皆様こんにちは。 ブログおよびホームページ管理人の神@北見です。

 

今回はタイトルの通り、「遜色急行ではないが、利用者からは納得がいかない急行列車」をご紹介したいと思います。あとついでに「ウソ電」も出てきますのでご注意ください。

 

宗谷本線急行「宗谷」は、1989年11月以降キハ400系で運転されていました。しかしキハ400系は必要最低限の両数しか改造されず、多客時の増結にはキハ56が主に使用されました。キハ400系はエアサス台車・冷房付きのリクライニングシート車、キハ56は非冷房のボックスシートで、そのサービスの差は歴然! しかも稚内までは5時間以上もかかります。1~2時間くらいなら我慢しますが、同じ料金を払って片や5時間以上もボックスシートというと可哀そうとしか言いようがありません。キハ58系ファンとしてはキハ56が急行で活躍するのは非常に有難い事でしたが、一般の利用者からは好まれるものではないのは言うまでもありません。多客期の札幌駅に急行「宗谷」「サロベツ」が入線する際、既に自由席には長蛇の列が出来ていました。そして自分の並んでいる列にキハ56が来て、隣の列はキハ400だった時などはキハ400の列に客が大移動したり、「何だこれは!!」と文句苦情が出ていたものでした。

 

 

テツにはキハ56増結は良いのですが、一般客からはブーイングものです。片や冷房完備のエアサス台車でリクライニングシートのキハ400系、片や非冷房でボックスシート、コイルバネ、しかも床は木のキハ56。夏は暑いし冬は寒い。ボックスシートに4人座ったら身動きもとれません。昔はそれが常識だったのでしょうが、既に1990年代末期に混成編成というのが問題です。

 

一方で冬場の急行「利尻」は、折り返しの急行「サロベツ」の増結を考慮し、「利尻」自体がそんなに混雑していなくても増結されているケースが多く見られました。この場合はボックスシートに1人で座ることができ、キハ400よりも寝やすい場合もありました。但し寒いですが…。私はガラガラの急行「利尻」に乗車し、録音テープを回しながらキハ56の走りに酔いしれていたところ、親切な車掌さんに「後ろのキハ400が空いていますしあっちの方が快適ですよ」と言葉を掛けられ、「いや、キハ56は最高です」と答えたことがあったような…。 当時は私の住んでいた北見の夜行「オホーツク」等でも、乗客が少ないことから車掌さんがシートを向かい合わせにして1ボックス1人で利用できるよう調整していることが多々ありました。

 

↑「利尻」です。車内はガラガラですが、折り返し昼行便での需要を考慮し増結されていることが多々ありました。

 

このように、同じ料金体系で違うアコモの車を混ぜるのは営業施策上あまり好ましいことではないですね。

こういった例は本州でも一部ありました。

 

↑急行「砂丘」です。こちらもアコモ改造車が投入されましたが3連3本使用に対し3連4本しか改造されず、増結は専ら一般のキハ58が使用されました。そのため、増結時はリクライニングシート車とボックスシート車の混結になっています。

 

 

↑急行「たかやま」です。こちらも通常期は全車アコモ車で運行されますが、所定編成のキハ58×2、キハ28×1、キロ28×1 に対し、それぞれ各形式1両ずつの予備車しかありません。よって予備車以上の増結をする場合や入場中の場合は「砂丘」より頻度は低かったですが一般車が増結されました。こちらもリクライニングシート車と思っていてボックスシート車が来たら、ブーイングものです。

 

共通して言えるのは、急行編成のグレードアップを行った際にその改造は必要最低限の両数しか施工されないことがあります。そして増結には一般車を使いますので必然的に混結編成が発生してしまいます。末期の九州ではアコモ車が十分な両数いましたので増結車もアコモ車を使うケースが多かったのとは対照的です。

 

JR西日本のケースの場合、アコモ改造車も増結車も同じキハ58系です。しかしJR北海道のケースはアコモ改造車はキハ40系改造のキハ400・480で、増結車はキハ56でした。もしJR北海道が増結用にキハ56をアコモ改造したらどうなったでしょうか? 当時キハ40系は需要が高く、増結用まで準備する余裕はありませんでした。そこでキハ56に増結用の改造を施したと仮定してみましょう。

 

↑キハ56の急行用アコモ改造車(ウソ電)です。タネ車はキハ56 202です。キハ560と勝手に形式を付けても面白いでしょう。室内は他の会社でも良く見られたリクライニングシート改造車とし、冷房はJR西日本や九州のキハ52に準じ、機関直結式のAU26を装備したという想定です。しかし、JR北海道ではキハ56系お座敷車・カーペット車を冷房改造した際、冷房用のエンジンは床置きとし、機関直結式は採用されていません。よって床置き式としたケース2を作ってみるのも良いかもしれません。

 

これはあくまで想像上の車両で実在しませんのでご注意ください。当時のJR北海道ではキハ56にここまでするつもりは無かったのでしょう。結局最後まで未改造のキハ56を増結するというスタイルのままでした。

 

皆様いかがでしょうか。今回は初めて想像上の車両が登場しました。イラストは精巧に描いていますので、こういった想像上の車両を作るのも簡単でイメージが湧きます。それにしてもあのような混成急行列車は何でも混結出来る旧型気動車ならではの芸当でした。現在は気動車であっても原則同系列同士でしか併結しません。もうあのような混成の楽しみが登場することも無いのでしょうね。

 

是非私のホームページ

 

http://kami-kitami.sakura.ne.jp/index.html

 

にもキハ58系各車の解説がありますのでご覧になってください。