4/10 NY市場 

3月のCPIの結果が予想よりも上振れ、利下げ期待が後退、ドル円が34年ぶりの円安水準に。


《NY株式市場》

10日のNY株式市場は3指数揃って下落。NYダウは3日続落、NQとSP500は反落。

CPIの発表を受けて市場ではFRBによる利下げの開始時期が遅れるとの見方が一段と強まり、主要3指数は取引開始から大きく下落、債券市場では10年債利回りが4.5%台まで上昇し、4カ月半ぶりの高い水準を付けた。

また、取引時間中に公表された3月のFOMC議事要旨では参加者が「物価目標を達成する自信が深まっていない」と述べており、投資家心理を更に冷やす形に。

セクター別騰落ではエネルギーのみ上昇、最も下落したのは不動産。


《為替・金利・商品》



🇺🇸3月の米消費者物価指数 

米国の3月の消費者物価指数は市場予想を上回り、伸び率は2カ月連続で加速、23年9月以来の大幅な伸びに。

項目別では、住居費が上昇したほか、エネルギー価格が1年ぶりに上昇に転じ全体を押し上げた。

コア指数も市場予想を上回る。

物価の瞬間風速を示す前月比ベースでも市場予想を上回り、インフレの根強さが改めて示された。


《CPI押し上げ要因》

CPI上振れ要因 =「自動車保険料+22.2%」 

→ 総合を0.6p、コアを0.8p、それぞれ押し上げ


米国の半年先の「賃金」「雇用」、ISM非製造業「仕入れ価格」指数などの低下傾向や見通しに大きな変化はない


FRB金融政策の次の一手が利下げである限り(利上げとならない限り)NY株高トレンドは変わらない



🇺🇸3月のFOMC議事要旨 

3月のFOMC議事要旨が公表された。

この中で参加者が「インフレ目標の2%に向けて安定的に低下しているという自信が深められていない」と述べていたことがわかった。

ここ数ヶ月のインフレ指標を「期待外れ」な結果とし、利下げはまだ適切でないとした。



🇨🇳フィッチ、中国を格下げ 

フィッチ•レーティングスは10日、中国の信用格付け見通しを「安定的」から「ネガティヴ」に引き下げた。

景気低迷を受けて中国政府が財政出動を増やすことで財政赤字が続くと指摘した。



🇮🇳Apple、iPhone生産を中国からインドへシフト 

AppleのiPhoneのインドでの生産額が24年3月期に140億ドルに達し、23年から倍増した。

iPhoneにおけるインド生産の割合は、最大14%まで拡大。米中関係の緊張が続く中、Appleが中国依存からの脱却を図っている。



🇰🇷韓国総選挙 

10日に投票が行われた韓国総選挙、全300議席のうち、最大野党「共に民主党」が170議席以上獲得確実に、過半数を大幅に超える見通し。

保守系与党「国民の力」は惨敗、尹政権の求心力低下は免れず、日韓関係に影響が出そうだ。



🇯🇵🇺🇸日米首脳会談 

日米経済連携は緊密に



WTO、今年の貿易量を下方修正 

WTOは10日、24年の世界の貿易量が1年前から2.6%増加する見通しを示す。23年10月に示した前回予測から下方修正した。

中東情勢の悪化によるエネルギー価格の上昇などで貿易量の回復が抑制される可能性があるとの事。


きょうの予定 



日経朝特急 

AIを活用するとは電力を大量消費すること

夏や冬に省エネをお願いしている中、平気な訳なし


日経新聞調べのエコノミストアンケートによると

年内には実質賃金がプラスになるとの事



米国株の見通し 


自動車保険料は自動車価格に連動するがタイムラグ有り、いずれは自動車保険料の伸びは止まる時がくるが直ぐにくる訳でもない

NY市場では保険株が上昇



為替の見通し 


本日のECB理事会は据え置き予想

→利下げに含みを持たせつつも何かを確約するメッセージは送らないだろう

物価は下げトレンド、目標の2%には早晩到達

→6月に利下げ開始、2024年末までに5回の利下げがメインシナリオ

年末のFRBとECBの利下げ織り込みの差は更に拡がり、ユーロドルは1.05程度まで下落を予想



日本株の見通し 


リスクオン相場でなくなってしまう状況とは、

・インフレ再加速→△まだ低下していく条件は揃っている

・利下げ見通し消滅→○利下げ確率は残っている

・商業用不動産懸念→◎ハイイールド債スプレッドに問題無し


☆リスクオン相場は続くと考える