罠駆除が始まっています。



今日の見回りは遅くなり15時から。



林道を走っていると鹿が走ってました。


私が罠を掛けている場所は鹿が薄い。


だから、珍しい光景です。



「今日は、こんな時間で動いてんだねー」と息子に言う私。



天候悪化の前は時間関係なく山の生き物は動きます。


山の動物の動きで天変地異、悪天候が把握出来ます。




鹿が一気に走って行った先は…


「ヤバっ!まともに罠に向かってんじゃん!」(危ないよ!行くなー!という祈り)




やばくね?


でも、私の罠は歩いている鹿をイメージして掛けているから大丈夫なハズ!(お祈り中)



あの勢いで、ピンポイントにくくり罠にはかかるはずがない←罠をかけてるくせに湧き上がる変な感情。


歩いている鹿は歩幅は狭く、歩数が多い。

走っている鹿は歩幅が広く、着地点が少ない。



そんなことを喋りながら


罠をかけている場所まで車を走らせる…。




「かかってる…ガーン



「なにしてんの、もう!」と鹿に静かに怒る。



なんちゅー、運の悪い鹿。

なんちゅー、運の良い罠師。



3秒、車のタイミングがズレていたら鹿は走らなかっただろう…。



地球儀を回し、ダーツを投げたら運良く長野県に当たるレベルの運の悪さ。



「逃がす??可愛いよ?」

「逃がす?綺麗な鹿だよ?」


息子は優しい。



「駆除だから…」



駆除は割り切りが必要です。


被害があるから駆除。

だからあえて色々考えない。



でも、逃がす?と言われると揺れまくる心。




「誰が止めるの?」と聞かれる。


「空気銃がいいかな。出来る?」


「うん」



罠をかけているのは私達。

でも、罠の鹿は心が痛む。


私には嫌な役割だ。

罠にかかった動物は、目を見てしまう。



最後の作業はしたくない。


猟とは違うんだもの。


これを言うハンターは何人もいる。




息子は逃げなかった。


そうなんだ。私は逃げているんだ。



逃がそうと提案した優しい目で、生死を見届けるのか…強いのか、優しいのか。


ハンターの家に育った子だからか。


銃を取りに店に戻り、また山に向かった息子。




店番をして待っていると息子が帰ってきた。


「止めたの?」


「俺の銃だよ。俺が撃つでしょ」



私は罠に掛かっている鹿には慣れた。


でも、元気いっぱい飛び跳ねていて、目の前で自分の罠に掛かった鹿には慣れていない。




数時間後、どこを狙い当たった場所を教えてくれた。



…この子、上手だな。


真っ直ぐ、着々と自信が付いている。



親バカとはまた違う気持ちで素直に驚く。



いや、確かに溺愛してんだけどね。

下手は、きちんと下手と言うよ。



7.62ミリの空気銃の威力にも毎度、驚く。



だって、空気銃だよ?

と、どこか心の中に、そんな気持ちがあるんだと思う。



罠の止め刺しは、どうしたら良いか?と、よく聞かれますが「威力のある空気銃」



私は、これ一択。



もちろん散弾でも良いですが、場所を選ばないのは音が静かな空気銃が良いかと思います。



銃で止める。

駆除対象には優しくしてあげて欲しいのだ。


 


惨殺は嫌い。

苦しませず、申し訳ない気持ちを持つハンターで、いたい。




以前、罠を始めたばかりの女性が店に来たことがある。


罠に掛かった獲物を撲殺するのを、それはもう楽しそうに話をしていた。



獲物をバカにし、撲殺を楽しむ。


ぶち殺してやると言う言葉に狂気を感じた。



怒りを覚えた。

銃の免許をこれから取りたいと言う。



銃を持って良い人では無い。



主人も、たまたまいたお客さんも同意見だった。




残忍なハンターはいらんのよ。


獲物を得る喜び=殺す楽しみじゃないのよ。



激しい近所トラブルもあったようだから


多分、その人は今も銃は持てていない。



もし、持てても…私は売らない。



お客さんが店を選ぶように、私達も、お客さんを選ぶ。


それで良いと思う。





今日、家に入ったらトイプ、キラちゃんの前足の毛がチリチリになっていた。



「かみなり、怖かったんだねー泣くうさぎ泣くうさぎ泣くうさぎ


スーパーでお買い物をしていた店内もザワつく雷が聞こえていた。



「早く帰ってあげなきゃ!」と家路を急いで帰ってきたのだ。


誰かが家にいれば大音量でYouTubeをエンドレスに流して怖さを紛らわすのが我が家流。


よりによって、いま、家には誰もいない。



恐怖心を落ち着けようとして、おしゃぶりのように必死で前足を舐めていたから、濡れた毛がチリチリになっていた。



キラちゃんが、ママ!と走ってくる。



キラちゃんの他にいる2匹が、怖かった〜あせるとキラちゃんを押しのけて抱っこをねだってきた。



舌の色は真っ赤じゃない。

怖いフリしてるだけじゃん凝視



怖かったねー(棒読み)と抱きしめる。



してやったりニヤリ

と怖かったフリをしてんのも、面白ろ可愛い。



興奮で目が充血してたり、顔が汗っぽくなってたり、舌の色が真っ赤だったり、まーったくしてない。



嘘つき2人組は、すぐ満足したようだ。


怖かったわけじゃないから、すんなり遊び回る。




キラちゃんを抱っこした。


安心した様子で、ふぅ〜っと溜め息をついた。




こんな、平和が一番ね。