〈2011年5月18日改訂〉




【顔面~側頭部】(上 → 下、内側 → 外側)

■ 懸顱(けんろ)
『頭部、頭維(ST8)と曲鬢(GB7)を結ぶ(側頭の髪際に沿った)曲線状の中点〈「WHO/WPRO標準経穴部位」〉』
〈「新版 鍼灸臨床取穴図解」北京中医学院編〉には記載なし。
『米噛の筋肉の最も固い部分〈「眼の疲れをとるツボの本」芹澤勝助著〉』

■ 陽白(ようはく)
『頭部、眉の上方1寸、瞳孔線上。〈「WHO/WPRO標準経穴部位」〉』
『本穴は眉毛の中央と髪のはえぎわとをむすんだ線の三分の一のところにある。病人に正視させるとこの陽白穴は瞳孔の真上になる。〈「新版 鍼灸臨床取穴図解」北京中医学院編〉』
『まっすぐ前を見たときの、瞳孔の真上、眉毛より約二センチ上がったところ〈「眼の疲れをとるツボの本」芹澤勝助著〉』
『正面を向いたとき、瞳の真上で、眉毛から親指一本分の幅のところ〈「眼はこのツボでよくなる」小杉喜一郎著〉』
『前額部、眉の上方一寸のところにある。〈「近視追放 中国式・目の体操」本多傳著〉』

■ 印堂(いんどう)
〈「WHO/WPRO標準経穴部位」〉には記載なし。
『両眉毛の内側の中間にある。〈「新版 鍼灸臨床取穴図解」北京中医学院編〉』
『左右両方のまゆのまん中〈「眼の疲れをとるツボの本」芹澤勝助著〉』
『印堂穴は両眉毛の中間。〈「近視追放 中国式・目の体操」本多傳著〉』

■ 太陽(たいよう)
〈「WHO/WPRO標準経穴部位」〉には記載なし。
『眉毛の外側の端と目じり(眼外角)との中間点から約一横指ほどのところが、この太陽穴である(左右で二穴ある)。「新版 鍼灸臨床取穴図解」北京中医学院編〉』
『まゆ毛の外側と外目尻の間〈「眼の疲れをとるツボの本」芹澤勝助著〉』
『眉尻と目尻の中間から、やや後ろへいったくぼみ〈「眼はこのツボでよくなる」小杉喜一郎著〉』
『太陽穴というのは、ずばり、こめかみ(目と耳の間にあって、物を咬むと動く部分)のこと。〈「近視追放 中国式・目の体操」本多傳著〉』
※〈「ツボと日本人 東洋動作学への道」蓑内宗一著〉にはp.272に『霞のツボ(太陽)』という記載があり、p.395では兵法系のツボと医療系のツボの対照表で『兵法系:霞(かすみ)=医療系:懸顱(けんろ)』と記載されています。〈「活殺法の秘奥」サイード・パリッシュ・サーバッジュー著〉でもP.64に『霞(カスミ) 位置:こめかみ 経穴名:懸顱(ケンロ)』と記載されています。「太陽」という経穴の名称は、日本古武道の人体急所図では用いられていないが、中国武術の古典の点穴図(攻撃用のツボを記した図)では普通に用いられています。中国医学の「懸顱」=中国武術の「太陽」=日本古武道の「霞」ということでしょうか?「懸顱」の位置は『頭部、頭維(ST8)と曲鬢(GB7)を結ぶ(側頭の髪際に沿った)曲線状の中点〈「WHO/WPRO標準経穴部位」〉』とあるので、〈「新版 鍼灸臨床取穴図解」北京中医学院編〉や芹澤氏・小杉氏・本多氏の説明による「太陽」の位置よりも後上方にあります。これは、おそらく日本武道医学の系統の人たちが、兵法系(日本古武道)の急所(灸所)を、WHOにより標準化された361の経穴に無理やり対応させたために、誤ったものだと考えます。中国医学の「太陽」=中国武術の「太陽」=日本古武道の「霞」というのが正解ではないでしょうか。
※〈「視力回復ツボ刺激で眼がみるみるよくなる」佐藤信雄著〉にはp.154に『それから忘れてならないのが「太陽」。これは、奇穴で、経絡上にはありません。発見も比較的新しく一九七○年代に中国で発見されました。場所は目尻の外側のこめかみの窪みの部分です。』と記載されています。これについては、「太陽」が奇穴であることはわかりますが、「太陽穴」という経穴名は中国武術の古い点穴図では普通に用いられていますので、一九七○年代に発見されたというのは?です。

■ 攅竹(さんちく)
『頭部、眉毛内端の陥凹部。 注:前頭切痕の陥凹部は、晴明(BL1)の直上、眉毛内端に触知できる。〈「WHO/WPRO標準経穴部位」〉』
『このツボは眉毛の内側の端から、眉毛に約一分ほど入ったところにある。〈「新版 鍼灸臨床取穴図解」北京中医学院編〉』
『まゆ毛の内側の端のくぼみ〈「眼の疲れをとるツボの本」芹澤勝助著〉』
『眉毛の内側の端。目頭から上へ押していき、痛みを感じるところ。〈「眼はこのツボでよくなる」小杉喜一郎著〉』
『眉の内側端の上に位置する。〈「近視追放 中国式・目の体操」本多傳著〉』

■ 魚腰(ぎょよう)
〈「WHO/WPRO標準経穴部位」〉には記載なし。
『眉毛の中間で、瞳孔の中心から真上のところにある。「新版 鍼灸臨床取穴図解」北京中医学院編〉』
『眉毛の中央。正面を向いたとき、瞳のちょうど真上。〈「眼はこのツボでよくなる」小杉喜一郎著〉』
『魚腰穴は眉毛のちょうど中間にある。〈「近視追放 中国式・目の体操」本多傳著〉』

■ 糸竹空(しちくくう)
『頭部、眉毛外端の陥凹部。 注:瞳子髎(GB1)の直上にある。〈「WHO/WPRO標準経穴部位」〉』
『本穴は眉毛の外側から、眉毛に少し入ったところにある。〈「新版 鍼灸臨床取穴図解」北京中医学院編〉』
『まゆ毛の外側を指で上下に動かしたときに、骨の小さなくぼみにふれるところ〈「眼の疲れをとるツボの本」芹澤勝助著〉』
『眉尻のくぼみのところ。眉尻から指をすべらせ、骨のくぼみを探す〈「眼はこのツボでよくなる」小杉喜一郎著〉』
『糸竹空穴は眉の外側端から外側五分のくぼんだところ。〈「近視追放 中国式・目の体操」本多傳著〉』

■ 天応(てんおう)
〈「WHO/WPRO標準経穴部位」〉には記載なし。
〈「新版 鍼灸臨床取穴図解」北京中医学院編〉には記載なし。
『天応穴(てんおうけつ)とは、眉毛(まゆげ)の発端部分から二~三ミリ下方へさがった、眼窩(がんか)(眼球の入っている穴)の骨の内側のカドの、少しへこんだ個所をさす。ここは前頭切痕(ぜんとうせっこん)といって、三叉神経からわかれる前頭神経が通るところである。〈「近視追放 中国式・目の体操」本多傳著〉』
※「日本国語大辞典」には『てんおう-けつ【天応穴】〔名〕鍼灸の治療点で、阿是穴(あぜけつ)ともいう。経絡に関係なく、患部の圧診により随意に決めた治療点。』とあり、天応穴とは奇穴のことを意味する用語で、特定の経穴(ツボ)の位置を意味するものではないようである。

■ 晴明(せいめい)
『面部、内眼角の内上方と眼窩内側壁の間の陥凹部。 注:目を閉じたとき、内眼角の内上方0.1寸の陥凹部にある。〈「WHO/WPRO標準経穴部位」〉』
『このツボは眼の内角から外へ一分、そこからさらに一分上ったところで、眼窩の骨の内縁に近い場所にある。〈「新版 鍼灸臨床取穴図解」北京中医学院編〉』
『内目尻と鼻のつけ根の間。指を当てて上下に動かすと、鼻の奥に鈍い痛みが走る〈「眼の疲れをとるツボの本」芹澤勝助著〉』
『眼を閉じたとき、目頭の高さで、やや鼻よりにあるくぼみのところ〈「眼はこのツボでよくなる」小杉喜一郎著〉』
『目がしらと鼻根(鼻のつけ根)のあいだのくぼみ〈「近視追放 中国式・目の体操」本多傳著〉』

■ 瞳子髎(どうしりょう)
『頭部、外眼角の外方0.5寸、陥凹部。〈「WHO/WPRO標準経穴部位」〉』
『本穴は眼じりから五分離れたところにある。〈「新版 鍼灸臨床取穴図解」北京中医学院編〉』
『目尻から外側へ親指幅分のところにある骨のくぼみ〈「眼の疲れをとるツボの本」芹澤勝助著〉』。

■ 承泣(しょうきゅう)
『顔面部、眼球と眼窩下縁の間、瞳孔線上。〈「WHO/WPRO標準経穴部位」〉』
〈「新版 鍼灸臨床取穴図解」北京中医学院編〉には記載なし。
『目のふちの、瞳孔のすぐ下〈「眼の疲れをとるツボの本」芹澤勝助著〉』
『正面を向いたときの瞳の真下、眼球と眼窩(眼のまわりの骨)の間〈「眼はこのツボでよくなる」小杉喜一郎著〉』

■ 迎香(げいこう)
『顔面部、鼻唇溝中、鼻翼外縁中点と同じ高さ。[別説]顔面部、鼻唇溝中、鼻翼下縁の高さ。〈「WHO/WPRO標準経穴部位」〉』
『鼻翼外縁の中点と鼻唇溝(鼻の両側のみぞ)との中間がこの迎香穴である。〈「新版 鍼灸臨床取穴図解」北京中医学院編〉』

■ 四白(しはく)
『顔面部、眼窩下孔部。〈「WHO/WPRO標準経穴部位」〉』
『病人の両眼を正視させ、眼窩下から真下に約三分、ちょうど黒目の中心から真下に線を引き、指でおさえたところにくぼみがある(つまり目のふちの下のくぼみ)。本穴は、そのくぼみの中にある。〈「新版 鍼灸臨床取穴図解」北京中医学院編〉』
『ひとみの中央下のくぼみから、親指幅分下がったところ〈芹澤勝助〉』
『前方を正視したときの瞳、その下一寸(ほぼ三センチ)のくぼみが、すなわち四白穴である。〈「近視追放 中国式・目の体操」本多傳著〉』

【前頭部~後頭部】(前 → 後、内側 → 外側)

■ 頭維(ずい)
『頭部、額角髪際の直上0.5寸、前正中線の外方4.5寸。〈「WHO/WPRO標準経穴部位」〉』
『みけんから直上に髪のはえぎわから約五分入ったところを、左と右に線をのばし、耳の前にある“もみあげ”の毛の前から、真上にのばした線と交叉したところにこの頭維穴がある。〈「新版 鍼灸臨床取穴図解」北京中医学院編〉』
『前額の角(かど)で、頭髪の生えぎわ五分入ったところ。;頭維穴は額のかど前髪のはえぎわから五分のところ。〈「近視追放 中国式・目の体操」本多傳著〉』

■ 目窓(もくそう)
『頭部、前髪際から入ること1.5寸、瞳孔線上。〈「WHO/WPRO標準経穴部位」〉』
〈「新版 鍼灸臨床取穴図解」北京中医学院編〉には記載なし。
『耳の上端から親指を除く四本指の幅だけ上がったところ〈「眼の疲れをとるツボの本」芹澤勝助著〉』(※図と異なっているので?)
『瞳の真上で生え際から指二本分上〈「100歳まで生きる眼のツボ療法」青柳修道著〉』

■ 百会(ひゃくえ)
『頭部、前正中線上、前髪際の後方5寸。 注1:前髪際と後髪際を結ぶ線上の中点の前方1寸にある陥凹部。 注2:耳を折り返したとき、両耳尖を結ぶ線の中点にある。〈「WHO/WPRO標準経穴部位」〉』
『この百会穴は頭のてっぺんにある。眉間の中心を上に一横指のところから、まっすぐ頭の後方の髪のはえぎわまでを結ぶ線の真中にある。〈「新版 鍼灸臨床取穴図解」北京中医学院編〉』
『頭のてっぺん。左右の耳たぶの上端を結んだ線の中心〈「眼の疲れをとるツボの本」芹澤勝助著〉』

■ 脳戸(のうこ)
『頭部、外後頭隆起上方の陥凹部。 注:後正中線の垂線と外後頭隆起上縁の水平線の交点にある陥凹部。玉沈(BL9)と同じ高さにある。〈「WHO/WPRO標準経穴部位」〉』
〈「新版 鍼灸臨床取穴図解」北京中医学院編〉には記載なし。

【耳の周囲~項部~肩甲部】(前 → 後、上 → 下)

■ 翳風(えいふう)
『前頸部、耳垂後方、乳様突起下縁前方の陥凹部。〈「WHO/WPRO標準経穴部位」〉』
『耳たぶを後におさえると、耳たぶの端が耳の後ろにある乳様突起の前下方のくぼみに当たる。このくぼみに本穴がある。このくぼみを指先でおさえると、のどがつまるような不快感を覚える。〈「新版 鍼灸臨床取穴図解」北京中医学院編〉』
『耳たぶと、乳様突起の間のくぼみ〈「眼の疲れをとるツボの本」芹澤勝助著〉』
『翳風穴は耳たぶのうしろ、乳様突起の前下方のくぼみにある。〈「近視追放 中国式・目の体操」本多傳著〉』

■ 瘈脈(けいみゃく)
『頭部、乳様突起の中央、翳風(TE17)と角孫(TE20)を結ぶ(耳の輪郭に沿った)曲線上、翳風(TE17)から1/3。〈「WHO/WPRO標準経穴部位」〉』
〈「新版 鍼灸臨床取穴図解」北京中医学院編〉には記載なし。
『瘈脈穴は耳翼(いわゆる耳の部分)のつけ根、耳孔のまうしろで、耳の辺縁から五分離れたところ。〈「近視追放 中国式・目の体操」本多傳著〉』

■ 翳明(えいめい)
〈「WHO/WPRO標準経穴部位」〉には記載なし。
〈「新版 鍼灸臨床取穴図解」北京中医学院編〉には記載なし。
『乳様突起先端の真下、耳たぶの下の線と水平の高さにあるくぼみ〈「眼はこのツボでよくなる」小杉喜一郎著〉』
『耳たぶのうしろ、乳様突起の下の陥没部分。〈「視力回復ツボ刺激で眼がみるみるよくなる」佐藤信雄著〉』

■ 完骨(かんこつ)
『前頸部、乳様突起の後下方、陥凹部。〈「WHO/WPRO標準経穴部位」〉』
〈「新版 鍼灸臨床取穴図解」北京中医学院編〉には記載なし。
『耳のすぐ後ろにある骨の出っぱりの下端から上へ親指幅分のところ〈「眼の疲れをとるツボの本」芹澤勝助著〉』
『「完骨」は耳を頭に押しつけたときの、耳の一番後ろのへりを縦に通る線と、耳たぶの下端とを通る横の線が直角に交わるところにある。〈「100歳まで生きる眼のツボ療法」青柳修道著〉』

■ 風池(ふうち)
『前頸部、後頭骨の下方、胸鎖乳突筋と僧帽筋の起始部の間、陥凹部。 注:風府(GV16)と同じ高さにある。〈「WHO/WPRO標準経穴部位」〉』
『首の後部の真中から髪のはえぎわ内に一寸入ったところと、耳の後にある乳様突起の下縁とを結んだ線の中間点に本穴がある。首の後部の太い筋(僧帽筋)の両側で、髪のはえぎわの内にあるくぼみがこの風池穴である。〈「新版 鍼灸臨床取穴図解」北京中医学院編〉』
『後頭部の、後ろ髪の生えぎわのくぼみ〈「眼の疲れをとるツボの本」芹澤勝助著〉』
『後頭隆起真下のくぼみと乳様突起のあいだ。髪の生え際のくぼみ〈「眼はこのツボでよくなる」小杉喜一郎著〉』
『頭のうしろで、頭髪の生えぎわの、くぼんだところ。〈「近視追放 中国式・目の体操」本多傳著〉』

■ 天柱(てんちゅう)
〈「WHO/WPRO標準経穴部位」〉には記載なし。
〈「新版 鍼灸臨床取穴図解」北京中医学院編〉には記載なし。
『後ろ頭の髪の生えぎわで、二本の太い筋肉の外側のくぼみ〈「眼の疲れをとるツボの本」芹澤勝助著〉』
『「天柱」は首の後ろの二本の太い筋が、頭蓋骨に接するところの、筋のすぐ外側。〈「100歳まで生きる眼のツボ療法」青柳修道著〉』

■ 肩中兪(けんちゅうゆ)
『上背部、第7頸椎棘突起下縁と同じ高さ、後正中線の外方2寸。 注:肩甲棘内端縁と後正中線を結ぶ線上で肩甲棘内端縁から1/3の垂直線と第7頸椎棘突起下縁の水平線の交点にある。〈「WHO/WPRO標準経穴部位」〉』
『肩外兪と同じ方法で、第七頸椎の下のくぼんだところをさぐることができ、そこから二寸(あるいは二横指)離れた個所が、この肩中兪穴である。〈「新版 鍼灸臨床取穴図解」北京中医学院編〉』
『首を前に倒したときに後ろに出張る突起(第七頚椎)の高さで、背中の中央線から指の幅三本分外側にある。〈「100歳まで生きる眼のツボ療法」青柳修道著〉』

■ 肩井(けんせい)
『後頸部、第7頸椎棘突起と肩峰外縁を結ぶ線上の中点。〈「WHO/WPRO標準経穴部位」〉』
『(1) この肩井穴は第七頸椎下と肩にある高く突起した骨(鎖骨肩峰端)と結んだ線の中間点にある。その真下に乳頭がある。 (2) 医者は手の掌後部(手首)の第一横紋を患者の肩甲棘の下縁にあてて、親指は第七頸椎下をおさえ、他の四本の指は一緒に肩の上にのせる。その時、人さし指は首にそい、中指はやや曲げ加減にすると、中指の指先が届いたところに、この肩井穴がある。〈「新版 鍼灸臨床取穴図解」北京中医学院編〉』
『首の根元から肩先までのちょうど真ん中。押すと後ろ首にひびくところ。〈「眼の疲れをとるツボの本」芹澤勝助著〉』
『首のつけ根と肩先の、丁度中間点にある。〈「100歳まで生きる眼のツボ療法」青柳修道著〉』
『後ろ首のつけ根と肩の先端を結んだ線の中間点が肩井の位置です。〈「視力がよくなる!目の体操」西田皓一監修〉』

■ 肩外兪(けんがいゆ)
『上背部、第1胸椎棘突起下縁と同じ高さ、後正中線の外方3寸。 注1:肩甲棘内側縁の垂線と第1胸椎棘突起下縁の水平線の交点にある。 注2:大杼(BL11)、陶道(CV13)および第1胸椎棘突起下縁と同じ高さにある。』
『病人を椅子に坐らせ、頭を低く下げさせる。首の後の真中から下に向かってさぐると、最も突起した脊椎骨、即ち、第七頸椎をさぐることができる。さらに下にさぐっていくと第一椎、即ち、第一胸椎をさぐることができる。第一椎の下の、くぼんだところ(つまり督脈の陶道穴)から横へ三寸(あるいは四横指)離れた個所がこの肩外兪穴である。〈「新版 鍼灸臨床取穴図解」北京中医学院編〉』
『「肩外兪」は肩甲骨の背側の上端のへりにある。;肩甲骨の内側上角のふち〈「100歳まで生きる眼のツボ療法」青柳修道著〉』

■ 天髎(てんりょう)
『肩甲部、肩甲骨上角の上方陥凹部。 注:上肢を下垂したとき、肩井(GB21)と曲垣(SI13)の中央にある。〈「WHO/WPRO標準経穴部位」〉』
〈「新版 鍼灸臨床取穴図解」北京中医学院編〉には記載なし。

■ 曲垣(きょくえん)
『肩甲部、肩甲棘内端の上方陥凹部。 注:臑兪(SI10)と第2胸椎棘突起を結ぶ線の中点にある。〈「WHO/WPRO標準経穴部位」〉』
〈「新版 鍼灸臨床取穴図解」北京中医学院編〉には記載なし。
『背中の肩甲骨の内側の上すみ。肩先から背骨に出っぱっている骨の内端から親指幅分上のところ〈「眼の疲れをとるツボの本」芹澤勝助著〉』

【背部】(上 → 下、内側 → 外側)

■ 身柱(しんちゅう)
『上背部、後正中線上、第3胸椎棘突起下方の陥凹部。 注:第3胸椎棘突起下の陥凹部は、後正中線と肩甲棘内端の水平線の交点にある。〈「WHO/WPRO標準経穴部位」〉』
『患者を椅子に坐らせ頭を下げさせる。本穴は、第三椎(第三胸椎)の下のくぼみの中にある。〈「新版 鍼灸臨床取穴図解」北京中医学院編〉』
『これは背中の中央にある。首を前に倒したとき、後ろに第七頸椎が突き出るが、その骨の出っ張りの下から胸椎となる。その胸椎の上から数えて三番目の突起のすぐ下のくぼみにあるのが「身柱」。〈「100歳まで生きる眼のツボ療法」青柳修道著〉』

■ 肺兪(はいゆ)
『上背部、第3胸椎(T3)棘突起下縁と同じ高さ、後正中線の外方1.5寸。〈「WHO/WPRO標準経穴部位」〉』
『この肺兪穴は第三椎(第三胸椎)の下にあるくぼみから、左右外へそれぞれ一寸五分のところにある。〈「新版 鍼灸臨床取穴図解」北京中医学院編〉』
『背中の第三胸椎棘突起のすぐ下から、左右両側へ二指幅分のところ〈「眼の疲れをとるツボの本」芹澤勝助著〉』

■ 膏肓(こうこう)
『上背部、第4胸椎(T4)棘突起下縁と同じ高さ、後正中線の外方3寸。 注:膏肓(BL43)と厥陰兪(BL14)は、第4胸椎(T4)棘突起下と同じ高さにある。〈「WHO/WPRO標準経穴部位」〉』
『この膏肓穴は、第四椎(第四胸椎)の下のくぼみから左右外へ向けて、それぞれ三寸のところにある。〈「新版 鍼灸臨床取穴図解」北京中医学院編〉』
『背中の第四胸椎棘突起のすぐ下から、左右両側へ四指幅分のところ〈「眼の疲れをとるツボの本」芹澤勝助著〉』

■ 肝兪(かんゆ)
『上背部、第9胸椎(T9)棘突起下縁と同じ高さ、後正中線の外方1.5寸。〈「WHO/WPRO標準経穴部位」〉』
『この肝兪穴は第七椎(第七胸椎)の下にあるくぼみから左右外へそれぞれ一寸五分のところにある。〈「新版 鍼灸臨床取穴図解」北京中医学院編〉』
『背中の第九胸椎棘突起のすぐ下から、左右両側へ二指幅分のところ〈「眼の疲れをとるツボの本」芹澤勝助著〉』

■ 脾兪(ひゆ)
『上背部、第11胸椎(T11)棘突起下縁と同じ高さ、後正中線の外方1.5寸。〈「WHO/WPRO標準経穴部位」〉』
『この脾兪穴は第十一椎(第十一胸椎)の下にあるくぼみから左右外へ、それぞれ一寸五分のところにある。〈「新版 鍼灸臨床取穴図解」北京中医学院編〉』
『背中の第十一胸椎棘突起のすぐ下から、左右両側へ二指幅分のところ〈「眼の疲れをとるツボの本」芹澤勝助著〉』

■ 腎兪(じんゆ)
『腰部、第2腰椎(L2)棘突起下縁と同じ高さ、後正中線の外方1.5寸。〈「WHO/WPRO標準経穴部位」〉』
『この腎兪穴は十四椎(第二腰椎)の下にあるくぼみから、左右外へ一寸五分のところにある。〈「新版 鍼灸臨床取穴図解」北京中医学院編〉』
『腰の第二腰椎棘突起のすぐ下から、左右両側へ二指幅分のところ〈「眼の疲れをとるツボの本」芹澤勝助著〉』
『ウエストがくびれているラインの高さで、背中の中央線から指の幅二本分くらい外へいったところ。〈「100歳まで生きる眼のツボ療法」青柳修道著〉』

【上肢】(近位 → 遠位、掌側 → 背側、内側[尺側] → 外側[橈側])

■ 臂臑(ひじゅ)
『上腕外側、三角筋前縁、曲池(LI11)の上方7寸。〈「WHO/WPRO標準経穴部位」〉』
『腕に力を入れると、肩の下に三角形の筋肉のふくらみができる。これは三角筋と呼ばれて、この下端の内側にかたよったところで、曲池と肩髃穴を結んだ線上に、この臂臑穴がある。〈「新版 鍼灸臨床取穴図解」北京中医学院編〉』
『腕を下げ、肘を曲げたときの三角筋の先端より、やや前方のくぼみ〈「眼はこのツボでよくなる」小杉喜一郎著〉』

■ 曲池(きょくち)
『肘外側、尺沢(LU5)と上腕骨外側上顆を結ぶ線上の中点。 注:肘を十分屈曲したとき、肘窩横紋外端の陥凹部にある。〈「WHO/WPRO標準経穴部位」〉』
『(1) 肘を直角に曲げる。肘の内側の曲り角の横紋の末端にこの曲池穴がある。 (2) 肘を曲げる。尺沢穴(肺経)と肘の突き出した高い骨(上腕骨外側上顆。中国名・肱骨外上髁)との中点にこの曲池穴がある。 (3) 肘をやや曲げる。肘の内側の曲り角の横紋の末端と、肘の突き出した高い骨との中点にこの曲池穴がある。〈「新版 鍼灸臨床取穴図解」北京中医学院編〉』
『ひじの親指側の曲がりめ。ひじを半分曲げたときにできるひじのくぼみ〈「眼の疲れをとるツボの本」芹澤勝助著〉』
『「曲池」は腕の外側にある。ひじを曲げたときにできる横じわの親指側の端がそれだ。〈「100歳まで生きる眼のツボ療法」青柳修道著〉』

■ 手三里(てさんり)
『前腕後外側、陽渓(LI5)と曲池(LI11)を結ぶ線上、肘窩横紋の下方2寸。〈「WHO/WPRO標準経穴部位」〉』
『本穴は曲池から二寸真下に、橈骨の内側よりのところにある。〈「新版 鍼灸臨床取穴図解」北京中医学院編〉』
『前腕の親指側、肘の曲がりめから約六センチほど手首寄りのところにある〈「眼はこのツボでよくなる」小杉喜一郎著〉』

■ 孔最(こうさい)
『前腕前外側、尺沢(LU5)と太淵(LU9)を結ぶ線上、手関節掌側横紋の上方7寸。 注:尺沢(LU5)の下方5寸で、尺沢(LU5)と太淵(LU9)を結ぶ線の中点の上方1寸にある。〈「WHO/WPRO標準経穴部位」〉』
『尺沢と太淵とを結んだ線上で太淵から七寸、尺沢から五寸離れたところの、橈骨の内側にこの孔最穴がある。〈「新版 鍼灸臨床取穴図解」北京中医学院編〉』
『前腕の手のひら側で、ひじから手首を三等分したひじ側で、やや親指側のところ〈「眼の疲れをとるツボの本」芹澤勝助著〉』

■ 神門(しんもん)
『手関節内側、尺側手根屈筋腱の橈側縁、手関節掌側横紋上。 注:豆状骨上縁橈側の陥凹部、手関節掌側横紋にある。〈「WHO/WPRO標準経穴部位」〉』
『豆状骨後縁の橈側で、手首の第一横紋にこの神門穴がある。〈「新版 鍼灸臨床取穴図解」北京中医学院編〉』
『手のひら側の手首の関節で、小指よりの端。豆状の骨の出っぱりのすぐ上のきわ〈「眼の疲れをとるツボの本」芹澤勝助著〉』

■ 労宮(ろうきゅう)
『手掌、第2・第3中手骨間、中手指節関節の近位陥凹部。[別説]手掌、第3・第4中手骨間、中手指節関節の近位陥凹部。〈「WHO/WPRO標準経穴部位」〉』
『こぶしを半ば握り、中指および薬指の指先で、掌の中心の第一横紋を押さえると、二本の指先の中間に、このツボがある。第二、第三中手骨の間で、第三中手骨の橈側にいくらか近いところに本穴がある。「新版 鍼灸臨床取穴図解」北京中医学院編〉』

■ 合谷(ごうこく)
『手背、第2中手骨中点の橈側。〈「WHO/WPRO標準経穴部位」〉』
『(1) 右手親指の指関節の横紋(親指腹の横じわ)を、左手の親指と人さし指の間のまたの部分に当て、右手の親指の先が届いた個所が合谷穴である。 (2) 親指と人さし指を合わせると、一つの縦紋ができる。この縦紋にぴたりとよりかかっているところに、一つの高くふくらんだ筋肉がある。この縦紋頭と同一線上にある最も高くふくらんだところに、この合谷穴がある。 (3) 親指と人さし指をひらき、その指のまた(虎口)と、第一、第二中手骨の結合したところ(一般的に両叉骨とも呼ぶ)を、まっすぐ結んだ線の中点にこの合谷穴がある。〈「新版 鍼灸臨床取穴図解」北京中医学院編〉』
『親指と人さし指の股の間。指を大きく開いたとき、二指の骨が接するところの手前〈「眼の疲れをとるツボの本」芹澤勝助著〉』
『親指と人さし指の骨の合流点中央より、やや人さし指側のくぼみ〈「眼はこのツボでよくなる」小杉喜一郎著〉』
『右手の親指の腹の横じわを、左手の親指と人差指のあいだの“股”に当て、右手の親指の先が届いた個所が、合谷穴である。〈「近視追放 中国式・目の体操」本多傳著〉』

■ 小骨空(しょうこつくう)
〈「WHO/WPRO標準経穴部位」〉には記載なし。
『手の甲を上にする。本穴は小指の手の甲側の第一、第二指関節の中点にある(左右で二穴ある)。〈「新版 鍼灸臨床取穴図解」北京中医学院編〉』
『「小骨空」は小指にある。やはり、折り曲げて所在を確認しておく。「大骨空」と違ってこれは指先から数えて二番目の関節。位置は「大骨空」と同じで、“山頂”の中央のくぼみ状のところ。〈「100歳まで生きる眼のツボ療法」青柳修道著〉』

■ 大骨空(だいこつくう)
〈「WHO/WPRO標準経穴部位」〉には記載なし。
『手の甲を上にする。本穴は、親指の手の甲側の指関節の中点にある(左右で二穴ある)。〈「新版 鍼灸臨床取穴図解」北京中医学院編〉』
『「大骨空」は親指の一番指先に近い第一関節付近にある。親指を軽く曲げるとその関節が山型に浮き出るが、その“山頂”にある。その中央、さわるとくぼみ状になっている所で眼が悪い人が押すと痛みを感じる。〈「100歳まで生きる眼のツボ療法」青柳修道著〉』

【下肢】(近位 → 遠位、内側 → 外側)

■ 足三里(あしさんり)
『下腿前面、犢鼻(ST35)と解渓(ST41)を結ぶ線上、犢鼻(ST35)の下方3寸。 注:前脛骨筋上にある。〈「WHO/WPRO標準経穴部位」〉』
『(1) 病人を椅子に坐らせ、膝を曲げて足を垂直に立てさせる。外膝眼(犢鼻穴)から真下に三寸(あるいは四横指)、脛骨から約一横指先離れたところにこの足三里穴がある。 (2) 病人を椅子に坐らせ、膝を曲げて足を垂直に立てさせる。膝頭の真中を、手で下にさぐっていくと突起した高い骨がある。この骨を脛骨粗面と呼ぶ。このツボは脛骨粗面の外側の下縁から真下に一寸のところにある。 (3) もし脛骨粗面がはっきりしない場合、陽陵泉(胆経)から一寸下のところと同一線上で、脛骨から一横指離れた個所にこの足三里穴がある。〈「新版 鍼灸臨床取穴図解」北京中医学院編〉』
『向こうずねのすぐ外側で、ひざのくぼみから下へ三指幅分のところ〈「眼の疲れをとるツボの本」芹澤勝助著〉』
『「足の三里」は、ひざ頭(膝蓋骨)の下端から指の幅四本分足首の方へ下がった高さで、すね骨の外側のふちにある。押すと圧迫感が足首へ走るので、すぐわかる。〈「100歳まで生きる眼のツボ療法」青柳修道著〉』

■ 光明(こうめい)
『下腿外側、腓骨の前方、外果尖の上方5寸。〈「WHO/WPRO標準経穴部位」〉』
『外くるぶしの中心から真上に五寸のところで、腓骨の前縁に本穴がある。〈「新版 鍼灸臨床取穴図解」北京中医学院編〉』
『外くるぶしの中央と膝裏のあいだを16等分したとき、外くるぶしから5/16上へいったところ〈「眼はこのツボでよくなる」小杉喜一郎著〉』
『光明穴は外くるぶし上方五寸のところ。〈「近視追放 中国式・目の体操」本多傳著〉』

■ 足臨泣(あしりんきゅう)
『足背、第4・第5中足骨底接合部の遠位、第5指の長指伸筋腱外側の陥凹部。〈「WHO/WPRO標準経穴部位」〉』
『足の第四指と小指の股の真中、第四、第五中足指節関節から五分後のところが本穴である。〈「新版 鍼灸臨床取穴図解」北京中医学院編〉』
『足の甲で、第四趾と第五趾の間で拍動のふれるところ〈「眼の疲れをとるツボの本」芹澤勝助著〉』