「鎌倉殿の13人」一途義時の男泣き   脚本・三谷幸喜

 

第11話(3月20日)、

求婚した八重に「お断りいたします!」とフラれても、 

見守り続けた小四郎・義時。

「小四郎・義時、大逆転」ついに八重を笑顔に

 

第13話は「幼なじみの絆」

 

政子(小池栄子)が男児を出産し、源頼朝(大泉洋)の嫡男誕生に沸く鎌倉だったが、頼朝の浮気が大騒動に発展。激怒した北条時政(坂東彌十郎)は伊豆へと戻り、これを比企家の好機と捉えた能員(佐藤二朗)は源義経(菅田将暉)らに近づく。

 

そんな中、北条義時・小四郎(小栗)は八重(新垣結衣)のことを一途に思い、鎌倉と江間を往復する日々を送り…という展開。

八重が裁縫をしていると、どっさりの土産を抱えた義時に気づき、目を見開いた。海産物を置いて、すぐ帰る義時に思わず「え、怖い」――。

木曽義仲(青木崇高)との信濃会談を前に、義時は再び江間へ。

今度は山菜を持ってきた。八重は義時に気づくと、驚きのあまり、柄杓を落とした。

八重「小四郎殿、私、つらいです。

          勝手すぎます。

         あなたはそれでいいのかもしれないけど。

        それに、要らなかったら誰かにあげてって、

        なんで私が山菜好きな人をわざわざ探さないといけないんですか」

義時「私は好きなのです。八重さんの、笑っている姿が

八重「笑えないです」

義時「いつか、八重さんに笑いながら『お帰りなさいと言ってほしい

八重「笑いながら言う人なんていません」

義時「だから、また来ます」

八重「また来ますって、自分の家でしょうが」

そして、義仲との会談を終え、江間に帰ると、

八重に追い出される頼朝を目撃。

干したヤツメウナギなど信濃土産を持ってきた。

八重「(怪訝そうに)なぜです?なぜ私に尋ねないのです。

              鎌倉殿と会っていたのかと、なぜ問い詰めないのです。

           私のことを慕ってらっしゃるんでしょう?

           だったら、聞いたらどうなんです。

            何もございませんでした。

          かつて心を通い合わせた相手が、

           今も想いを引きずっているだなんて、

           殿方の勝手な思い込み。

           ホッとされましたか」

義時「これは、信濃の山中で採れた茸です。

        茸はお嫌いなんでしたっけ。

        どちらでも、よいのです。

        ここに鎌倉殿を招き入れたとしても、私は構いません。

 

        私と八重さんは幼なじみ。

       私の想いは、あの頃からずーっと変わりません。

        私はそれを大事にしたい。

 

        八重さんに振り向いてもらいたい、そんな大それたことはもう考えません。

          振り向かなくても構わない、を向けたいのなら、それでもいい。

       私はその背中に尽くす。

        八重さんの後ろ姿が幸せそうなら、私は満足です。

 

        しばらくここには戻りません。

        八重さんはどうか、ここにいてください。

         あなたはやっぱり伊豆の景色がよく似合う。

      伊東の館に紫陽花を届けたあの日から

      ずっとそう思っておりました。]

       帰ります

(と立ち上がる)」

 



八重「待って。小四郎殿、お役目、

         ご苦労さまでございました(と頭を下げる)。

       (柔らかな笑みを浮かべ)お帰りなさいませ

義時は座り直し

      「ただいま、帰りました」と男泣きした

 

幼なじみ・木曽義仲(青木崇高)を慕う巴御前(秋元才加)にも感化され、

ついに初恋の人・八重の心を動かした。

 

 

三谷幸喜の泣かせる脚本