ひとつが始まり ひとつが終わる
これが本当の覚醒というものだ
長い年月、この本は、何を考えていたのか。
この時を選んで、完成した。
それは、手術を控えた当日。
出発間際に、誕生した。
一冊が出来上がり、連れの一冊が相整った。
まるで、この時期を待っていたかのように。
「 ひとつが始まり、ひとつが終わる 」
この言葉を意味を本当に理解するなら、もう覚醒は成されたのだということになる。
それだけの作品。
それだけの思い。
今までの作品もそうであったように。
ご依頼者様に、感謝をする。
今回は、かなり難しい。
それでも、読めば読むほど解釈が深くなる。
一期一会。
この作品を手にとって下さった方が、この世の意図を理解し
今起きていることを伝えていく。
「 そうありたい 」 と、この本の登場主が望んだ。
龍神。俗にいう龍神ではない。
霊体としての龍神。
天の御霊に君臨する龍神。
今、現在を語る。
では、ご紹介を。
深く考えずに、そのままの姿勢でお読み頂きたく。
黒龍が舞う。赤い炎を持って。
溶岩化した黒龍は、マグマを持って
赤い珠を作り、転がし始めた。
それは、まるで曲芸。
くるくると回るその珠は、燃えるというより
燃やすと言った風情。
飛ぶように舞うその姿。
伝説の黒龍。モーガン。
そう呼ばれた意味が、今蘇る。
「 いいか、この袋に、
赤い水晶体を10個集めてこい。
目的は、わかっているんだろうな。
あれだよ、あれ 」
指差す方向には、
真っ赤に燃え盛る活火山が見えていた。
それは、永遠の牢獄。
楽園と呼ばれる地獄。
智天使、ケルビムを配して。
偉大なる門番、ケルビム。
その姿は、炎のようでもあり、
水のようでもあると。
怖れを知らぬものが、その姿を見たら
さぞかし怖れを抱くに違いない。
閉じ込められた黒龍が、龍国建て直しの為、罪を揺るされ甦る。
それは、わが子との再会。
仕組んだのは、金龍。龍国の長老。
そして、伝説の黒龍モーガンが、大きな使命を持つ。
ドン。バシャン。閉る門。
涙ながらに握った手には、
10個の水晶体が置かれていた。
真っ赤に燃える炎。
熱くもなく、ころころと転がる。
その中には、ひとつの文字を刻まれていた。
神・智・断・篇・降・臨・不・足・充・満。
「 神の智恵を、滞りなく伝える。
不足の自体は、気を充満させる 」
それが、珠の神髄。
炎の中に、浮かび上がる水(すい)文字。
龍国は、ある秘策を練って救いにかかる。
それが、魂の本質。偉大なる命を犠牲にして。
マグマが揺れる。風に吹かれて。
少しずつ変化して、炎となっていく。
モーガンの身体は、変化していく。
ひとつの山へ。
大きな畝身となって、時を動かしていく。
「 お前は誰だ 」
魂の声が聴こえる。
「 俺は、黒龍。伝説の黒龍だ 」
「 知っている。お前のことを。
その昔、地を騒がせた偉大なる龍。
その本体は、マグマ。
噴火させれば、命はないと言われた 」
「 そうだ 」
「 そのお前が、今なぜ蘇る? ! 」
「 結界を張り、龍国を救うため。
自然という結界を。地球のために 」
一旦、休憩。
次に続く。