みなさんこんにちは。ブログおよびホームページ管理人の神@北見です。

 

色々な急行を再現するためにKATOやTomixのキハ58系を入手し他へ転用しようとしていましたが、転用する前に製品そのもののレビューをしてみようと思います。手を加えた後ですとレビューが出来ませんので。

 

まずはキハ58 0番台の冷房車と、キハ28の冷房発電セット無し冷房車が入ったKATOキハ58系スターターセットからご紹介したいと思います。所々辛口表現がありますがあくまで私の主観なのでご了承ください。。。

 

KATOさん、Tomixさんともに基本モデルはキハ58系の平窓長大編成対応車(キハ58 400番台、キハ28 2300番台)の中期車(乗務員室側窓バランサー点検蓋があるタイプ)をモデル化していて、TomixとKATOの棲み分けはありません。KATOさんはモデルに「400番台」とか明示していないため判りにくいですが、KATOもキハ58 400番台・キハ28 2300番台です。せっかくなので違うタイプを製品化してくれると良かったのですが…。 しかしTomix・KATOとも特別企画の特定急行セット等でこれ以外のモデルを入手することができます。そんな中、基本中の基本ともいえるキハ58の0番台冷房車がこのスターターセットに入っているということで、入手していました。

 

↑0番台冷房車を入手するためだけに、こんなセットを買わなければなりません。KATOさん何とかしてください。模型再開する時にパワーパックやレールを買っていたので、その時に気づいていれば良かった。

 

↑スターターセットというと基本モデルの筈なのですが、なんでそんなセットに数が必要な車両を入れるのでしょうか?

 

内容は、

 

キハ58 0番台 (303番)

キロ28 100番台冷房車 (2196番)

キハ28 0番台 (72番)

 

となっています。では1両ずつ見てみましょう。

 

キハ58 303

↑キハ58 0番台の冷房車となる303番です。乗降ドア下部に丸窓が無く、運転席側窓のバランサー点検蓋が無い姿が的確に再現されています。まあ、側板は「ざおう・いいで」セットに入っている0番台非冷房車と同じなのでしょう。特に問題なく0番台冷房車が表現されています。というかこんな簡単に再現できるなら、単品で出して欲しいですね。Tomixさんも実は同じ形態のものをキハ58系四国色基本セット(2両セット)でモデル化していますが、急行色は出していません。

模型へのコメントとしては、毎回同じですがKATOさん共通コメントで端部床下のステップ表現等がオーバーで色も灰色ですので、これを何とかする必要があります。特にステップは0番台は幅広になりますので切除してエッチングパーツ等に交換するのが良いでしょう。あと正面窓は暖地向けを再現していてデフロスタが無い窓になっていますので、九州四国以外を再現するならデフロスタを入れると良いでしょう。

 

キロ28 2196

↑グリーン車は2196という設定となっています。単品で発売されているキロ28と比べ、クーラーが角型になっていることが相違点です。コメントとしてはキハ58と同様車端部床下の表現を黒く塗るか、ステップをTomix分売パーツなどに交換するのが良いかと思います。私は面倒なので黒く塗るだけですが。

それと、KATOさんは2196という番号を選定していますが、196以降は便所窓が横長の小窓になった14次車に該当しますが、当模型はご覧の通り通常の便所窓なので合っていません。よって番号は一旦消して選びなおす必要があるでしょう。(気になる方は)

あと巷でも話題になっていましたが、このグリーン帯入りの2000番台というのが非常に曲者になります。グリーン帯が消されるのは昭和53年の塗装規定改訂によるものですが、このグリーン帯抹消は比較的短期間で進められました。恐らく1980年頃には廃車予定車を除きほぼ完了している筈です。そしてキロ28に3両給電用の4VK冷房発電エンジンが搭載されるのは1970年後半からになりますので、実車が2000番台に改造された際にグリーン帯があったかどうかは非常に微妙な状態になります。例えばこの2196を例にとってみますと、4VKを搭載し+2000になったのは1979年5月23日ですので、4VK搭載改造で発電機の吸気口が移設された際に再塗装され、その際に帯が消えていることは想像に難くありません。ちなみにこのKATO製品のモデルとなる、機関給水口が中央に寄って便所窓が従来型である155~195のうち、1978年以前に4VKを搭載した車は、182~184と、190~193の計7両しかいません。正直言うとこのグリーン帯を消してしまうのが一番悩まず早いことになりますが、消すとなると全塗装かなぁ…。

 

次にキハ28を見てみます。

↑キハ28 0番台で冷房発電装置を搭載しない冷房車を再現したモデルになります。こちらも「ざおう・いいで」セットで発売されているキハ28 0番台非冷房車の側板と床下を流用していることになります。しかしこれまたマニアックな車両をモデル化しましたね。まぁ既存の金型を組み合わせるとなるとこの4VK非搭載モデルを模型化するのが一番早いのでしょうが。0番台の4VK搭載モデル(2000番台)を再現しようとすると、乗降ドアに丸窓が無く3位側に4VKの発電機用吸気口を表現した新規金型が必要となりますので。

 

↑妻面から3位側です。確かに冷房発電機の吸気口ルーバーの表現が無い側板となっています。これはOKです。さて、妻面に目を向けると…、むむむむっ これは!!!!! これはまずいぞ!!

 

↑左が当セットキハ28 72の妻面、右がキハ58 303の妻面です。キハ28の貫通路向かって右側の冷房用配電盤の出っ張りは、キハ58に比べて大きくなっています。これは、4VKを搭載し+2000となったキハ28に該当する姿です。このキハ28 72のように4VK冷房発電セットを搭載しなかったキハ28についてはキハ58と同じ配電盤が取り付けられ、当然端面の出っ張りもキハ58と同じです。しかし、模型では+2000番と同じ妻板を使ってしまっています。これはエラーになります。なんでKATOさんキハ58の妻面の金型あるのにこれを使わなかったの???? あぁ、何という残念な…。

 

キハ58・28の非冷房車の妻板はロストワックスのパーツで発売されていますが、冷房車の妻板は見たことがありません。本当に真面目にこだわるなら、キハ58冷房車の妻板と交換する必要があります。しかしそのためにキハ58を廃車にするか、キハ53に改造するかしかありません。せっかくこんな面白いタイプを模型化したのだからもう少し気にして欲しかったです。私は諦めてそのままにしておくつもりです。

 

↑初心者でこれを買って鉄道模型をスタートするマニアックな人はどれくらいいるのでしょうか?? ちなみに私が生まれて初めて買った鉄道模型はDE10とオハフ33の樽見鉄道セットでしたが。。。

 

↑編成例としてまず「みささ」とあります。

 

すってーん

 

と転びそうになりました。キハ58 303+キロ28 2196+キハ28 72で「みささ」にしろと。いやーちょっと無理があるのでは。

 

以前もご紹介しましたが、

 

キハ58 303 生誕から国鉄末期の廃車まで高松を離れなかった四国生え抜き車

キロ28 2196 生誕から国鉄末期の廃車まで美濃太田を離れなかった名古屋地区生え抜き車

キハ28 72 千葉生まれで1975年の房総電化で敦賀へ転じ、1980年には敦賀担当急行が冷房化され九州竹下へ転じ普通列車に使用され、国鉄末期に廃車。

 

となっていて、各車ほとんど接点がありません。編成をばらして他の急行編成に突っ込むのが良いでしょう。

 

ということで、少々辛口になってしまいましたが、KATOさんのキハ58系シリーズは完成度が高く細かいことは気にせずガンガン走らせましょうということでしょう。この3両のみで走らせるということも少ないでしょうから、単品や非冷房のセットの車と組み合わせて色々な編成を楽しむのが良いかと思います。今までも当ブログでキハ58系急行の編成をご紹介していますが、比較的編成が固定されている電車と異なり、気動車は1両単位の増結は日常茶飯事で、また特に冬季は冷房車が指定されているところへ非冷房車が入ったり、非冷房車の編成にクーラー停止して冷房車が混じったり、キハ28の代わりに58が入ったり、はたまた車両の向きなんかは組成のたびに変わります。そのため、あまり細かいことに拘らずに自分だけの急行編成を楽しむのがキハ58系の醍醐味でしょうね。まぁ私は細かいところが気になってしまいますが。。。

 

まぁこのスターターセットはネタとなる車両を提供してくれたという意味で非常に意義があるものでした。欲をいうとこのセットのみならず、もっと安定的に入手できるようにしてほしいですね。

 

是非私のホームページ

 

http://kami-kitami.sakura.ne.jp/index.html

 

にも各車の解説がありますのでご覧になってください。