新年をおめでとうございます、と祝うことも、健康で1年を乗り越えて、元旦に生きて会うことができたことに対して言っているようです。
昨年は天災、人災、事件、事故、長野県での地震、御嶽山の噴火、広島の土砂災害など吹き荒れた1年でした。
また遠い国の病気と思われたデング熱、エボラ出血熱というウイルスが、日本でも話題になったことは、これからの日本の健康課題の一つととらえていかないといけないように思います。
身近な事件や事故、そしてニュースになるようなことに巻き込まれず、健康でいることがどれほどありがたいか。
昨年話題になったエボラ出血熱。
これは、エボラウイルスという病原体で、感染症の中でも危険度がもっとも高いⅠ類感染症に分類されます。
感染すると2~21日の潜伏期の後、突然の発熱、頭痛、倦怠感、筋肉痛などを発症し、嘔吐、続いて下痢、腹部痛、出血などの症状が現れます。
空気感染はしませんが、感染力、増殖力は非常に強く、致死率が50~90%に及ぶと言われています。
もともとの感染源は、熱帯雨林にいるコウモリなどの野生動物が有力とされていて、かまれたサルや家畜から人に伝染します。人から人へは、感染者の体液との接触でひろがります。
アフリカの一部の地域では、感染源である野生動物を殺して食べたり、死者の体を家族が手で洗う風習があり感染者のこれらの風習が感染拡大の原因となりました。
医療関連感染、2次感染も発生していて、感染者の体液や使用器具への接触などが原因と考えらえています。
WHOは、流行地でエボラ出血熱に感染するリスクが高い集団を次の通りとしています。
●医療従事者
●患者の家族、近親者
●埋葬時の葬式の一環として遺体に直接触れる参列者
●熱帯雨林で動物の死体に直接触れる狩猟者
現在、エボラウイルスに対して許可されたワクチンはありません。そのため、解熱剤や鎮痛剤の投与、食事や点滴の投与をしながら自然回復をまつしかないのが現状です。
感染拡大の予防として「発生地域に近づかない」「野生動物の肉を食さない」「防護具で全身を覆う」「皮膚を露出させない」などの徹底が重要です。
エボラ出血熱の致死率が高く、感染拡大が止まらないため、未承認ですが、日本の抗インフルエンザ薬「アビガン」とアメリカ合衆国の抗エボラウイルス薬「ZMapp」が使用されています。