今年のNHK大河ドラマ「光る君へ」の題材である源氏物語について書いてみた。

　源氏物語　

平安中期の長編物語紫式部の作。宮廷生活を中心として平安期前・中期の世相を描写し、全編を桐壷・帚(はは)木(きぎ)・空蝉・夕顔・若紫・末摘花・紅葉賀・花宴・葵・賢(さか)木(き)・花散里・須磨・明石・澪標(みおつくし)・蓬生(よもぎう)・関屋・絵合・松風・薄雲・槿(あさがお)・少女・玉鬘・初音・胡蝶・蛍・常夏・篝火・野分・行幸(みゆき)・藤袴・真木柱・梅ヶ枝・藤裏葉・若菜（上下）・柏木・横笛・鈴虫・夕霧・御法・幻・雲隠・匂宮・紅梅・竹河・橋娘・椎本(しいがもと)・総角(あげまき)・早蕨(わらび)・宿木・東屋・浮舟・蜻蛉(かげろう)・手習・夢生橋の５４帖に分かつ。幻まで前編とし主人公光源氏を中心に藤壺・紫の上など幾多の才媛を配して、その華やかな生涯を描く。雲隠は、光源氏死去の意を寓し、巻名だけで文なく、匂宮・紅梅・竹河の三帖は後編への連鎖を成す。後編の橋姫以下の十帖は、光源氏のあとを受け継ぐ薫・匂宮に宇治の八の宮の姫君たちを配して、複数な人間関係を写したもので、特に宇治十帖と称する。構想上は、全編を藤浦葉までと若菜以下とに二分し、全編を３部に分けて見ることが多い。アーサー＝ウェリーの英訳その他外国語訳もあり。

　　紫式部　平安中期の女房、藤原為時の女(むすめ)。女房名、藤式部、のち紫式部。源氏物語の「紫の上」と父の官位「式部丞」による名という説が有力。藤原宣(のぶ)孝(たか)に嫁したが、間もなく死別。のち上東門院（一条天皇の中宮彰子）に仕え、その間、道長ほか殿上人から重んじられた。中古３６歌仙の一。著作は『源氏物語』のほか、「紫式部日記」「紫式部集」など。生没年不詳。

源氏物語の主な登場人物

男性

頭(とうの)中将(ちゅうじょう)　

源氏の親友で終生のライバル。源氏の正妻・葵の上の兄。右大臣、内大臣、太政大臣などを歴任。

柏木　

頭中条の長男。源氏の正妻・女三の宮と密通し、薫が生まれるが、罪の意識によって死の床につく。

冷泉(れいぜい)帝(てい)　

桐壷帝の子であるが、実際は源氏と藤壺との間に生まれた子。朱雀帝の後に即位した。

夕霧　源氏の長男で、母は葵の上。頭中将の娘・雲居(くもい)雁(のかり)と結婚するが、後に柏木の未亡人を愛する。

薫(かおる)　

　　源氏と女三の宮との子となっているが、実際には柏木の子。匂宮とともに宇治の姫君たちを愛する。

匂宮　

　　今生帝（孔朱雀帝の子）の子で、母は明石中宮

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女性

　藤壺(ふじつぼ)　

　　桐壷帝の中宮。源氏の母（桐壺(きりつぼ)更衣(こうい)）に似ていたため源氏に愛され、不義の子（冷泉帝）を産む。

　空蝉(うつせみ)　

　　地方官の若き後妻。中流女性に興味を持つが、以後、源氏の求愛を拒否する

葵の上

　左大臣の娘で、源氏の最初の正妻。夕霧を産んだ後、六条御息所の生霊に取り付かれて落命する。

夕顔　

源氏に愛されるが物の怪に取り付かれ１９歳で命を落とした。頭中将との間に玉鬘を産んでいる。

六条御息所　

皇太子だった夫の死後、源氏の愛人となった。生霊、死霊となって源氏の正妻たち立に取り付く。

紫の上　

源氏の最愛の女性。少女のときから源氏に養育され、１４歳で結婚。源氏の正妻格として遇される。

花散里(はなちるさと)　

源氏の妻の一人。穏やかな性格で源氏の良き相談相手となり、夕霧や玉鬘の養母となった。

末摘(すえつむ)花(はな)　

故常陸宮の姫君。実家が没落して貧しく、容姿も醜かったが、一途な愛を貫き、源氏から愛された。

朧(おぼろ)月夜(づきよ)　

源氏の政敵だった右大臣の娘。奔放な性格で、源氏から愛され密会を重ねたが、露見した。

明石の君　

証の入道の娘。須磨で謹慎中の源氏と結婚し、明石の姫君（後の明石中宮）を産んだ。

秋好(あきこのむ)中宮(ちゅうぐう)　

六条御息所の娘。斎宮(さいぐう)の任を終えた後、源氏の養女となり、冷泉定に入内(じゅだい)。中宮になった。

女三宮

　朱雀(すざく)帝(てい)の姫宮で源氏の正妻だったが、柏木と密通し、不義の子・薫を出産。その後、出家する。

中の君　

八の宮の次女。薫の策略によって匂宮と結婚し、京に移り住む。薫に、異母妹の浮舟を紹介する。

玉(たま)鬘(かずら)　

夕顔と頭中将の間に生まれ九州を流浪後、源氏の養女となり、多くの貴公子から求愛される。

大君(おおぎみ)　

宇治の八の宮（源氏の弟）の長女。薫からの求愛を拒絶する。薫や匂宮の翻弄され、心労で落命する。

浮舟　八の宮の娘で、父から捨てられていた。薫と匂宮の板挟みに苦しみ、入水(じゅすい)を決意する。

能楽には源氏物語や平家物語が演目に良く採用されている。源氏物語は女性に読ませるために書かれた物語である。なのに、男性の芸能である能楽に採用されているのだろうか。

読者は女性中心のはずだが、男性にもよく読まれていたようだ。藤原道長は紫式部に源氏物語を書かせるために、宮殿にあげ宮使いをさせ、政治に利用しようと企んだらしい。

能楽堂へ行くと何故かやたらと女性が多い訳が分かった。能学は難しくて理解できなくても物語の内容はすでに知っているものばかりなのだ。女性が能楽堂へ行く主な目的は演技より豪華の衣装だろう。

次回はもう少し源氏物語について書いてみよう。

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