調べ、文系の友達に聞き、国語の得意な友達に聞き。

丸2日めっちゃ考えましたよ。

なぜに普遍から特殊ではなく、特殊から普遍？

そこも今となってはスッと腑に落ちるけど、当時はちんぷんかんぷん。

私一人では、全然分からず。

皆の知恵を借りて出した答えを授業前に板書していたわけですよ。

国語の先生「これ何？」

（やばいやばい、見当違いな答えだったか？！）

私「前の授業の宿題です。」

国語の先生「あー、出しとったか‼忘れとった！」

（うぉぉぉいっ！！）

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という流れから、印象に残った出来事でした。

私の丸2日ー！！！

結局、「特殊から普遍への巧まざる跳躍」というのは、このミロのヴィーナスで言うと、「両腕が失われているからこそ、ミロのヴィーナスは美しくすばらしい作品になった」ということ。

想像の余地を残すことで、作品の先を作る。

写真のタイトルづけや、俳句なんかもそう。

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「特殊」というのは、ミロのヴィーナスの手がある状態で限定された解釈しかできないこと。

「普遍」というのは、ミロのヴィーナスの手がない状態で、受け手によって解釈を変えられる、想像することで作品が完成すること。

手があれば、こんなに有名な作品にはなり得なかった。

元は手があったんだろうけど、「巧まざる（作者が意識しないでこうなった）」から「想像の余地を残す跳躍（すごい作品になった）」

ということ。

いやぁ、先生。

私、友達の力借りて、苦手なりに頑張ったのよ？？笑

そぎ落とすことと、付け加えること。

このバランス感覚が芸術分野では非常に大切になってきます。

そのことを久々に思い出したお話でした。

もしかしたら、これを人生訓とするために先生は私を当てたのかもしれない。

思いっきり、当てたこと忘れられてたけど。

まぁ、そういうことにしとこう。笑

先生、お元気かな。

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