高齢社会となりつつある日本。一見、活力を失いつつあるかと思えばそうではないようである。
高齢であっても、健康寿命をできるだけ引き上げる努力をしていけば、地域の活力、しいては日本の未来につながるものであろう。
ただ、長生きを願うばかりだけでなく、いかに現役時代から老後の健康を意識して健康管理をするかということも大切なことである。
理想だけでなく、今の状況をみてみれば、家族が病気で介護状態となり、長く直る見込みのない介護を日々送っている実態はこれから先も増えてくるだろう。
家族は介護につかれ、自分の人生を謳歌できないと嘆く人もいる。
しかし、介護が自分の人生の一部と捉えている人はそこに喜びもあるであろうが。
だんだんと苦痛となり、肉体的、精神的に負担は増えてくる。
介護される側に心が寄り添わなくなってくる。
そうなると家族の絆、今まで受けた恩すべてをわすれストレスとなる。
この負担を少しでも軽減するのが「介護の社会化」だ。
公的介護保険を利用して介護を外部に委託することで、かなりの家族の負担は抑えられる。
金銭的な負担は多少あるものの、自分の時間をつくるためであれば、それほど高いとはいえない。
介護事業業者も多く、専門のアドバイスを受け、任せてみるのも方法だ。
一方、介護事業者の介護職は人材が足りないようだ。しかも業務はかなりきついと聞く。定着率の低さ、人員のサイクルが早い。
朝早くから遅くまで、その善意で介助する仕事も限界があろう。
これから先の高齢社会では、ますます公的介護保険を活用する人も増えることが予想される。サービスを提供する側の職員の環境整備が急務である。
定着率があがえれば、技術や心得も継承しやすい。
それが大家族であったころの相互扶助の精神へとつながり、地域もより暖かい町つくりとなっていくことだろう。
いずれにしても、介護されないための体つくりと健康管理とともに、介護される側、する側の気持ちにたった体制の確立をめざさなければならない。