3日は、前回いけなかった友ヶ島に行くことになった。行程は子供たちが考えている。私はついていくだけである。
ただ、時間の概念が私たちと違うのが面白い。
最初の計画では
①家から加太港まで行く。
②11時発の船で友ヶ島に渡る。
③13時30分の船で加太に戻る。
④加太の港のちょっといい感じの店で昼食。
⑤和歌山城か、生石高原に行く。
ということであった。
私としては弁当を持っていったら帰りの船は15時30分があるので島でゆっくりできると思うのだが、寒空の下弁当を食べるのは老妻も子供たちも思いつかないらしい。ここは合わさねばならない。昼食はどう考えても15時ぐらいまでかかるみたいなので⑤は無理みたいだと伝えるとこれは了承してくれて昼食後は帰路につくことになった。
高速を順調に走り加太港に10時過ぎに到着。港に車を止めると漁業組合の人が駐車料金を取りに来た。
田舎にしてはなかなかの値段だ。乗船券売り場もこじんまりとしている。往復2200円。定員は100人となっているが小さな船である。大丈夫かと心配になる。
乗船前には結構行列ができていた。席についたら後ろのデッキにもいたみたいだ。外は寒いだろうな。20分ほどで友ヶ島に到着する。島は和泉層群からできている。礫岩や砂岩、砂岩泥岩互層からなっている。
こういう物をじっくりと見てみたいが今日は我慢する。子供たちの目的地は前回行けなかった「第3砲台跡」である。山の上にある。山道の登りを私はすたすたと登る。子供たちは老妻をいたわってゆっくりと同じペースで登る。偉いものだ。道端には黄色い花がたくさん咲いている。ナルトサワギクと言うらしい。「鳴門」とついているが特定外来生物に指定されているという。いたるところに咲いている。
この樹皮はなかなか面白い。リスが齧った跡だという。この島はリスやシカがたくさん生息しているという。
道端に穴が開いてある。身の軽い息子が覗きに上がる。私はその間礫岩や砂岩を眺めていた。
少し登ると紫色の実がたわわになっている。葉は少し柔らかめだ。ヤブムラサキに似ているがそれより葉は固い感じ。トサムラサキというらしい。和歌山県の絶滅危惧種というが結構元気に生えている。
山の上に出てすぐに第3砲台跡の入り口がある。
両側の石垣は和泉層群の砂岩からできていた。奥が将校の宿舎である。
年月を感じさせるものがある。
砲台は中に入ることができる。暗いので懐中電灯が必要だ。
中の壁にはカマドウマがたくさん引っ付いている。カマドウマファンにはたまらない空間である。娘と老妻は逃げ腰になっていた。カマドウマにしたら人間が来たら明かりを照らすし、うるさいいしで迷惑だろうな。
これが砲台の後みたいだ。何か所か2つセットで設置されている。
ここを抜けたらタカノス山展望台だ。
奥には一等三角点がある。家族は全く興味を示さない。私だけがさすさすしていた。
ここからは海の眺めが素晴らしい。釣り船が密集しているのが見える。
ここで息子がリュックからドローンを取り出した。砲台跡を上空から取るという。見ているとおもちゃみたいなものだが力強く飛び上がる。思ったよりはるか高くまで上がっていた。よく操縦不能にならないものだと感心した。ここで時間が迫ってきたので下山する。
面白い実がなっている。多分クチナシだろう。
花壇にあったら分かるが野生化していると分かりにくい。
下りで砂岩にソールマークがあったがゆっくりと観察する時間はなかった。まあ、和泉層群の観察ならここに渡らなくても加太の海岸で見られる。
30分前に港に到着。すでに10人ほどが並んでいる。トイレに行き、下を見るとたくさんのエビフライが転がっている。いいお土産ができた。
エビフライを持って列に並ぶ。列の横には砲弾が置いてある。こんなのが当たったたら痛いだろうな。
13時30分までに列は伸びて多分後ろの方の人は乗れなかったみたいだ。早く着いていてよかった。
無事に加太港に戻り昼食場所へ行く。3時に昼営業を終えるという。あと1時間だ。何とか店に入り大量の魚料理をいただいた。店の中は撮影禁止ということで写真はないがアルコールが飲めないのが残念であった。