昨日、いつものようにパソコンに向かってお仕事していた。

そのとき急に言葉が浮かんできた。

 

「一人より二人 これをこれを 忘れたもうな」

 

なんだ?!この言葉!!

ああ、聞いたことあるぞ。

これは確かサトウハチローの・・・。

 

その時、急に子どもの頃の記憶がフラッシュバックしてきた。

 

子どものころ、私が住んでいた家に、サロウハチローの額が玄関入ってすぐの壁に飾ってあった(気がする)。

 

「一人より二人・・・」の文字が縦書きで書いてあって、お花の絵が描いてあった気がする。

 

 

 

(実物ないので、ネットで拝借。こんな感じのものだった。)

 

 

 

目立つところにあったので、自然に毎日視界に入っていたと思う。

 

「これをこれを」と繰り返してるところ、「サトウハチロー」というカタカナの名前、「忘れたもうな」という古語風ないいまわし。

 

当時から文章が好きな私だったからであろう。より印象に残っている。

 

っていうか、暗記していた!!ことが今回わかった。

 

作者まで覚えている!サトウハチロー!

 

幼少期の記憶力は、私ずば抜けているのだ!

 

3歳ぐらいの時の記憶もちゃんとある。

 

今は記憶力かなりないですが・・・。

 

でも、この額があったことは記憶の片隅にもなかった。思い出すこともなかった。

 

なんで急に記憶がよみがえったのか、自分でもびっくりするほどだった。

 

しかもうろ覚えじゃなくて、全部覚えていて、全文が頭に出てきたのだ。

 

さっそく実家の両親に聞いてみる。

 

二人とも「あったかな?そういえば」ぐらいの記憶。

 

どちらかが飾ったと思うのに、そのあいまいな記憶(笑)

 

父は「うちにサトウハチローの額があるなーって思っていた」と言っていたから、飾ったのは母かもしれない。

 

母は認知症があるので、それ以上は確かめるのが難しかった。

 

さて、私はサトウハチローってよく知らなかった。

 

その後調べたら、作家の佐藤愛子さんのお兄さんであること、りんごの唄(あーかーいー、りんごにくちびるよーせーてー〽)の作者であることがわかった。

 

そして「悲しくてやりきれない」の作詞者でもあった。

 

私この歌好きなんです。

 

この歌を知ったのはおおかた静流のCDで。

 

もうずいぶん前。

 

いろんな人がカバーしてるんだなー。

 

コトリンゴ。

 

映画「この世界の片隅に」のオープニングの歌でもあったなあ、そういえば。

 

この映画が公開されたのは2016の秋。

 

もうそんなにたつのね。

 

調べてるうちに、私は自分の中の断片がいろいろ結びついていった。

 

一人より二人 これをこれを 忘れたもうな

 

順子訳→ 一人より二人 このこと ぜったいに忘れないで

悲しくてやりきれないのは、一人になってしまったことへの悲しみと絶望感、虚無感。

 

空を見上げるしかなかった。

 

しかし、「この世界の片隅に」、だれかがまっていること。

 

そして、もうすぐ出会うこと。

 

はじめての言葉は、「あなたは、あのあなたなの?」、「そうだよ」。

 

この映画をともに観ていること。