バンドが解散した。
去年の暮れだ。
まだそんな時間は経ってないけど、一緒にずっと連れ添ってたギターの彼からLINEが一言が来た。いつも返事は遅いのに、今日は夜中の22時前後だ。
メッセージの内容は『俺バンドやめるわ』
このメッセージたった一言だった。
清々しいくらいの清い脱退LINE。
悪い勘は当たるもんだ。
メンバーの方向性で抜ける事はよくある(よくあっては良くないんだが)
だろうな。と思いつつ余裕の表情でいつも通り乗り切ろうと思ったが今回はそう行かなかった。
なぜだろう?記憶を数年前に戻す。
そうやな、彼と出会ったのは5年前の冬頃。
バンド募集掲示板で会ったドラムと下北のmoonwalkというバーでたまたま飲んでて盛り上がった"ノリ"で呼んだんだった。
俺はその時ドラムの奴から『イエモンとDavid Bowieが大好きなギタリスト知り合いにいるから合わせるよ!』
俺は『どうせまた酔っ払いの戯言だろ』と思いながら、頭とは関係ないところですぐ言った。
『今から呼べ!!今すぐ会いたい。』
なんとなくシンパシーを感じてた。ギタリストなのにDavid Bowieが好きってなかなかいなかったし、イエモンも好きときた。俺の中でまだ話し合ってもないのに決まってた。『コイツとウマが合ったらギターに入れて、今度こそロックンロールツインズになってやるんだ!!』
俺はそいつの興味の事で頭がいっぱいだった。
そんな中ドラムの奴にメッセージが入った。
『ちょうど下北にトイレ行くのに降りてた!』
彼からのラインだ。こんな運命じみた事はない!と思い、絶対来させるように頼み込んだ。
『お疲れ〜初めまして』
疲れ気味で照れ隠ししながらギターの彼は現れた。
キャスケット帽にブルーハーツの裾切りTシャツ、オーバーオールという出立ちで。すぐ好きになった。
自分の好きな人の感性を惜しみなく表現してる素直な奴だなぁって印象だった。
『David Bowie好きなんだってね?なんのアルバムが好き?』
開口一番音楽の話だ。これでLets Danceと答えられたらメンバー候補から外すつもりだった。
すると彼は『Aladdin Saneかな?1番ボウイの中でカオスでロックンロールしてるアルバムだと思うんだ』
OMG
ここまでBowieをしっかりアーティストとして理解してる人は初めてだった、好きなBowieのアルバムも似てるし。
コイツとならこれから色々吸収してデカくなりそうだな。そう思った。
次の年の暮れにはTHE BOHEMIANSのワンマンライブを渋谷クワトロに一緒に見に行った。
コロナ禍と言うこともあって、叫べない、声出せない、と規制の制限のの嵐だったけど、平田ぱんだのMC
『声は出せないから耳で拍手して』って言葉すごく響いた記憶がある。好きなことに尽くしてる人ってこんな素敵なんだ。何もできないと嘆く中でファンを喜ばせるための最小のエンターテイメント。
小さい箱をパンパンにして規制の中開催するライブ。すごく心に響いた。
そのライブの帰り道、ギターの奴と語った。
『俺たち絶対平田ぱんだとビートりょう越えような。』
そこまで指標にしてなかったけど、彼の中での一つの壁であり目標であることがわかった。
俺はその場ですぐ『目標にするまでもねえよ、眼中外』
俺の悪いとこが出た。彼は満面の笑みで笑ってた。
それから月日が経ってバンドを組み、曲も作った。そん時の俺らは『ジャガーリチャーズ、レノンマッカートニー、ボウイ&ロンソン』みたいになるって夢見てた。
それから色々人様に言えない様な"楽しい事"悪いこと"をたくさん共有した。メンバーというより親友というのに近い存在だった。
それから俺は大病も経験して、彼に伝えた時泣いていた。
これからバンドが大きく動くのに俺が弊害でいることも悔やんだ。
でも彼は待っててくれた。
それから関東にもう一回戻ってきて改めてバンドを再開した。
曲もたくさんできた。
メンバーは抜けたり入ったりすごかったけど続けた。
曲も録った。
これからブランディングがどうだ、制作がどうだ、やりたいことを統一しよう。いろんな話が決まってた。
そんな中去年の暮れに脱退のLINE。
正直クソみたいな連絡だった。
と同時にいままで俺に貯めてきたことがあることにも気づいた。
心の中に穴がぽっこりできた様な感覚だった。
周りにはいつも通り接する。けどギターもまともにさわれず、歌も歌えなかった。悔しかった。こんなことで何もできなくなってしまう自分が。
それだけ甘えてたのかもしれない。いや、信じてた。
けど彼が決めた道だ。俺はそれを曲げる権利なんてない。
何も成果を残してないバンドだけど解散報告はきっちりしようと心で決めた。
このバンドがあって出会った人たちもいるし、期待してくれた人もいる。俺はそれに応えられなかったことや、もっとできたことがあるだろうと悔やみに悔やんだ。
前にマッチングアプリで出会った映像関係の仕事の人にも相談してしまった。
意外にも真面目に応えてくれた。
暖かかった。これでもかってドストレート内容だった。
見るのに3日かかったけど。
『制作は止めちゃダメだよ』
何よりこの言葉が刺さった。
どんな経験も作品に活かしてこそアーティスト。
まだまだ出せてない作品や、これから出したい作品が腐るほどある。だれにどうひょうかされるであれ、どう転んでもこれを世に出さないという事は自分の人生の汚点になると思った。
だから俺は俺を信じる。今日も生きた。明日も生きる。
今年始めるプロジェクトも決まってる。やるしか無い。止まるなんてクソだ。もう一度俺は音楽で勝負する。
永くなったけどここまで読んでくれてるみんなは物好きって事で、ただの戯言として消化してくれ。
今日はoasisのLive Foeverが沁みる。
そう言えばいつか、ユウトはoasisのアイデンティティが強すぎるとか言われたっけ。
好きなもんを好きで影響受けて何が悪いんじゃい。
俺は明日も生きる。
みんなも幸せでいろよな。
なんかスッキリした。
こんな感じでボチボチ言いたいこと言います。
タイトルは恋人とクソ笑ったタイトルで。
ほんじゃ前髪切りすぎた俺を載せて。
またな。
おやすみ。