携帯電話が使えない | 認知症の二人を見送って

認知症の二人を見送って

認知症の父母が亡くなり、いろいろなことがありました。順序だてではありませんが、どんなことがあったか、認知症というものがどんなものかということを知っていただければと書いていきます。

父と母に1台の携帯電話を持たせていました。

というよりも何かあった場合のために。

持たせたのは、認知症になる前。

でもね。これが使えなかったんです。

その頃は、ガラケーだったのですが、父と母に何度教えても電話の使い方を覚えてくれない。電話をかけるときも電話番号を押して入れてやっとかけられるという状態だったんです。

母は、器械関係がダメ。

父は、もう、このころには、認知症が始まっていたのかもしれません。

認知症は、徐々に来るもの。

それでも母は、携帯を持っていることで何か安心感は、あったのだと思います。

この携帯でもいろいろなことが起こりました。

母は、携帯の使い方がわからないと携帯を他の人に渡してしまうことがあり、お友達の電話番号が。

メールも使えなかったのですが、なぜか、友達の電話番号と一緒にメールが。

メールの見方もわからなかったのですが、その方たちのメールが沢山。

一度も開けたこともなく、読むわけでもなく、使うわけでもなく。

そんな携帯の使い方だったんです。まあ、使うとしても電話をかけるだけ。

電話をとるということができなかったんです。

だから、一番困るのが携帯が鳴っても電話に出ないんです。

携帯も持って外にでているのですが。

本当に困りました。

前にもデイに行ったとき、母がいなくて困ったということを書きましたが、こういう時に必要なんだからと。

私が実家に行くといったときに行くと母がいないんです。

何度かありました。父を残して一人で出かけ、携帯は持って出ない。

こんなことが数年続き、こちらが携帯料金を払っていたので使えないなら、仕方がないということで最後には、解約をしました。

でも、こうなると欲しくなるようで。

なんで、私は、携帯を持っていないんだろうと。みんな持っているのにというようになるんです。

そんなこともありましたが、携帯があったおかげで助かったこともあるんです。

それは、家電が通じなくなったことがあったんです。

電話の接続部分が壊れたようでこの時は、助かりました。

携帯があったので私には、ピポパで連絡ができ、電話工事に入ることができたんです。

でもね。この時、笑ってしまうことがあったんです。

父は、NTTと契約しているものだと思っていたのですが、私もそう思っていたのでNTTに電話。

しかし、お宅とは、契約していませんと。

こちらの方がびっくり。地デジに変わった時に契約をし直したということがあとでわかったのですが。

父は、忘れてしまっていて、母は、まったくそんなことにかかわらない家だったので。

携帯があったので助かりました。