5/30 NY市場 

《NY株式市場》

30日のNY株式市場は3指数揃って下落、NYダウは3日続落、NQとSP500は続落。

このところ景気再過熱を警戒していた市場だが、この日は一転、景気減速への懸念が広がる。取引開始前に発表された米GDP改定値で個人消費の伸びが市場予想を下回ったほか、労働市場の悪化を示すデータも発表され、10年債利回りは低下した。ただ、株式市場は金利低下という好材料よりも、景気不安という悪材料に反応し、売りが先行。

更にNYダウ構成銘柄のSalesforceが決算への失望売りから20%近くの大幅安となり、市場全体の重荷となった。NVIDIAも5日ぶりに反落し、ハイテク株の上昇に一服感が出た。


《為替・金利・商品》



🇺🇸1-3月期 実質GDP改定値 

米国の1-3月実質GDPの改定値は速報値から下方修正、7四半期連続でプラス成長を維持したものの、前の月から大きく縮小した。

GDPの約7割を占める個人消費が速報値の+2.5%から+2.0%に下方修正された事が響いた。

一方、設備投資と住宅投資は上方修正され、景気の底堅さは示された。



🇺🇸新規失業保険申請者数 

米国の先週1週間の新規失業保険申請者数は前の週から3000人増加、増加は3週ぶりで市場予想も僅かに上回る。

また、失業保険を継続して受給している人の数も前の週から増加した。



🇺🇸FRB高官発言 

NY連銀のウィリアムズ総裁は30日に講演し、現在の政策金利はインフレ率を2%へ押し戻すのに適切な水準にあるとの見解を示した。

直近数カ月はインフレ率が下げ止まったものの、今年後半にかけて再び低下を続けるとしている。

一方、利下げについては「急ぐ必要を感じない」と述べ、時間をかけて判断していく姿勢を強調した。



🇺🇸ベストバイ2-4月期決算 

米家電量販店大手ベスト•バイの2-4月期決算は減収増益だった。

インフレ長期化などにより、家電の需要は引き続き弱く売上が低迷した一方、コスト削減などによって利益は予想を上回った。

また2025年1月期通期見通しについては従来のまま据え置いた。

決算を受けてベスト•バイの株価は13%を超えて上昇した。



🇺🇸ダラー•ゼネラル2-4月期決算 

いわゆる1ドルショップを展開するダラー•ゼネラルの2-4月期決算は、売上高が予想を上回ったものの、1年前から30%近い減益に。

利益率の低い食料品などが売上を伸ばした一方、家庭用品や衣料品の需要が落ち込んでいる。

ダラー•ゼネラルは「消費者が裁量品への支出に引き続き慎重になっている」と指摘。

ダラー•ゼネラルの株価は8%超の下落。



🇺🇸DELL 2-4月期決算 速報 

デル•テクノロジーズの2-4月期決算はAIへの需要を追い風に1年前から65%増益に。

AIのサーバーなどを手掛ける「インフラ部門」は2割超の増益で、市場予想を上回る。一方、AIサーバーへの今後の需要を表す受注残は市場期待には届かなかった。

これが響き、デルの株価は時間外で一時、20%超の下落に。



米国株の見通し 


《景気減速を警戒》

直近の経済データは市場予想を下回るものが多い。来週の雇用統計は前月並みを予想されている。

昨年末では今年の利下げ予想回数は6回超あったものの、今では2回未満に。雇用統計が利下げ期待を高める結果となるか。


《企業のAIへの期待とは裏腹に国民レベルではAIを不安視》

xAIなどAI投資金額は大規模化し、AIに対する期待感が表れている。一方で国民レベルでは期待より不安が大きい。



為替の見通し 


米インフレ鈍化の進展は遅く、保険など支払価格の上昇から短期的には緩やかなインフレ上昇継続か


政府支援策が景気を支え、FRBはインフレ2%達成が確信できず利下げは遅れる


米大統領選までドル上昇基調は変わらず、日本の金融政策に変更がない限りドル円の方向性も変わらない



日本株の見通し 


銘柄入れ替えてで話題となるMSCIの指数について


そして今回だけに限らず、その構成に占める日本株の地盤沈下が著しい

日本株復活には東証改革にどれだけ応えられるかにかかる