小説に行き詰まりました。
にっちもさっちも。
そんなときには、これ!
久美沙織著『新人賞の獲り方おしえます』
私の小説修行、第一歩目の教科書です。
実戦形式の本で、章ごとに課題があり、四百字詰め原稿用紙に15分で文章を書くのです。
たとえば。
『主人公をさりげなく紹介する』
いかに自然に主人公の名前を提出するか。
「私、宮坂あいり、17歳。月代高校の二年生。今日は、わくわくの文化祭!」
みたいなのは、もちろんなしで。
「宮城くん、修学旅行、一所にまわらない?」
拓斗が、逡巡していると、幼なじみの春樹が宮城拓斗と女子生徒の間に割り込んだ。
「ごめん、拓斗は俺とまわるんだ」
みたいな。
この章ですごい!と想ったのが
「おい、俺様を、このブロウニー様を怒らせたらどうなるか、知ってるか?」
みたいに自称させるという。
主人公、みずから名乗った!
そういう読んで楽しい、答えて楽しい本なんです。
小説って、どう書けばいいんだろうと思っていた若い頃、この本で武者修行いたしました。
なんど読み、なんど課題に挑戦したかわかりません。
今回、やってみて、確かに文章はうまくなっていました。
しかし、熱意はどうだろう。
小手先だけで書いてはいないか。
書きたいことを見失っていないか。
キリキリと胸につきささる。
明日はもっと書くべきものを書こう。
私が、私だけが書くべきものを書こう。
書きます。