仮面ライダーカルマ 第1話・始まりの夜明け | 自作仮面ライダー小説

仮面ライダーカルマ 第1話・始まりの夜明け

(ライトオン・RIDER作)



―――世界は、未確認生命体の脅威に曝されている。


戦闘兵器開発企業「GARD」はこれに対抗して装着型戦闘兵器を創り出した。


人はそれを「KAMENRIDER」と呼んだ。


そしてこれは、KAMENRIDERを装着する者の愛と青春と居候の物語―――







仮面ライダーカルマ








―RIDERS・エリアD支部―


俺の名前は藤原慶(ふじはらけい)。
「GARD」がスポンサーの未確認生命体対抗組織「RIDERS」のエリアD支部に所属している。


「シュナイター、起動開始します!」


俺の装着する「装着型量産兵器・シュナイター」の目が黄色く光る。
…実は俺、このエリアの中でもけっこう下のランクだ。
おかげで持ってる武器なんて拳銃だけ…こんなので未確認生命体に勝てたら苦労しない。


『シュナイター・フジハラケイ、訓練を開始せよ』


「了解!!」


俺の目の前に現れる無数のターゲット。
俺の周りに現れる無数の銃口。
拳銃でターゲットを狙い打ちながら、銃口から放たれる弾をかわす。
これが訓練だ、でもこんなことをやっていてもあまり意味がない。


―――この1年、未確認生命体はこの「エリアD」に出現していないから。

おかげで俺の給料は上がらないし、そろそろマンションから追い出されそうだし。
まあ、平和が何よりって言葉もあるんだけどさ…時は金なりっていう言葉もあるだろ?


『訓練終了、シュナイター・フジハラケイ・解除せよ』


「了解…」


そんなことを読者に語ってるうちに、訓練は終了した。
俺は腰に手を掛け、バックルを取り外した。


「シュナイター、起動解除しました」


『総合結果・基礎訓練ランクA』


「お…自己新記録じゃん」


訓練でいい成績を出しても、実戦で駄目なら意味がない。
実戦なんて1年もやったことはないからなぁ…

近くに放り投げたジャケットを着て、部屋を出る。







―オフィス―


「よお、お疲れケイ」


「あ…ありがとう」


俺の隣に座る男、名前は「山岡誠(やまおかまこと)」。
俺と同期の兵士で、装着兵器は俺と同じ「シュナイター」。


ちなみにコイツは俺のことをカタカナで呼んでいる。
この会社では名前がコードネームだからだ。


「…なあ誠、俺たちっていつになったら格上げされるんだろ?」


「さあな…生命体が現れない限りは無理だと思うが…」


「だよなぁ…はぁ」


俺は持っていた缶コーヒーを飲み干した。


「…そういえばさ、このエリアのエリアキャプテン用のアーマーが届いたんだってな」


「ああ、俺も知ってる…赤いカルマだったよな?」


エリアキャプテン…つまりはエリアの指揮官。
その指揮官だけに与えられるKAMENRIDER…名前は「カルマ」。
俺たちの装着するシュナイターとは性能の差が全然違うらしい。


「でもさ…あんまり意味なくない?」


「………しばらく生命体が現れてないからか?」


「ああ。でもカルマが届いたってコトは…やはり何か理由があるんだろう」


「…そうだな」


俺が立ち上がり、コーヒーの缶をゴミ箱に捨てようとした、その時だった。


『ピピピピピピピピ!!』


一年ぶりのサイレン。
この音は、生命体が現れたことを表すサイン。


「誠!」


「分かってる!」


誠はポケットからトランシーバーを取り出した。
このトランシーバーは任務内容を確認するためのものだ。


「こちらマコト、キャプテン応答してください!」


『こちらエリアDキャプテン!生命体はRIDERS内部に潜入している!』


「警備用兵士はどうしたんですか!?」


『生命体に殺害された。マコトは屋上に向かえ、そこで体制を立てる』


「了解!!」


誠がオフィスを出てゆく。
俺も誠の後をついて行くことにした。






―――屋上、すでに外は暗かった。
俺たちが付いた頃には、既にキャプテンがアタッシュケースを持って待っていた。


「遅れてすいませんキャプテン!」


「マコト、ケイ、お前らだけか!?」


「はい、途中で誰とも会いませんでしたが…?」


「くそっ…ほぼ全滅状態か」


キャプテンは悔しそうに言った。
元々このエリアに配属されている兵士の数は、他のエリアよりも少なかった。
そんな少ない戦力がなくなった今、俺たち3人がなんとかできるだろうか?


「仕方ない、カルマを使う時が来たようだ…」


「もしかしてそのケースの中に…カルマのベルトが?」


「そういうことだ」


アタッシュケースの中に入っている。
と聞くと何か豪華な気がしてならない。


「じゃあ…俺たちは援護に回ります!」


「ああ、マコトとケイは遠距離射撃を頼む」


その時だった。


『ガシャン』


俺たちの出てきたドアから、金属の音が鳴り響いた。


『ガシャン、ガシャン、ガシャン』


どんどん近づいてくる音。
俺は恐る恐るドアのほうを振り向いた。


『ガシャン、ガシャン………』


俺が見たのは、閉まっているドア。
次の瞬間、そのドアが爆発を起こした。


『ドガアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアン!!』


「うわっ!?」


煙の中から現れたのは、鋼の鎧を纏った未確認生命体。


「今までとは違うタイプ…!?」


今までの生命体は生身…防具なんか付けていなかった。だがコイツは違った。
生命体は右腕をキャノン砲に変え、俺たちに向ける。


「!?」


キャノン砲から放たれる鋭い閃光。
その閃光が貫いたのは、俺たちの後ろにいたキャプテンだった。


「ぐああああっ!!」


「キャプテン!?」


キャプテンはアタッシュケースを落としながら、その場に倒れた。


「キャプテン!」


「…ケイ、油断するな!」


「………くそっ、お前に言われなくても分かってるよ!」


俺と誠は一斉にベルトをつけた。


「装着!!」


俺たちの身体が鋼の鎧に包まれる。
仮面に付いている目が黄色く光りだした。


「いくぞマコト!」


「ああ!!」


俺たちは拳銃を持って生命体を攻撃した。
だが生命体の身体を覆う鎧が、銃弾を受け止めてゆく。


「効かない…やっぱり今までとは違う」


「こうなりゃ肉弾戦だああああっ!!」


俺は拳銃を投げ捨て、キャプテンを殺された怒りに任せて生命体に向かう。


「待てケイ!」


「うおおおおおおおおおおおおおっ!!」


右の拳を握り締め、生命体を殴ろうとした。
生命体は俺の拳を掴み、投げ飛ばした。


「うわあああっ!?」


「ケイ!」


そのままキャプテンのいるところまで投げ飛ばされた。


「くそっ…どうすりゃあ………!」


キャプテンの持っていたアタッシュケース。
この中にはカルマを装着するためのベルトが入っている。


「…これを使えば…勝てる…!?」


俺はシュナイターのベルトを投げ捨てて装着を解除して、アタッシュケースを開く。


「何をしてるケイ!?」


「決まってるだろ…これを装着する」


「お前…それをキャプテン以外が装着してはならないと…」


「そんな命令どうでもいい!」


俺はアタッシュケースからベルトを取り出した。



「目の前で人が死ぬのを見るためだけに…俺はRIDERになったんじゃない!!」



ベルトを腰に巻く。
それと同時に身体が赤い鎧で覆われる。


「カルマ…起動完了…!!」


腰に付いている赤い剣を持ち、生命体に向かって走り出す。


「うおおおおおおおおおおおおおおおっ!!」


赤い剣で生命体の鎧を切り裂く。
鎧の切れ目からは生命体の真っ赤な血が流れていた。


「はぁ…はぁ…」


生命体が俺に向かってキャノン砲を構える。
この距離から撃たれれば一溜まりもない、
分かっているのに身体が動かない、

少し動いただけで息切れをする、
これがカルマを装着する負担なのか?


「させるかああっ!!」


『パキン!!』


生命体のレンズの目を破壊する音。
その音を出したのは、マコトの持つ銃からだった。


「マコト!」


「ケイ、早く終わらせろ…!」


「………了解!!」


赤い剣を構え、重い体をゆっくりと動かした。


「うわああああああああああああああああっ!!」


剣を生命体の腹に突き刺す。
そこから流れてくるのは大量の血液。


『ギリ・・・ギリ・・・ギリ・・・』


生命体の覆う鎧から鈍い音が聞こえる。
次の瞬間、生命体は身体の中から爆発を起こした。


『ドガアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアン!!』


「おわっ!?」


逃げ切れず、近距離からの爆発に巻き込まれた。


「ケイ!!」






―――終わりに思われた戦いが、突然再開した、

   だがこの再開が、俺たちにとっての本当の戦いだった―――









次回・「別にいいじゃないか、家賃がないんだし。」








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後書き


ども、ライトオン・RIDERです。

この会限定の小説…ということではじめました、

「仮面ライダーカルマ」ですが、第一印象はどうでしたか?


ちょっと鬱々しかったり、話が単純だったりしますかもしれませんが…

これからも頑張るので、何卒応援宜しくお願いします><


感想も宜しくお願いします!!