仮面ライダーアリス・AGAIN 第一話・運命の出会い | 自作仮面ライダー小説

仮面ライダーアリス・AGAIN 第一話・運命の出会い

(ライトオン・RIDER作)


「…君にコレをあげるよ」

「え…?」

戦士が渡したのは小さな青い鍵だった。
少年は鍵をポケットにしまってから、男に聞く。

「おじさんは誰なの?」

「僕?僕は…仮面ライダーさ」

「仮面ライダー…?」
























僕は春風正二、小春高校の2年生です。
僕は一般人…とも言い切れませんが、常識的に一般人です。

僕はこの休日の午後、母さんに頼まれて町へ買い物に出かけていました。
そして洋服屋の角を曲がろうとした、その時です―――

「ん…?」

洋服屋のガラスに反射している景色が、僕のいる場所とは明らかに違っていたのです。
まるで森のような場所で、そこには大きな狼のような獣が…

僕は目を擦りました。そして再びガラスに映る景色を見ます。
やはりそこには森が映っていました。

「………」

もしかしたら、ガラスにシールが貼ってあるのでしょうか…?
僕はゆっくりとガラスの景色に手を触れました。
それと同時に光り輝くガラスの景色、その中に吸い込まれていく僕の身体。

「うわっ!?」

ここで僕は後悔しました、スルーすれば良かった…と。

























「…ん…」

僕は目覚めました。
最初に見たのは緑色の木々でした。
今の状況が理解できないまま、倒れた身体をゆっくりと起こします。

「ここは………」

そこはさっき見た景色と同じ森でした。
ですが、さっきのような動物はいないようです。
僕は悩んだ末、ここから出ることを決意しました。

「…でも、何処に出口があるんだ?」

本音を呟きながら、ゆっくりと歩き出します。
その時、僕の後ろから獣の雄たけびが聞こえたのです―――

「グルアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!」

「え……?」

僕は恐る恐る振り向きました。
そこには景色に映っていたものと同じ、巨大な獣が…

「う、うわああああああああああっ!?」

「グルアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!」

獣は叫びながら、僕に向かって突進してきます。
僕がこの状況で出来ること、それは逃げることしかありませんでした。

再び前を向いて、全速力で森を駆け抜けました。

「グルアアアアアアアアッ!!」

「早っ!?」

しかし獣は僕にドンドン近づいてきます。
獣を見ながら走っていた僕は、木の枝に足を躓き、転んでしまったのです。

「うわっ!?」

「グルアアアアアッ!!」

獣の巨大な牙が僕を襲おうとしています。
もうおしまいだ…そう思った時でした

僕の前に、赤いアーマーをつけた戦士が現れたのです。
戦士は腰についている剣を使い、獣の牙を破壊してゆきました。

「グルアアアアアアアアアアアアッ!?」

「ビースト…ここがお前の墓場だ!!」

戦士は剣を右足のホルダーに挿入しました。
それと同時に、右足からベルトまでの一本線のラインが赤く光りだしたのです。

「アリス・オオオオオバアアアアアアドラアアアアアイブッ!!」

そして右足で獣を蹴り飛ばしました。
獣の身体を何本もの赤いラインが駆け巡り、最期には爆発しました。

『ドガアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアン!!』

「終わりだな…お前の全てが」

そう言ってから、ベルトを外しました。
それと同時に戦士を包むアーマーは消え失せ、そして女の姿へと変わってゆきました。
しかもウサ耳を付けています、コスプレイヤーなのでしょうか?

「おいお前、大丈夫か?」

「えっ…あ…はい…」

「………お前、どうしてココにいたんだ?」

「ぼ、僕は…」

なんと説明していいんでしょうか…
「ガラスに触ったらココに来てた」なんて言えるわけがありません。

「…き、気付いたらココに迷い込んでたんです」

「はぁ?」

「教えてください、ここは何処なんですか!?」

「…ここは鏡界だ、そして私達のいる場所は森…ってそんなこと言わなくても分かるか」

森は理解しましたが、鏡界とは何のことでしょうか?

「じゃあここは…僕のいた世界じゃないんですか!?」

「お前のいた世界?」

「駄目だ…話がややこしくなってきた…」

「仕方ないな…あのジジイに聞いてみるか」

そう言って女の人は、空に手を掲げました。

「来い、ラヴィリオン!!」

そう叫ぶと同時に地面に魔方陣が描かれ、その中から大きなウサギが現れました。

「う、ウサギ!?」

「コイツは私のパートナー・ラヴィリオンだ」

「ラヴィリオン…ああ、ウサギの名前ね」

そのラヴィリオンはバイクに変形しました。
女の人はバイクになったラヴィリオンに乗りました。

「バイクにもなるんだ…」

「ほら、お前も早く乗れよ」

「え、僕も!?」

「ジジイのところに行けばお前の世界に帰れるかもしれないしな…」

「わ、分かりました」

僕はラヴィリオンにゆっくりと乗ります。
それを確認した女の人は、バイク(ラヴィリオン)を走らせました。

「って、スピード速っ!?」

「ちゃんと掴まってろよ…!」

「いやっ、ちょっ、ぎゃああああああああああ!?」






































―――生死を彷徨って30分、僕達が到着したのは大きい城のような建物でした。
女の人はその建物の中に入ってゆきました。

「え…入っちゃっていいんですか?」

「私はここの常連客だからな!」

「常連客って………まあいいや」

今は自分の世界に帰ることが先決ですね。
僕も建物の中に入りました。


そして何段も続く階段を昇り、最上階の部屋に到着しました。
女の人は堂々と部屋のドアを開けます。


「おいジジイ!」

「その名前で呼ぶなといっておるだろうアリス…!」

どうやら女の人の名前はアリスというらしいです。やっと発覚しましたね。
そしてアリスがジジイと呼ぶ方は、白いヒゲを生やした大きな男の人です。

「ん…アリス、その青年は?」

「コイツは別の世界からこの世界に紛れ込んできたらしいんだ…」

「おかしい…別世界の人間はこの世界には入れないはずなのだが…」

「だからココに聞きに来たんだろ!?」

「………仕方ない」

男の人は杖を僕達に向けました。
それと同時に僕達の立っている赤いカーペットに魔方陣が浮き出てきました。

「その服装から見て…宛先は地霊界、送り主は鏡界…」

「あ、送り返すんだな?」

「そういうことだ、健闘を祈る」

「………ていうか何で私にまで魔法かけようとしてるの?」

「その青年がこの世界に来たと同時に、ビーストがそちらの世界に出現している可能性がある…
 アリスには青年の世界・地球でビーストと戦ってきてほしい」

「おいおいおいおい…まだビーストがあっちに出現したわけでも無いだろ!?」

「お前が手頃なんだ。それにお前がいなくてもライダーは他にもいるし」

「ジジイ…いつか顔面ぶん殴ってやる!」

魔方陣から赤い光が放たれて、僕達はその光と一緒に消滅しました。

「うわあああああああああああっ!?」

完全に消えたのを確認し、男の人は椅子に腰を掛けました。

「さてと…新しいライダーでも探すとするか…」








































「………ん………」

ふと目が覚める。
そこはいつもと変わらない僕の部屋でした。

「夢…だったのかな…」

そう呟きながら、ベッドから起き上がろうとします。
その時ベッドに置いた手に、何か柔らかい感触を感じました。

「え…?」

そう言いながら手を見てみると、そこにはさっきの女の人…
アリスが寝ていました。そしてアリスの身体に触れているのは僕の手です。

「ゆ、夢じゃない…?」

「ん………」

アリスが半目を開けました。
そして呟いたのです。

「夢か…」

嗚呼、この人も僕と同じ思考回路なのか…
ということは、この後僕がいることに絶叫するのは間違いないだろう。

「…ってお前、何処触ってんだよ…!」

「え、ええ!?」

もう一度、アリスに触れていた手の位置を思い出します。
…胸でした、完全にアウトです。

どうやら絶叫するのは僕のほうだったようで…まあ、こんなに冷静にしてる暇も無いのですが。
アリスの右ストレートを華麗に受け、そのまま吹っ飛ばされます。

「ぐはああああっ!?」



…どうやら僕の戦いはここから始まったようです。



























・次回予告・

「私はアリス!今回の次回予告は私が担当するよ!!
 最近さぁ…地味に肩がこるんだよねぇ………
 もう老けたから?そんなわけないでしょ!?
 正二に肩揉みして貰おうかなぁ…でも何しでかすか分からないなぁ…
 あ、次回予告忘れてたよ…まあいいや、サブタイだけ言っておこう
 
 次回・紅の脚
 
 次回も見てくれよ!見ないと怒るからな!
 …正二ー、やっぱり肩揉みしてくれないかー?」