東京。東の都。
京都は西の都。
緻密に計算された増上寺から見える景色は風水の原理に基づいている。
徳川家康は時代を待った。
鳴かぬなら殺してしまえと語った武将は天魔になって倒れた。
女に溺れた出世頭は太閤まで登り詰め桜の如く散った。
狸と言われた陰険なイメージの一大名は辛抱を学んで
皇居を含めた地の網脈を繋いで首都東京を作り上げた。
風水。
自然の原理。
鎮守の森。加藤清正が守る虎の要、明治神宮。
再開発は危険の領域。
決して犯してはならない。
政(まつりごと)が腐っている。
私利私欲を貪った一見集中が崩壊し始めている。
いわゆるお金持ちに生まれてくる理由とは
どうやって人を幸せにすることが出来るかを
試されているのだという。
渇水。暖かい日が続く。
雨が降らないのはいいことなのか。
寒い日は悪い日なのか。
連立のビルは本当に安全なのか。
四季を揺るがす一大事が日本に迫っている。
四天王。
東西南北。
結界を張られた首都東京。
碁盤の眼は張られている。
正しきことがきちんと行われているかと。
ひとつが消えればひとつが浮上する。
それが政の原理。
「 もう待っている時ではない。
生まれ変わった徳川幕府が動き出さないと。
源頼朝が鎌倉幕府を作ったように 」
厳しいお顔の四天王がそうおっしゃった。
「 鳴かぬなら鳴かせてみよう不如帰 」
そんな政を期待する。