5/21 NY市場 

《NY株式市場》

21日のNY株式市場、NYダウは反発、NQとSP500は最高値を更新。

相場はビッグイベントを控え小幅な値動き、NVIDIAの決算を見極めたい考え。

そのNVIDIAの株価は午後にかけ小幅高で推移。他の半導体株は持つ高調整の売りが出やすい一日だったが、Microsoft のAIパソコン向けに製品を供給すると発表した Qualcomm は上昇した。

NYダウは年次イベントの発表内容が好感されたIBMが主導し上昇した。

セクター別騰落では、上昇率トップは公益。AI関連の電力需要が増えるとの期待から大手電力会社の目標株価が引き上げられた。一方、エネルギーや資本財は下落した。


《為替・金利・商品》



🇪🇺EUが世界初のAI規制法 

EUは21日、包括的なAI規制法案を承認し、世界で初めてのAI規制法が成立した。

EUのAI規制法は生成AIによる偽情報の拡散防止などが狙いで、域内で活動する世界の企業が対象。

違反した場合、世界年間売上高の7%か3500万ユーロ(60億円)のいずれか高い方を制裁金として課す。



🇺🇸FRB高官発言 

FRBのウォラー理事は21日の講演で、利下げを開始する前に「良好なインフレ指標をあと数ヶ月確認する必要がある」と述べる。

4月のCPIの伸びが鈍化したことについては「前進だが、わずかな前進だ」と指摘。

一方で、4月の小売売上高やサービス業の景気指標が経済減速を示唆しているとして、金融引き締め策の効果を強調した。



🇺🇸イエレン財務長官 発言 

イエレン財務長官は21日、訪問先のドイツで講演し、中国の過剰生産能力について「欧米が団結して戦略的に対応しなければ世界中の企業の存続が危ぶまれるかもしれない」と訴えた。

またEVやソーラーパネルなどの過剰生産は「新興国の産業育成を妨げる可能性もある」と述べる。



🇺🇸ロウズ決算 

ホームセンター大手ロウズの2-4月期決算は減収減益だった。高額なDIY製品の需要の落ち込みが響いた。

また、通期見通しについては、売上高を840億〜850億ドルとして据え置いた。

エリソンCEOは「生活費のは増加と経済状況への懸念から住宅リホームは依然として手控えられている」と指摘した。



カーライル、日本特化ファンド 

米国投資ファンド カーライルグループは21日、日本企業への投資に特化した新たなファンドを立ち上げたと発表した。

ファンド規模は4300億円、日本に特化したファンドとしては他社を含めて過去最大規模。

カーライル側は「日本市場は今、投資家にとって刺激的な局面にある」としている。



🇯🇵日本🇸🇦サウジアラビア 会談 

岸田総理とサウジアラビアのムハンマド皇太子はオンラインで会談し、関係強化に向け新たな枠組みを設置することで一致した。

クリーンエネルギーの分野で協力することを確認し、ムハンマド皇太子からは日本への原油の安定供給を約束する考えを示した。



🇳🇨ニューカレドニア暴動 

暴動が続く南太平洋の仏領ニューカレドニアから日本人4人が豪州に退避した。ニューカレドニアには旅行者を含めて約300人の日本人が滞在している。



米国株の見通し 


《NVIDIA決算の注目点は》

日本時間明日早朝NVIDIA決算発表

脅威的な粗利益率は健在か

売上高は2倍程度に増える期待に応えられるか

などが注目

NVIDIAの個別株ETF残高が増大中

個別株ETFはレバレッジやショートなどを利用し短期売買を想定している商品

→決算結果によっては、或いは結果如何に関わらず発表後の株価乱高下は免れない?


《現金の使途を決めかねている企業》

米企業の現金比率が上昇

1%課税がされて自社株買いが減少、大統領選結果次第で変わる法人税•関税•エネルギー政策など現金使途を決めかねている

現金比率の高いバークシャーや設備投資や研究開発費の多いマグニフィセント7など、今後の現金使途に注目



為替の見通し 


ドル円相場を決めるもの

ドル円相場に大きく影響をするイメージの日米10年金利差や貿易収支は逆相関となる場面も

今一番相関性が高いと思われるのはFF金利先物

→FRBの金融政策見通しにドル円は一喜一憂する



日本株の見通し 


もし、日銀が利上げを決定した場合、金利は上昇、為替は円高、株は下落すると目される

実際に利上げをした前回を振り返る

2006年7月、2007年2月の連続利上げの際、一本調子での金利上昇、円高にはなっていない、利上げペースが緩やかだったから。

日本株については上昇基調。

今回の日銀の利上げ局面においても、利上げペースはゆっくりとなると想定され、金利の急上昇や急激な円高はないと想定。

連続利上げをする条件として、しっかりとした賃上げを確認しての話となるであろうから、日本株には良い状況である。

三井住友DSアセットでは、年末の日経平均株価は44900円に想定



深読みリサーチ 


主な半導体8社の25年度は大幅増収の見込み

半導体サイクルの底打ちからの引き続きの生成AI需要の +α


但し、各社ともチャイナ依存は高い

政治的規制はリスク要因


《8035東京エレクトロン》


《6146ディスコ》