4/9 NY市場 

《NY株式市場》

9日のNY株式市場、NYダウは僅かに続落、NQで3日続伸、S&P500は僅かに反発。

CPI発表を翌日に控え様子見ムード。長期金利の上昇一服したことを背景にNYダウは取引開始から買いが先行したものの、勢いは続かず、下落に転じた。

半導体のNVIDIAやハイテク株の一部には利益確定の売りも出やすかった。ただ、NQは引けにかけて下げ幅を縮小し、プラス圏で取引を終えた。

セクター別騰落では不動産や公益が上昇してた一方で金融や資本財が下落した。


《為替•金利・商品》



🇺🇸3月の中小企業楽観指数 

NFIB全米自営業者連盟が発表した3月の中小企業楽観指数は2012年12月以来で最も低い水準に。項目では「売上高見通し」や「採用計画」などが低下した。

経営上、最も重要な課題を「インフレ」と答えた回答者の割合は2月から2ポイント上昇した。



🇺🇸ボーイング納入機数 

ボーイングは9日、2024年1-3月期に納入した民間機は83機で1年前から36%減少、3月単月では29機にとどまり1年前から半減したと発表した。

2024年1月の機体一部が飛行中に吹き飛んだ事故が影響した。



🇲🇽3月のメキシコCPI 

メキシコの3月のCPIは1年前に比べ4.42%、市場予想を下回る。コア指数も2月から伸び率が縮小し、市場予想を下回る。

メキシコ中銀は3月に3年ぶりに利下げに踏み切っておりら物価上昇の鈍化が進めば追加利下げに繋がる可能性も。

利上げをしても弱い円とは対照的に利下げをしても強いメキシコペソ(まるで株価のよう)


理由

・利下げしたとはいえ高い実質金利

・米中対立で世界の生産拠点のメキシコ移転

・原油高の恩恵



🇯🇵Microsoft が日本へ投資 

訪米中の岸田総理はMicrosoft・ブラッド•スミス社長と会談。

Microsoftは日本でのデータセンターの拡張などの為、新たに29億ドル(約4400億円)を投資すると表明。



日米首脳会談を前に中国動向 

日米首脳会談を前に、訪中中の馬英九前台湾総統は習近平主席と9年ぶりに10日会談することになった。



🇪🇺中国企業を調査 

EUは9日、EU域内に風力発電のタービンを供給している中国企業について、調査を始めると発表した。

中国政府からの補助金を得ることで競争を阻害している疑いがあるとしている。

EUは再生可能エネルギー分野で中国への依存度が高まる事を警戒して、EVや太陽光パネルに関連する中国企業についても調査を進めている。



きょうの予定 

米CPI前年比の市場予想では

・総合は3.4(2月3.2)、原油価格という外的要因によるので金融政策に感知しない

・コアは3.8(2月3.7)若干の低下、鈍化ペースがダウンしている事にFRBはどうジャッジ


FRBの金融政策への影響は「前月比」の方が重要


コア前月比+0.3%が続いた場合の一年後のインフレ率は3.7%と計算出来、FRBのインフレ目標2%にはならない


利下げをするなら「前月比+0.2%」となる必要がある



米国株の見通し 


《CPI見通し》

3月の米CPI野村予想

コア指数、スーパーコア指数ともに前月比で低下を見込む


野村は7月から年内2回の利下げ予想


《NY株のセンチメント悪化》

NYのOP市場ではプットを売った資金でコールを買うほどに強気一辺倒だったが、3月に入り、様相が変わってきた

VIX指数もジワリ上昇してきた


大量の買いポジ解消が起こるならば、それなりの◯◯ショックというネーミングがつく下落もあり得る



為替の見通し 


日本の貿易収支は赤字縮小も、輸入ではドル決済が多く、更にサービス収支も赤字が続く

日本企業の海外投資は過去最高に

投信経由の対外投資も過去4年間は平均の3倍

→企業、個人の円売り超過が定着


☆ 米利下げが始まればドル円はピークから1割程度下落するだろうが、当面は介入を打診するような肝試し相場は続く



日本株の見通し 


原油価格とドル円に相関性

原油価格上昇でドル高円安に拍車の可能性

⇒日銀の追加利上げ観測


日銀の次の利上げでは、

信用取引買いの金利が引き上がる可能性

信用取引新規売りには受取金利が復活の可能性