日立市科学館の開館に

関わっていた事は

公言していません。

一緒に関わっていた知り合いが

減ってしまったから。

その証明が難しくなった。

もう30年以上も前の話しです。

 

自分が担当したのは

一部の展示物の収集。

当時は今の様な

インターネットも無く

兎に角足で動き回って調べ捲る。

 

70ミリの映画フィルムが

欲しいっていう発注も

(使われた本物のフィルムです)

有ったりしました。

で、何とか見つけ出して即購入。

(断片のロールでしたが・・・)

 

時に高額商品も有ったりするから

独断では判断できないモノも有る。

 

鉱物標本が欲しいと言われて

大きさは、って聞くと

幅6センチの間に、なんて

後で言われたりして

言い出した人が

「入んねえ、無理じゃねーか!」って

自分突っ込みしてるって事も

しょっちゅうでした。

 

その中で

今でも印象に残っているのが

これです。

ホログラム『ルーシー』

 

ホログラム界の『モナリザ』なんて

言われてたりいなかったり・・・。

製作数も限られていますので

資産価値も高いとして推薦し

無事に収蔵展示される事になりました。

もう現在では

入手は不可能と思います。

それが撮影者の拘りで

量産品は作りたくないっていう事でした。

 

斜め上から45度の角度で

照明を当てると

綺麗に女性像が

立体的に浮かび上がって来る。

 

それがホログラムです。

 

立体視画像は

実は交通事故の調査にも

当時使われていて

展示物チームのメンバーが

立体視の写真を上手く撮るのに

カメラメーカーに

取材に行ったりしてました。

 

風景の場合は

二眼を1メートル位離した方が

より立体的に見えると

聞き出してきて

カメラ二台使っての撮影も

可能で有る事を知って

多分実行に移したのだろうと

思います。

 

実際カメラを

平行に並べるレールも

メーカーから

販売されていましたし・・・。

 

立体視の写真と言うのは

それ位に奥が深いです。

 

よく見かける立体視画像は

交差式でしょうか。

 

視力の回復にと

使われる事も有りますが

その画像にも

知られていない秘密が有ったりする。

立体視画像1

一段階目は二層でウサギのカタチ。

二段階目は三層で杉の木形が奥に見えます。

実は四段階目も有りますが、それは自分の目でどうぞ。

立体視画像2

一段階目は飛び出した口型?

二段階目以降は、それが横に広がります。

 

上記の二枚は

交差式の立体視画像。

目を寄せて見ると

立体的に見えます。

 

でももう一つ秘密が有って

立体的に見えるカタチは

実は一種類では有りません。

 

先ず目を寄せてみて

一つ目の立体視画像が見えたのなら

そこから更に

目を寄せて行きます。

 

どうでしょうか?

二つ目の立体視のカタチが

見えましたか?

 

立体視には

こんな風に

意外と気付かれていない秘密が

有ったりします。

『stoa』交差式イラスト

左右に視差が有れば、イラストでも立体視は可能です。

 

では

現実世界の立体視を

フィギュア撮影で公開している

アンドレ氏の写真で

体感してみて下さい。

 

作品は小抹香氏作の『篠崎さん』

ワンフェス2015夏のブースの一コマです。

 

交差式です。

小抹香作『篠崎さん』/アンドレ撮影

同上

同上

同上

同上

撮影者の掲載許可は頂いて居ります。

アンドレ氏の旧ブログ

引っ越し前の、掲載写真の有るページです。

アンドレ氏の現在のブログ

新たな立体視の写真が掲載されています。

 

アンドレ氏の撮影する

フィギュアの立体視画像は

どれも質が高く

そのディテールや量感や空間が

ハッキリと判るので

実物を目の前にしているような

そんな錯覚すら

覚えさせてくれます。

 

これが立体視画像の

本当の実力です。

 

左右の画像を見比べて貰えれば

判るように

撮る角度が結構違う事こそが

この立体感を生み出しています。

 

これを大きな写真で見た時に

どれ程の立体感を

現実的に感じる事が

出来るのか。

 

これを人物

例えばアイドルを撮影して

原寸大に引き伸ばした時

その立体視画像は

どんな風に見えるのか、なんて事を

想像すると

アイドルオタクにはきっと

臨場感・現実感たっぷりの

たまらないポスターになるんだろうな

何て

そんな事も思えて来て

印刷出版の世界にも

まだまだ新たな展開の余地は

有るのだろうって

そう思えてしまう。

 

これは印刷でしか

表現出来ない世界なんですから。

 

原寸大、大画面なら尚更です。

 

ちなみに

アイドルの立体視画像の

原寸大ポスターは

実在していて

過去販売もされていたのですが

それは赤青メガネタイプ。

(遠山式立体表示法)

 

ですから

オリジナルの色彩再現は

どうしても難しい。

遠山式立体画像1

遠山式立体画像2

遠山式立体画像3

 

上記の三枚の写真は

赤青メガネを使って

見て下さい。

 

因みにこの手法は

2004年の発明で

勿論科学館の開館以降ですので

当時の自分は知り得ない

立体視の技術でした。

 

この様に立体視画像は

新しい手法も出来ていた訳ですが

実は欠点も有って

その認知度は

昔とあまり変わっていない様にも

思えてしまう。

 

そこは残念で仕方有りません。

魅力のある技術なのですから。

 

でもその主な要因は

どう考えても

出版社、編集者とカメラマンの

知識不足・経験不足に

他ならない。

 

いやむしろ、全く知らないんでしょう。

きっと。

どんな写真を撮る事が可能なのか、と

言う事を。

 

左右の視差が有れば

立体視画像は可能。

 

そう考えるならば

カメラ一台でも立体視画像は

出来るのではないか。

そういう疑問も

勿論有ると思います。

 

その通りで、出来るんです。

 

その話しはまた詳しく。

楽しい話しになりますよ。

実行したくなる事、請け合いです。

誰でも簡単に出来ますから。

 

思い出に端を発した

ブログ企画でしたが

立体視はずっと前から

興味を持ち続けていた

テーマでしたので

今回アンドレ氏の協力を得て

小抹香氏の『篠崎さん』も

紹介出来ましたし

個人的には

記事に出来て本当に良かった。

 

紙飛行機作家なのだから

紙飛行機の立体視写真では無いのか、という

お叱りも有りそうですが

『篠崎さん』の魅力(魔力?)には勝てません。

 

まあ、そういう事です(笑)。