あれから、一年がたったのですね。

           2018・1月のカレンダーを見ながらそう感じました。

 

           昨年の今頃は

           本当に、限界でした。

           周りのママも、パパも、限界ぎりぎりだったと思います。

           私はずっとお腹がいたくて、胃潰瘍にも途中なったし

           終わったらまた検査する・・・なにか、ひどいことになってるのかも・・

 

           と、本気で思っていましたが

           入試が終わったその日に

 

 

           ケロッと治り

 

 

           その後、検査をしてもなんともありません。

 

 

           そのくらい、親にも何かが覆いかぶさるのだと思います。

 

           どうして、そんなにまでなりながら、真剣になるのか・・・。

 

           それは・・・

           たぶん・・・

 

           子どもの青春時代を過ごす、6年という月日を

           少しでも素敵な環境で送らせてあげたい・・・

 

           その先の夢を広げてあげたいと思う、

           「親の愛」なんだと思います。

 

 

           カメくんは、本当に

           勉強をしなかったし

           自分が強くて、ママの言うことも自分が納得しないとやらなかったし

 

           

 

           すぐだらだらするし

           気合を入れて・・・とか、ガッツとか、不撓不屈とか・・・

           無縁でした(涙)

 

           だけど・・・

           がんばりましょうや~と

           とぼとぼ、でも、ちゃんと本人の中では蓄積していて

 

           最後の最後で爆発してくれました。

 

 

           最後の2週間の、入試に向かってゆく姿は、

    

           試験時間内でのピンチを、最後まで投げ出さず諦めず、

           次の教科で取り戻そうと頑張り、乗り越えて、リカバーを自らでした姿は

    

           「美しい」というか、「神々しい」という言葉が一番合っているように感じました。

 

           彼は、このあと、1回目の入試に、両方とも落ちます。

 

           

 

           でも、2回目のほうが両方とも難しくなると言われていた方で、ふたつとも

           合格してゆくのです。

 

            結果、4つ受けて4つとも合格し、第一志望校、偏差値74の学校へ進みました。

            

            カメのサピックスでの最後の12月中旬の偏差値は49でした。

            

            偏差値で諦めてしまうより、過去問との相性が、データより大切なような気が、今はしています。

 

           

            カメは最後は、「大丈夫、おれ、もう最後の、1秒まで、諦めないから!合格するって決めたんだ!」と言って

           

            試験の途中で、今まで眠くなって考えるのをやめてしまったり

            トイレに行きたくなり集中がとぎれたり

            朝食べてはいけないといったものを食べて、お腹がいたくなったりした過去がうそのように

  

            全部を、「油断大敵!」と勉強机の所にはったこの紙を見ながら、調整しました。

            6年の夏なんて、この「油断大敵」の漢字も

            「油断隊的」と書いていたくらいだったのに・・・。

 

            

            成長したのです。

 

            最後、カメは、「受験してよかった。楽しかった。たくさん心が強くなった。」と、言っていました。

 

 

             今が一番苦しいときですよね。

 

            小学校のママさんと受験が終わり、その夏に会いました。卒業写真ができて再び集まったのです。

 

            受かったママも   残念だったママも 当時は顔を卒業式で合わせるのも気を使いましたが

             半年もたつと新しい学校もいいなと感じはじめ

            みんな受験は、本当にいろいろあったし、たいへんだったけど

 

             「親子の一生の深い絆をつくった、宝物の思い出だ」

 

 

                  と、「全員」が言っていました。

 

                最後まで、お子さんの手をとり、大丈夫、ママ・パパがついてる!!と

                一緒に笑おう、だめだったら、ただ、一緒に泣けばいいさと

                   言って、抱きしめてあげてください。

 

 

                また、新しい年が動き出し、本業が忙しくなり更新できなくなりました。

 

                時間ができたら、最後までこのブログは、いつか仕上げたいとは思っています。

                記憶が鮮明にまだあるうちに・・・。

                息子がいつか見るときのためにとっておいてあげたいのです。

                人生につまづいたときに、こんなに頑張れた幼い自分がいたことを

                残しておいてあげたいのです。

 

                  ご覧頂き、ありがとうございました。

 

                最後に、この時期にずっと聴いていた曲です。

 

                    ありがとうございました。                       

          

 

          

                                                                                 


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カメは、この日、順調に試験を進めていた。

 

とてもいい感じに答え、

 

4教科のうちの

3教科が終わり・・・

 

すでに、受かったかも?と

感じていた。

 

試験管のほかに、学生の高校生だろうか・・・

 

お兄さんが、お手伝いで教室に立ち会い

 

感じがいい人たちで

 

試験会場は空気がよかった。

 

休み時間は、友達同士できている受験生は

答え合わせをすることがある。

 

昔は、その答えと違うと

あわてて、次の教科まで、気持ちに影響がでて、崩れ始めたが

 

今は、

 

「お前たちが違っていると・・」判断できる自分だった。

 

自分は、力が伸びていることを、それで、ふと自覚できた。

 

 

相変わらず、

 

威嚇する子、

自慢そうに、自分の、ぶ厚い手作りノートを見せびらかしながら、

最後の見直しをしている子もいる

 

 

でも、カメはもう、

そういう子たちには、にらまれても、

 

「自信がないんだな、がんばれ!」と冷静に、心で言えるようにもなっていた。

 

 

 

順調に進んで最後の教科

 

しかし、ここで

 

カメの失敗が起こる

 

カメは、もう大丈夫と気を抜いてしまい

 

シャーペンを、帰る準備を少しでも簡単にしようと、しまってしまったのだ。

 

大人からすれば、まさかの行動である。

 

 

そして、書きやすい、合格鉛筆2本と消しゴムだけ

 

出していた。

 

 

ところが

 

問題をめくるとき

1本を落としてしまい割り

 

 

そのあと、

 

あと1本しかない・・・・と思ったら動揺して

あわてて力が入り

うそのように、ぼきっと芯が割れた。

 

「あ・・・」と言うと

 

前の子が

落としたことも自分の下にきて知っていたし

 

 

ぼきっという音もしたから

そのことに気づいたらしい。

 

カメは、

 

「終わった・・・・」

 

と、泣きそうになり、がくがくしていたら・・・・

 

 

その子が

 

「シャーペンをかしてあげていいですか?」と試験管に聞いた。

 

 

それをきっかけに、先生から貸してもらえたのか、自分で出せたか、

それは忘れたと言って教えてくれなかったが、

それで、カメは助かったのである。

 

 

試験が終わった瞬間

 

今度はカメの隣の子が

 

がたがた震えていて、顔を真っかにして、泣きそうになっている。

 

ふと見ると

 

名前が‥‥名前が・・・と言っていた。

 

 

書き忘れたらしい。

 

すると、この学校は

お手伝いしていたお兄さんが

 

 

「先生!名前を忘れている子がいます!」と

全員の解答用紙を見ながら確認し

 

言ってくれて

 

 

 

「書いて・・。」

 

と試験管は静かに対応してくれた。

 

 

その子は、泣きながら震える手で

よかった・・よかった・・と書いていた。

 

 

全部、終わり、言ってくれたこと別れるときに

 

 

カメは「本当にありがとう」と言った。

 

 

すると、その子は

 

「ぼく、ここが第一なんだ。

 

また、会えるといいね!」と優しい笑顔で去っていった。

 

いい子だった。

 

また、会いたいなと思えるようないい子だった。

 

 

他の学校だと、名前は書き忘れたら、そんな時間などとってくれないところがほとんどだと

聞いていた。

 

 

カメは、この学校でも、きっと楽しいかもしれないと

帰り道、思った。

 

 

発表の日、

 

パソコンの前で

カメママと見ると・・・・・・

 

 

カメはしっかり合格していた!

 

 

あと、1週間で早稲田中学と第一志望の入試。

悔いのないように、やろうと思った。

 

毎回、何かが起こるけど、

それは自分が悪いからだとも思えて

 

「油断大敵!」と

 

 

今度は机のまえにはった。

 

 

ふと、あの親切な子は、どうだっただろうと、もう一度見ると・・・

 

 

その子は

 

 

落ちていた。

 

 

 

カメ「え・・・・。」

 

 

 

カメは、

 

ぼくがシャーペンかりなかったら、受かっていた?

と思ってしまった。

 

いい子なのにどうして?とも思った。

 

 

かなり、動揺して

 

おれのせい?

おれのせい?

 

と、どうしたらいいかわからなくなり、勉強していても、なにも入らなくなってしまった。

 

それで、カメママに話したら・・・

 

カメママ「きっと、そんないい子は、補欠のところに必ずいるから、

 

      あんたが、次に受かって、抜けなさい!」と言った。

 

 

 

名前を書き忘れた子は、受かっていた。

 

カメは、自分が油断しなかったら

この子の時間を1分でも取らずにすんだんだと思った。

 

1点に8人は並ぶ、受験。

 

1分あったら、一問できていたかもしれない・・。

 

ごめんね・・・。

そして、優しくしてくれて、ありがとう。

 

 

カメは、親切にしてくれた、知らないその子の繰り上げ合格を

 

心から願った。

 

 


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カメは、鼻水の薬を飲んだためか・・

前日、眠れないということもなく、こてんと夜寝て

今もぐっすり寝ている。

 

寝息の鼻のつまりもないから、どうやら回復してくれたようだ。

 

世の受験生の母親は、きっとそんなところまで、カメママのように気にしているのだろう。

 

カメママは、かすかに笑っているカメの寝顔を見ながら

 

「よかった・・」

 

と胸をなでおろした。

 

カメママは朝6時に目を覚まし

まだ暗い夜明け前、「大丈夫」という曲を聴いていた。

 

本当に、この曲のように

たくさんのものを

親子で乗り越えてきたなと思いながら・・。

 

 

あとすこし・・・・

 

あとすこしでおわるんだ・・

 

と思いながら。

 

カメママも、もう、精神的な限界に近づいていた。

 

でも、

 

 

あと・・・少しだ。

 

と、ぐっと頑張っていた。

 

 

 

時間がきてカメも起きると、

鼻水は良くなり、とても元気になっていた。

 

 

ふたりで、カーテンを開ける。

 

この日は、富士山が綺麗に見えた。

 

今日は快晴だ!

 

出かける準備をしていると、同じ窓から今度は、

立教新座へ向かう道が長蛇の列になっているのが見えた。

 

 

カメ「あんなに・・・・たくさん…受けるのか」

 

ふたりで、会場に行ってみると

 

もう、凄いお祭り騒ぎになっていた。

 

各塾が大勢の先生で旗を振って「わ~わ~」何か言っている。

 

カメは甲子園みたいだ・・・と言った。

 

カメママは少し大げさだなと思ったが

 

きっと、初めてのこの人数は、カメには、そう見えたのだろうと思った。

 

 

カメママ「ロッキー・・・聞く?」

 

カメ「うん!!」

イヤホンを二人で片方づつつけて聞いた。

 

 

 

これが、カメのおまじない(心理のアンカー)、

 

力を出し、

 

どんな雰囲気でもあがりをおさえ、

 

できる!という気持ちでいけるトリガーが

この曲・・・。

 

カメママが長い時間をかけて作った、お守り。

 

カメママ「よし、ふたりでスパークリングだ!」

 

カメママがパンチを両手で受けて、カメはパンチをする。

 

フットワーク良く二人で「パンチ!パンチ!」と動いていたら、なんだか楽しくなっていった。

 

周りでは、他のママが

「欄を間違えちゃだめよ!」

「名前ね!」

「周りはかぼちゃ!」

「がんばれ!」

「できる!」

など、いろいろな声がした。

 

気温は0度近いのだろう。

道の端には、氷があった。

 

風邪は痛いほど冷たい。

 

そんな中、パンチをしている二人は、あったかかった、そして、変だった。

どうせ、落ちる人なんだろうという目で、見られた。

 

でも、そんなのどうでもよかった。

人から、どう見られても、もういい!

この子が、自分はロッキーだと、今、思えればいいのだ。

 

 

だって・・・ロッキーは、必ず、

 

何が起こっても、乗り越えるから・・・。

 

このあと、試験で

 

思いもよらない問題が出たとしても

あせりそうになったとしても

ダメかもと思う瞬間があったとしても

 

きっと、立て直してくれる。

 

 

カメは「今度は、欄も大丈夫!算数も綺麗に書くよ。

    

 

     あと、国語も・・・・大丈夫!!」

 

と言って、背中を向けた。

手を振りながら、人ごみの中へのみこまれていった。

 

 

800名の受験生。

その親たち。

各塾の先生応援団。

 

 

何千人、ここには、人がいるのだろう・・・。

どんどん、受験生を乗せたバスもやってくる。

 

その中。

 

 

元気にカメは、

 

サピックスの先生応援団、総勢40名くらいの旗の中へと

 

お~~!!という激励の言葉に迎えられて

 

入っていった。

 

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「え~~~!」

 

 

カメママは、本当に驚いた。

 

そんな理由で、得点できなかったのかと。

 

カメママ「あのね、感動するのはいいけど、その余韻にしたる時間は試験中は、ないのね。

      それは、終わって答え合わせするときに、ママにどう感動したかそのときに話して、いい?」

 

カメ「わかった~~。」

 

カメママ「あと、論説はね、「あんたの意見」どうでもいいから!!

      テストは、書いている人が、何を言っているか!を聞くものだから。

 

カメ「え~~!」

       

カメママ「え~~?って、今更・・・。

      それで、意見が合うときは、満点だったのね。」

 

カメ「そうそう・・。」

 

 

カメママ「びっくりだ、もう、嫌いでいいから、そのあんたの嫌いな人は「なんて言っている」から、

       自分と意見が合わないのか、それを考えながら明日からは、そっちを答えてね。」

 

カメ「な~~んだ。自分の意見の選択肢ないな~って、思っていた。あと、自分の意見書いてた~(#^.^#)。」

 

 

この会話がなかったら、受からなかったと思う。

ひとつ正解で9点が稼げる長文国語。

 

カメは、この会話で、合格まで足らなかった得点を

最後の最後に、

一挙に

上げたのである。

 

これが、小学生なのだと、カメママは思った。

 

 


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立教新座受験前日の夜、

 

 

カメは、ハンバーグをにこにこ頬張っていた。

 

カメママは、それを見ながら、少し暗いレストランの灯りに、ゆったりし、

 

久しぶりにこんな外食の時間過ごすなあと、用意も後片付けもしなくていい夜に

くつろいでいた。

 

すると・・カメがこんなことを言ったのである。

 

カメ「あのね、立教新座の国語の入試試験ってね、小説、感動する文がでることがおおいんだ。

   それで、感動して、このあと、どうなったのかな?いい話だな・・・って思っていると、時間が終わっちゃうの(#^.^#)。

 

   あとね、早稲田は論説で、ぼくと意見が合わない人が、時々いて、そういうとき、

   考えるのがいやんなっちゃうんだよね。で、俺はこう思う!と考えていると、時間が終わっっちゃうの(#^.^#)」

 

 

カメママ「え?

 

      え~~~~~

 

      え~~~~~~~~~~~~~~~~~~!!!」

 

それで、かなり高得点になるときと、全然取れない差が大きかったのか!!!!

 

 

入試前日にわかって、

 

 

ほんとに、ほんとに、ほんと~~~~~~に、よかった!!!!!

 

と思ったカメママであった。

   

 


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