ですが、スクナビコナさまを主祭神となされるお社は関東近郊ではなかなか、ございませんのも事実でして、大抵は年に数回、甲州昇仙峡奥、金峯山におわします金桜神社さまへお参り致しております。
特に「金の花咲く金桜神社」と称される通り、晩春に咲く里宮境内のご神木「鬱金の桜」は実に華やかでいて清々しい桜花で一見の価値あり、もう見事!の一言に尽きます。
そして、最近、やっともう一社、スクナビコナさまを主祭神としてお奉りなされる、お社を見つけました。
それも太古の昔、供に汗水を流しながら日本の国土開発に尽力なされた真の盟友、大己貴命さまとダブルネームでお奉りなされております、大洗磯前神社でございます。
スクナビコナさまは国土の完成を見届けることなく天津国へお帰りになられ、一柱残されたオオナムジさまは単独でこの大任を全うされました。
そして、それからずっと長い年月を経た後、戦乱の絶えない世となり「人の子」らが心底困り果てている姿に打たれ、再度、二柱おそろいになって現世へ降臨成された地が、この大洗磯前神社前に広がる神磯の浜でございます。
2018/02/24撮影 茨城大洗 神磯と磯鳥居

二柱の神様方はこの磯の2つの岩へ、ご降臨されたと言うことですので、この磯岩は神聖地とされて岩に登ることは止められておるようです。波打ち際にはこの磯が真に神聖な場所であることを示す神磯鳥居が建てられています。
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撮影致しました時はすでにお日様が高く昇っておりましたが、太平洋の海原からのご来光をこの神磯で遙拝出来る機会がありますれば、是非、お伺い致してみたいと思うほど見事な景色でございます。
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実は近年、この鳥居の秘めたるパワーが明らかになる事象がございました。東日本大震災の発震により海上で生じた大津波は、この大洗の地にも5~6mという高さで「黒い水壁」となって押し寄せたそうです。目撃された方の証言によると、この鳥居と神磯も一瞬にして大津波に飲み込まれ、見えなくなってしまいました。大津波による周辺各地の大被害はもとより、神社本体にまで度重なる本/余震は甚大な被害を生じさせていましたが、海波が落ち着き、やがて穏やかな海に戻ると神磯鳥居はこの場所に何事も無かったように、以前のまま立ち続けていた、と言うことです。驚嘆すべき事実だ、とまたひとつ伝説がこの神磯鳥居に加わった瞬間でした。
〃 神社境内 和船?奉納の碇群

〃 楼門前境内から太平洋を望んで撮影

この地に、このお社がおわしますにふさわしいロケーションだなぁ、と心底感じてしまいます景色です。神磯がここにあり、この海食崖上の丘がこの場にあった、そこへお社を奉ったということが必然以外の何物でも無い、ということが、皆様もこの景色をご覧になれば、ご納得がなされるのではないでしょうか。
〃 参道階段上境内地と楼門

〃 楼門正面彫刻

神社の楼門には大抵の場合この軒飾りには狛犬様が彫刻なされておる場合が多いです。このお社の彫刻もてっきりそうだと眺めておりましたら、どうも雰囲気が違います。昔はしっかりと狛犬様が彫られていて、長い間の海風の風化でこのような形になったのかな?とも思いましたが・・・。
〃楼門正面彫刻UP

〃 本殿裏 白梅

拝殿で神様方にお参りさせていただきまして、摂社末社の神様方へご挨拶致しつつ、ご本殿を瑞垣外から拝見して、ちょうどご本殿の真裏へと回りましたら白梅の花が綻んでおりました。ご本殿の建物をそのまま、撮影させても戴いたのですが、こちらの方が神様方もお慶びになりそうな景色ですので、こちらを掲載。
〃 拝殿前境内 白梅&紅梅

流石、水戸は梅の名所です。こちらのお社にも由緒あると思われる古木の紅白梅が対で植えられています。なかなかに華やかで、渋く落ち着いた社殿に背景の青空と供に良くマッチ致しておりました。
〃 神磯と大洗港遠景と太平洋

あの大震災で東日本の太平洋岸におわします神様方は、「人の子」とその生活や生業の全てを守るために、持てるお力の全てを使われて、あまりにも大地の破壊エネルギーの大きさにあがらいきれず疲弊しきってしまっておられるとのことです。今やっと、少しずつですが、お力の回復の兆しが見えてきた所だと識子さまが申しておられました。
こちらのお社も既存のものの修復は終了し、さらに新たに御社殿の新築を行っておられるようで、このまま、神様方のお力が早く元通りになられれば良いな、と思います。これから記述致します、笠間のお稲荷さまも津波被害はございませんでしたが、地震被害は少なからずありましたようで、お近くには未だに鳥居が崩壊して復旧成されないままのお社も見受けられました。
仏様と異なり、神様方は「人の子」の生き死にには関与なさることはなさいませんし、出来かねるとのことです。ただ、そのようなお立場でも、できうる限りのお力を尽くして「人の子」をお救いしようと尽力されて、結果、お力及ばず、残念ながら犠牲になられた方々へは、神様方は未だにひどく悲しい思いをされていると思います。
残念ながら、我々「人の子」の力では神様方のお力を回復させるような、お力添えは出来かねるようですが、せめて、お社へお参り申し上げて、日頃の感謝の意を伝えて差し上げることだけでも、悲しい思いを抱いたままでおられる神様方を少しでも元気づけ、お慶びなさしめて差し上げることは出来ると小生は思います。その話を伺いまして、今年は田舎への帰省時には、海岸沿いのお社でお参り致してきたいと考えておる次第です。
さて、大洗から那珂湊を経て、件の海浜温泉でひとっ風呂浴びた後、笠間のお稲荷さまへ直行しました。本当は、一寺、観音さまを詣でる予定でしたが温泉なんぞへ浸かってしまい、時間がおしてしまいまして。観音さま、申し訳ありませんです・・。
2018/02/24撮影 茨城笠間 笠間稲荷大社一の鳥居とご門前

〃 楼門

笠間のお稲荷様はご本殿以外は全て現代の建物です。ただ、スケールが大きいので、流石、笠間のお稲荷さま、たなぁ~と。ちなみに一の鳥居から楼門までの間はミニサイズですが仲見世商店街がございまして、ちょっと面白いです。お稲荷さまの門前町らしく本格的な神社グッズを扱うお店もございます。祠社から神具まで、ここなら、一通り揃いそうです。
〃 拝殿

楼門を潜り拝殿でお参り申し上げ始めましたら、ご祈祷が始まりました。大太鼓の響きと打ち方はお稲荷さま仕様のようで、始めて聞かせていただきました。有り難いです。
〃 拝殿神具 鳩?と竜

〃 本殿裏 壁面彫刻

拝殿前にはこれも古からあります藤の古木が大切に植えられておりまして、社殿の丹塗りの色合いと相まって開花の季節には本当に見事な景色となることでしょう。写真、撮らせて戴きたいです。是非・・・。
お参りを終えて、昼飯を食していないことに気づき、ご門前で何か食そう思いましたが、お稲荷さまへ詣でたこともありますし、ここは一つ、やはり「稲荷寿司」でも、と探しましたら鳥居の真ん前に、いなり寿司を売られているお店がありまして、迷わずチョイス。5個入りと3個入りがありまして一個150円です。昔なら、間違いなく5個入りでしょうが、大ぶりなので3個で我慢。流石に本場!?のいなり寿司。ああ~、やっぱり違うなぁ~と思いつつ。あっという間に完食して、最期の訪問予定地、至近の観音様へと向かったのでした・・・。