箕面の滝まで地質観察 | カメポンニュの足跡

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関西がホームグランドです。自転車や徒歩、自家用車であちらこちらを本能のままうろついています。

 11月3日(日)。大阪自然史博物館と地団研大阪支部合同の地質観察会があった。久しぶりに参加する。今回は箕面駅に10時集合となっている。阪急電車でもいいが天気がいいので自転車にする。猪名川を上り池田から五月山の山すその道を東進し箕面駅に向かう。猪名川のサイクリングロードは神津大橋から桑津橋の間がちょっと凸凹とした舗装でスピードを出しにくい。

ここを越えてしばらくいくと、大阪空港の離陸ポイントに出る。日曜日とあり沢山のカメラマンがいた。皆さん、とてもお好きそうだった。

 箕面駅が集合地ではあるが、滝道は自転車の通行が禁止されているので一の橋にある無料駐輪場に止める。管理人さんに聞くと押して歩くのはいいが歩行者が多いので大変だということだ。また、滝から登った所にある府道は勝尾寺方面が通行止めだそうだ。親切な人である。

 今回の案内人たちとは古くからお付き合いさせてもらっている。最近は参加していなかったので久しぶりの再会である。当たり前だがお年を召されている。でも、元気さは衰えていない。パワフルな人たちだ。10時に石橋駅からの電車が到着して参加者がそろった。今日の予定を聞いて最初の観察点に向かう。滝道は観光客でいっぱい。入ってすぐのところに無料の足湯があった。駅前の足湯は有料なので無料というのが輝く。

ここからしばらく行くとチャートと泥岩の互層がある。チャートは放散虫というプランクトンの遺骸のかたまりである。1000年で1mm積もるとされている。泥岩層の部分は放散虫がほとんどいなかったことを示している。気候変動の影響だろう。

このあと、昆虫館の手前に行く。断層が野村泊月の句碑の後ろにある。かってはネットがなく直接断層粘土を触れたが今は無理・・。よく見たら断層の感じはわかるかな?

この断層の延長が川の対岸に見える。動いた部分は粘土化して削られやすいのでくぼんでいる。

  昆虫館を過ぎ、龍安寺を過ぎる。寺社の好きな人なら寄ると思うがわれわれはスルー。そして、貫入岩体がある露頭に着く。10m以上の幅がある。風化した面は赤色になるので「箕面の赤石」と呼ばれている。私が学生の頃にここを調査したのだが、この岩石は「石英斑岩」と区分していた。今回の説明では「花こう斑岩」に区分していた。まあ、似たようなものである。ここの岩石は石英のサイコロ状の結晶が特徴的である。高温型石英という。このほか、斜長石らしき白い鉱物も見られた。説明ではカリ長石となっていたが特徴的ではなかった。冷却してできた節理についても説明があった。柱状になっているということで説明されたがはっきりとはわかりにくかった。こういう個所もよくあることである。

 落合橋を渡って休憩所のところを川に降りる。河原で昼食。昼食後に地形図を眺めて、このあたりに五月丘断層があるという説明があった。地図を見慣れていない方にとってはわかりにくいと思われるが、私にはよくわかった。右ずれ断層である。

 ここから山道を進む。途中に「ライオン岩」。パっとわかる人と、いまいちな人がいる。同じものをみても感性が異なる。

ここから登り路になる。黙々と上る。登り切ったあたりにあるのが「メランジェ」である。私は「メランジュ」という。人によっていろいろな発音をするが同じものを指す。プレートの上の堆積物が沈み込むときに陸側にはがされて引っ付く。この引っ付いた地質体を「付加体」という。はがされるときに堆積物がぐちゃぐちゃに混ざったものがメランジェである。引き延ばされてぶつぶつになった岩石が見える。白く出っ張った部分は砂岩でくぼんでいる部分は泥岩である。ぶつぶつにちぎれた砂岩が見える。

 唐人戻岩のあたりにも岩脈がある。これもネットがあり観察しにくい。前の岩脈と違って流れたような模様がみられる。これは、流紋岩である。

この岩体を観察したら滝道と合流する。少し進むと花こう斑岩の岩脈がみられる。河床から対岸に続いているのが見える立派な岩体である。河床の岩体を観察すると柱状節理らしきものが何本も見える。

ここからすぐに箕面の滝に着く。すごい人である。
この写真ではわからないが日本語以外の言語が飛び交っている。滝の手前の茶屋では電子マネーが普通に利用できる。すごいことになっていた。
これが箕面の滝である。滝は緑色岩という岩石からなる。滝の上部は砂岩が分布する。これらはかたい岩石である。それに対して今まで歩いてきた下流側では泥岩が広く分布する。これは比較的柔らかく浸食されやすい。箕面の滝は岩石の硬さの違いによって生まれたものである。
何十年ぶりかの滝道であった。久しぶりの岩体を観察することができた。