『PriPriおりがみ飛行機』

遠藤アキオ著/世界文化社刊

 

この本を

出版して頂いてから

10年が経過しました。

 

この機会に

少しだけ

この本について

触れておきたいと思います。

 

幼児向けの

紙飛行機の本として

出版して頂きましたが

その事も有って

この本には

多くの他の

紙飛行機本には

掲載されている

ある解説が

入れられていません。

 

それは

飛行機の解説として

必ず取り上げられる

“昇降舵”の説明です。

 

私が作った

この本には

昇降舵の説明は

必要無いからです。

 

折り紙飛行機を

設計するに当たり

私が一番注意するのは

その構造。

 

投げたら必ず飛ぶ。

 

そういう設計。

 

当然

紙を折って

投げる訳ですから

それなりに飛びます。

 

問題は飛び方。

 

単順な放物線を描くのか

上に伸びあがるのか

下に急降下するのか。

 

パターンはこの三つ。

 

それ以外の飛び方は

落ちる、に近いので

飛行の能力は

持ち合わせていません。

 

一番望むのは

上に伸び上がる軌道。

 

そして次は

軽い失速型。

クイッ、クイッって飛ぶ

ふんわり飛行系です。

 

あとは

単純な放物線ですが

でもそれは

あまり使いたくは

有りません。

理想とする軌道です。

 

急降下する軌道の

機体も

ダイブ型も失速型も

使いません。

 

幼児に

昇降舵の解説はムリで

理解出来ない。

 

それよりも

折って作って投げたら飛ぶ。

単純な設計の

紙飛行機で

なければならない。

 

昇降舵の

調整不要の

構造を持つ

紙飛行機。

 

これが

『PriPriおりがみ飛行機』に

掲載されている

紙飛行機です。

 

良く飛ぶ、とは

個人的には

伸び上がる軌道を

持つ事だと

思っています。

 

伸び上がる軌道を

得る為には

伸び上がる構造を

紙飛行機に持たせる。

 

何故そうなるのかは

説明は

可能なのですが

実際には

トライアンドエラーを

繰り返して

そういう構造の

紙飛行機だけを

選抜しただけの事(笑)。

『スピードひこうき』

PriPriおりがみ飛行機より

『ゆうゆうひこうき

PriPriおりがみ飛行機より

 

折り図は

誰もが全く同じ

完成形で

折れる事が前提。

 

ここまでして

やっとで

昇降舵の説明は

不要に成るわけです。

 

この話しで

ピンと来た人も

多いかも知れません。

 

このブログに

掲載している

折り図の紙飛行機は

上級者向けを除いて

(世界記録戦略型、等)

全て昇降舵による

調整の必要の無い

紙飛行機ばかりです。

 

些細な事ですが。

 

誰でもが

簡単に飛ばして

遊べる設計。

 

これが

私の追い求める

紙飛行機の設計です。

 

秘密としては

小さな事ですけど。