「桂三実が2ヵ月に1度、創作落語を3席ネタおろしする会」

という落語会をやっています。

文字通り2ヵ月に創作落語を3つ、
考えなければなりません。

今年の2月から始めました。

この会を始めてから、
自分は家で作業できないタイプの人間だと知りました。
書斎があるような大きな家に住んでいたら分かりませんが、なにぶんワンルームです。
テレビやらなんやらが視界に入ってきます。
簡単に横になることもできます。

すごい人はそれでも作業できるのですが、
私はできません。

でも創らないといけません。
よって、外に出ることになります。

結果、この会が始まってから、
驚くほどのペースでスターバックスに行ってます。

スターバックスって英語表記やろ!
っとイラっとされた方がいたら申し訳ございません。
価値観の違い 
という最強ワードで折れてください。

スターバックスは19歳になるまで
1回も言ったことがありませんでした。
というより、19歳になるまでコーヒーを
飲んだ記憶がないです。

19歳、つまり入門してから
初めてコーヒーを飲みました。
それはスターバックスでした。

というのも、師匠が朝の散歩のついでに
よく立ち寄っていたからです。

勿論一緒に店に入ります。

チーノとかマキアートとかベンティとか、
義務教育では習わなかった謎の言葉が飛び交います。

朝の早くからスーツを着た大人たちが
コーヒー片手にパソコンで作業をしています。

これが大人の世界かぁ…
と感激したのを覚えています。

コーヒーのことに無知な私は
師匠が注文されたものを飲みました。

恐らくドリップコーヒーだったと思うのですが、
コーヒーに砂糖とミルクを入れることすら知りません。

人生で初めて飲んだコーヒーはブラックでした。

"ブラック苦いからあかんねん"
という方がよくいらっしゃいますが、
不思議とそんなに苦くは感じませんでした。
師匠と2人きりで初スタバでしかも初コーヒーを飲むことに対して、ド緊張で味覚が崩壊していたのでしょう。

そっから何年も経ち、
今もそのスタバで、基本はブラックコーヒーを飲んで落語を考えてます。

Macのパソコンを使いこなすスーパー大人たちに挟まれて、ノートに鉛筆を使っています。

Bluetoothイヤホンを使いこなすスーパー大人たちに挟まれて、こんがらがりイヤホンを使っています。

師匠、あの時コーヒーを教えてくださり
ありがとうございました。

もし私に奇跡的に弟子ができたとして、
師匠に憧れて弟子をスターバックスに連れて行ったとき、勝手に
抹茶クリームフラペチーノのグランデを頼んだら破門にします。
トールなら謹慎です。
でもカスタマイズしたら破門です。