『別れ歌』

別れる時には憎ませて
そうまでしないと
心が残る

銀の指輪を捨てる時には
憎まないと
心が要るわ

別れを告げる時には
憎ませて
貴方の一言で
憎しみの氷が溶けていくから

一人に戻るのが
こんなに辛いなんて
忘れていた

想い出の花びらが
また
散って逝く

一人になるのが
こんなに辛いなんて
忘れていた

別れ歌が
こんなに悲しいとは
忘れていた

貴方が使った
ブランケットを抱きしめて
声を殺して叫び声
残り香探した
夜でした

何も無かったように帰る
別れ歌
雨の夜には辛すぎる
雨の夜明けは辛すぎる

どこかで
似た者同士が 
泣いている
別れ歌に
泣いている

別れの言葉に
泣いている

サヨウナラの
言葉が言えずに
泣いている

またねが
言えずに
泣いている

でもね

泣いている側が強いから
それだけ強く愛してた
それだけ強く思っていた

貴方には真の愛で在った事
私だけが分かっていた
今に成っても変わらない