少し前のことになりますが、、
桜が綻び始めた金曜の夜。
久しぶりの池袋、東京芸術劇場
シアターWESTへ行ってきました。
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この桜もきっと今頃は緑が芽吹いてるんだろうなぁ。。

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AKA Company 第3回公演『A Class Act』
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AKA Companyは片島亜希子さんが代表を務めるカタシマオフィスがプロデュースするミュージカルカンパニーで、まだ日本で上演されていない海外ミュージカル作品の上演に力を入れており、過去に『tick,tick...BOOM!』、『SHE LOVES ME』などの魅力的な作品を上演されています。

私は縁あって第1回の『tick,tick...BOOM!』を観劇し、まだ観たことのない作品を届けたいというカンパニーの皆さんの熱い想い触れて感動した1人です。
『SHE LOVES ME』は予定が合わず観られなくて…今回の『A Class Act』は上演が決まった時から「行く!」と決めていました。


『A Class Act』は『A CHORUS LINE』で作詞を手がけたエドワード・クレイバンの自伝的ミュージカル。

何を隠そう(隠してないけど、笑)
コーラスラインという作品にはちょっとした思い入れがあります。
出会いは中学の時。
大学でダンスをを専攻していた女性の体育の先生が授業の時に「私の好きな映画」と言ってVHSを見せてくれたのが最初でした。

自己表現があまり得意ではない私は、当時から表現できるものがある人に漠然とした憧れを抱いていました。体育は苦手教科でしたが、そんな私にできるようになることを強要せず見守ってくれた先生の存在はとても大きく。苦手な体育も先生の授業だけは楽しかった。何より時々見せてくれる先生のダンスが大好きでした。
中学生の私にはダンサーの現実や舞台に立つ厳しさなどまでは感じ取れなかった気がしますが、コーラスラインで描かれているダンサーたちの姿がとにかく眩しくて衝撃を受けました。
(この話だけで相当語れるのでこのぐらいに、笑)

大人になってから映画版、四季版のミュージカルと何度となく観たコーラスライン。
ブロードウェイでの再演に寄せたドキュメンタリー(「コーラスラインにかける夢」だったかな)も観て、当時どのようにコーラスラインがつくられたのかを知り、改めて感動したのも記憶に新しく。
何が言いたいのかって、こんなにコーラスラインについて語っておきながら、私は作詞を手がけたエドワード・クレイバンさんについてほとんど知らなかった、ということ。

この作品に出会わなければ、きっと私はこの先もはエドのことを知ることはなかったのかもしれない、自らの夢をかけて必死にこの作品と向き合ったひとりの存在を知らずにコーラスラインを観続けたのかもしれない。

そうと思うと何とも言えない気持ちになりました。

ひとつの作品が作り上げられる過程には、たくさんの人の想いや努力があって、私が目にするもの触れるものはそのほんの一部に過ぎない。
全て何もかも知ることなんて難しいし、
そんなことは適わないこと、、、
当たり前のことではありますが改めてしみじみと感じていました。

好きなこと、夢中になれることに一生懸命で、生き方としてはすごく不器用なエド。
そんなエドを見守るソフィ、そしてルーシー、仲間たち。

演じるキャストの皆さんがそれぞれのキャラクターをとても愛して、寄り添ってらっしゃるのが伝わってきて、きっと実際の皆さんもこんな風に愛し合って、寄り添って生きてこられたのだろうな、と観ていて胸が熱くなりました。

どのキャラクターも愛すべき人たちで大好き。
説明的なセットはほとんどなく、キャストも6人だけ。ストーリーも情景も舞台では語られないそれぞれのキャラクターの生き様もしっかりと伝わってきました。
特に女性陣にはそれぞれ同性として感じるものがありました。
特に池谷さんソフィと岡村さんルーシー、どちらも凛とした美しさというか、身体の真ん中にちゃんと一本芯があって、でもその強さがすごくしなやかで素敵で。2人とも憧れる女性でした。
全く違うキャラクターなのにどこか通じるところのある2人。やり取りも素敵でした。
こんな素敵な女性に2人も出会えて、しかも思ってもらえるなんて、それだけでもエドは幸せ者だと思います(やや上から目線、笑)。
それなのに、他の女性にもちょいちょい手を出すエドのダメンズぶりったら。
モナはきっと同性からは疎まれるタイプかなと思いますが白鳥さんは可愛くて憎めませんでした。
夢乃さんフェリシアもカッコイイのに可愛いらしくて。エドの存在が彼女の人生を変えたとすると、エドは彼女からも愛されていたんだなと。
男性陣も勿論素敵でした。
演出の面白さというか、作品の作り方というか、エドはこのストーリーの主人公であり、エド(自分自身)の人生を俯瞰してみる存在でもあり。
自身として、またストーリーテラーとして、色んな角度でエドの人生が語られる。
実体と存在、現実と虚構が行ったり来たりするのに違和感や混乱がなくその世界を面白く感じられるのは、石井さんの作る絶妙なエドの存在感ゆえだと感じました。
染谷さんボビーも素敵でしたが2幕のマイケル・ベネット(ですよね、きっと)、全く違うキャラクターをしっかりと演じられていて、醸し出すダンサーな空気感かっこよかったです。
中井さんレーマンはエドを見守る父のようでもあり、兄のようでもあり、おおらかな雰囲気と存在感が素敵でした。
福井さんもまた全く違うマーヴィンとチャーリーをしっかり演じ分けていて。一瞬、別の方かと思いました。エドとマーヴィンが互いに想いをぶつけながら「At The Ballet」をつくっていく様子はコーラスラインのファンとしても胸が熱くなりました。



人とのつながりって本当に不思議で
そしてすごく大切で
とっても素敵。

お芝居を観ながらそう思い、
「歴史とは有名でもないなんでもない無名の人たちの人生と人生が交差して織り成す一枚の大きな布」
という大好きな作品の中の台詞を思い出していました。

エドワード・クレイバンという人の人生と彼の人生と交差した様々な人たちが織り成す布にこうした形で触れることができたことをとても嬉しく思います。



そして、もうひとつ感じたのが
「好き」の力ってすごい、ということ。
身を削り、心をすり減らしながら曲をつくり続けるエドは痛々しいほどでしたが、一方で好きなことがある、自分の全てをかけることができるものと出会える、ということもまた特別で凄いことなんだなと感動しました。

努力が報われるか、才能が認められるか、
ものすごく厳しい世界で
それを貫くということは容易なことではないけれど、貫かないと叶うことはないわけで。


好きなこと、自分が信じるものにまっすぐである人たちに感動し、その大切さを改めて痛感。
自分はどうなんだろうと、少し反省してみたりして。

好きなもの、信じるもの、
大切な人、
自分から手放しちゃいけない…
そう思いました。


そうそう、長くなってしまったので書ききれませんが、音楽もすごくよかったんです。
この作品で使われている音楽は全てエドがつくったもの。生前、作曲家としては彼が思うような結果は出せなかった事実はありつつも、彼を慕う人たちが彼の才能を信じていたというのはこういうことなんだな、と思いました。


観終えて随分と時間が経ってしまいましたが、思い出すほどにまた観たくてたまりません。

キャスト、スタッフ
そしてAKA Companyさん、
素敵な作品と出会わせてくださって
ありがとうございました!!