その日私はフィギュアスケートの大会であるNHK杯を大会関係者である知り合いの誘いで観に行った。

女子フリー。

注目はロシアのメドベージェフ。
優勝候補筆頭だ。

エキシビジョンでセーラームーンのコスプレで演技をする姿に釘付けになった方も多いでしょう。
親日家でも有名だ。

私もメドベージェフを楽しみにしていた。

しかし結果はまさかの7位。

ジャンプを決めたのはたったの1回だった。

会場が騒然とするなか、大会は幕を閉じた。

そして私は誘ってくれた大会関係者である知り合いに挨拶に行こうと会場の裏側へと向かった。

ところがその知り合いはバタバタと忙しかったらしく、暫く待ってほしいと言われた。

仕方なく待つことに。
自動販売機で買った缶コーヒーでも飲もうと外に出た。

するとそこに人影があった。

うずくまってどうやら泣いてるではないか。

心配になった私は"大丈夫ですか?"と声をかけた。

顔を上げたその人物はなんとメドベージェフだった。

つづく。