最後の出社日 | Dream Trigger

最後の出社日

今日、先輩の最後の出社日だった。


出て行くところを見送りたくて、最後までいた。


24時頃、身支度を終えて、
「本当にやめちゃうだな。もう、こないんだよなぁ、ここには。」

その先輩の言葉を聞いて、涙が出てきてしまった。


この先輩とは、よく深夜に話をした。

そのときのことを、いろいろ思い出してしまった。


先輩と俺しかいけない静かなオフィスで、生き様とか、夢とか、
将来とか、仕事についてとか、青臭い話をたくさんした。


先輩は共感性が高く、思っていることや考えていることを
話すのが好きなタイプ。

教え好きなんだと思う。


それと繊細な人なので、自分にも言い聞かせていたんだと思う。


それが合わさって、信念とか志のような話をよく聞いた。
こんな人がいてさ、とか、本にこんなことが書いてあってさ、

最近思うんだけどさ、とか。


で、一通り話をして、

「そろそろ寝た方がいいよ。」
「あ、じゃあ、もうちょっと頑張って寝ます。」
「布団使っていいよ。」
「前回使わせてもらったので、使ってください。」


とか、そんな会話をよくした。


先輩から受けた影響はたくさんあるけど、もらった言葉で大切にしているものが3つある。

・目の前の人のために、全力になる
・気がついたときが、ベストタイミング
・正解なんてない。納得できるかどうかだ。


この言葉は変わらず、ずっと俺は持ち続けていると思う。


入社して、俺はこの先輩の隣でまず仕事を始めた。


入社初日、隣に座って、入社式が始まる時間を待っているときに、
PCにコーヒーをこぼして、「やべ~、でせった~。」とかいっていた。


※「でせる」とは、伝説的な失敗。伝説的な成功とか。強調する言葉の部分が
残って、良い意味でも悪い意味でも使うジョブウェブ語。
「やばい」「きてる」とか、そんな言葉に近い用法。
派生して、ミスをすることによく使われる。
例)遅刻して、でせった~。
  お客さんに間違ったメールを送って、でせった~。
  とか。


先輩は、俺はでせったーだから。とかいっているが、実は細かな作業ができて、
全然でせった~ではない。


経理の人がいうには、一番ミスをしないのが、この先輩らしいので。


そんな先輩から、
「あ~、それ、人生半分損してる。これでやると早くできるんだよ。」
とかいって。

ショートカットキーとか、いろいろ作業の効率化について、
ちょくちょく教えてもらって、俺の社会人生活はスタートした。


その頃から、一年後にやめる。という話を聞いていた。
先輩がやめたらどうなるんだ。もっといてほしいと思っていた。


で、ついに、その日が来たのである。


でも、組織って不思議なもの。


やめたらどうなるのか、と思っていたが、自然とそれに適応していく。


うちの最年長の社員さんからきいた話にこんなものがある。

数年前、トップ営業マン、納品の責任者など、コアメンバー3人が抜けて、会社がつぶれるといわれていた頃があったらしい。

が、その次の年、会社は初の黒字化となった。

組織は存続していくもの。という話だった。


なるほどなぁ~と思った。

そして、過去の話になっていくのかもしれない。


けれど、形に残らなくても、そのとき一緒に過ごした人のなかには、
マインドや空気感とか、何かしらが残り、影響を残すんじゃないかと思う。


少なくとも、俺の中には、その先輩の仕事に対する姿勢、思想・マインドというか、
考え方みたいなものは、残り続けるだろうし、俺は大切に持っていようと思う。


仕事に向かう姿勢自体にメッセージがあったように思う。

背中で語るようなかんじ。


俺もそれを引き継いで、姿勢で語れるぐらいになろうと思う。


先輩、1年ちょっとでしたが、大きな刺激をもらえました。
どうもありがとうございました。

これからも、是非頑張ってください。