ずっとあなたを忘れようとしていた。
記憶の断面から消そうとしていた。
誰かが私を追い立てる。
早く忘れろと追い立てる。
私は消すに消せない思いを抱えて夢を見ていた。
いつか一緒になれる夢。
あなたが私を好きだといってくれる夢。
孤独を孤独でなくす夢。
… … … 。
追いかけても追いかけても追いつかない心と身体。
消えた思いと消えない思いが交錯する心のセンターライン。
どこで振り返って、どこで立ち止まって、どこで涙を流したら
私はあなたに会えるかな。
この迷い路の十字路で。
… … … 。
消えない思いと消せない記憶。
許される時間があるなら少しだけ語らせて。
私はあなたの心になりたかった。
心をうずめる宝石になりたかった。
ずっと、ずっと。
表面積を飾る温度は熱いけれど
奥を彩る心は揺れて揺れて陽炎になる。
みんな、みんな恋をする。
恋をして愛を知って悲しみを知って深い愛に辿り着く。
6年もの言い訳。
どこに行ってもどこで吐いても決して消えない。
あなたへの思い。
二度と逢えないあなたに送る後悔の言葉。
『 今日捨てます。あなたへの思い。新しいあなたに出逢ったから 』
風鈴の音色のように。
さようなら。