桜の咲く頃となった。
五分咲きやら八分咲きといった言葉を、ニュースや天気予報の中で連日耳にするが、その際にいつも思い起こすのは、割合の話である。
小学五年生が算数の授業のなかで、百分率や歩合といった割合の表し方について学習する。
1割=0.1
1分=0.01
1厘=0.001
これらをもとに、3割5分2厘を0.352と表すことなど、朝飯前と言わんばかりにほとんどの生徒がやってのける。
ここでふと疑問がわく。
五分咲きというのは、全体に対して、半分ほどの蕾が開いたということだから、
5分=0.5
ではないのかと。でも、先ほどの例では、
5分=0.05
となる。
???
どちらが正しいのかというと、その答えは、どちらも正しいとなる。
?????
「分(ぶ)」は、基準となるものの10分の1(0.1倍)を表す言葉で、ここでは「割」を基準にしている。
つまり、1分=1割×0.1
よって、1分=0.01となる。
塾生にこの話をすると、一様に驚いた雰囲気となる。こちらとしては、そのことに驚く。
“分(ぶ)は、基準となるものの10分の1(0.1倍)を表す”ということに、混乱を招くという理由で触れられないのである。
五分咲き、七分袖、腹八分目…といった言葉が、正しい認識のもと使われていくことを願う。