虫歯と、歯周病の予防にはホームケアとプロフェッショナルケアの両立が必要です。今回はホームケアについて。
家庭におけるホームケアをいくつか見てみましょう。
①唾液の役割を引き出す。
細菌やウイルス感染から歯と口腔を守るために、唾液は重要な役割を果たしています。特に、酸を中和する緩衝作用は、歯の表面が溶け出してできた微小な穴を再石灰化してくれます。しかし、その量や能力には個人差があります。
その為、唾液の状態（分泌量、粘度、緩衝能力）を調べ、虫歯になりやすい環境を改善することが必要です。
②食習慣を改善する。
１）間食を減らす
食事回数が多ければ、脱灰時間が長くなり、再石灰化される余裕がないため、虫歯のリスクは増大します。
間食を減らし、再石灰化に時間を確保しましょう。
夜食も控え、特に就寝２時間前には糖分を口にしないことが大切です。
２）糖分を頻繁に摂取しない。代用糖を活用する。
糖分の入った飲食物をだらだらと口にすることが一番よくありません。水分補給のためのスポーツドリンクも糖分が多いという点で注意が必要です。
また、砂糖だけでなく、炭水化物、フルーツもＭＳ菌の栄養となるので注意です。
代用糖のキシリトールは、まったく酸をつくらない甘味料で、しかもＭＳ菌に無駄働きをさせて数を減らす作用があります。
長時間続けてキシリトールを食べ続けていると、ネバネバを出したり酸を出したりするＭＳ菌の性質が変わってしまうというメリットもあるようです。
甘いもの好きな人はこのような甘味料を上手に利用するといいでしょう。
③酸蝕症に気をつける。酸蝕症とは、歯が科学的に溶ける現象です。炭酸水、ビタミンＣ剤、レモンなどの酸を長時間慢性的に歯面に接触させていると、脱灰がすすんで歯の表面が溶ける酸蝕症を招きます。
④しっかりブラッシングする。
頻繁に歯を磨いていても、ＭＳ菌や歯周病菌、歯垢がその都度のこっているとこれらが再増殖して虫歯や歯周病がなかなか改善しません。しっかりと歯を磨いて予防しましょう。
⑤起床時に舌を洗う。専用器具で舌苔を落とす。
歯を磨くのと同時に、口臭の原因となる舌苔も除去します。舌苔を除去すると口腔内全体の菌数が激減し、みるみる歯周病が改善します。
⑥殺菌性のうがい薬を使う
歯磨きや舌苔を除去した後にうがい薬を使うと、機械的に破壊された細菌の巣から出てきた浮遊細菌を殺菌してくれます。